配電22【電験3種 電力】地中配電の開閉器にガス絶縁は使う・供給用配電箱に変圧器は入らない!平成28年度 A問題11 完全解説

電験3種 電力科目 配電 平成28年度 A問題11 地中配電の機器を総点検!供給用配電箱の中身

今回は平成28年度 電力科目 A問題11地中配電線路に用いられる機器の特徴a〜eから誤りの組合せを選ぶ問題です。CVケーブル・終端接続・地中変圧器・開閉器・供給用配電箱と、地中配電の機器が総登場します。

誤りはdとe。d「地中配電の開閉器にガス絶縁方式は採用されない」は誤りで、SF6ガス絶縁の開閉器は実際に使われます。e「供給用配電箱に変圧器がセットで収納」も誤りで、供給用配電箱には開閉器が収納され、変圧器は別(地上用変圧器)です。

目次

平成28年度 電力科目 A問題11:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 配電 平成28年度 A問題11 問題文
平成28年度 電力科目 A問題11 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成28年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題11

電験3種 電力科目 【配電】 平成28年度 A問題11

 地中配電線路に用いられる機器の特徴に関する記述a〜eについて、誤っているものの組合せを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a 現在使用されている高圧ケーブルの主体は、架橋ポリエチレンケーブルである。

b 終端接続材料のがい管は、磁器製のほか、EPゴムやエポキシなど樹脂製のものもある。

c 直埋変圧器(地中変圧器)は、変圧器孔を地下に設置する必要があり、設置コストが大きい。

d 地中配電線路に用いられる開閉器では、ガス絶縁方式は採用されない。

e 高圧需要家への供給用に使用される供給用配電箱には、開閉器のほかに供給用の変圧器がセットで収納されている。

(1) a (2) b,e (3) c,d (4) d,e (5) b,c,e

答え誤っているのはdとe、答えは(4)です。

答えは(4):dとeが誤り

5つの記述を1つずつ確かめます

記述正誤決め手
★a 高圧ケーブルの主体は架橋ポリエチレン★正★CVケーブルが主力
★b がい管は磁器・樹脂製★正★EPゴムやエポキシもある
★c 地中変圧器は設置コストが大きい★正★変圧器孔を地下に造る
★★d 開閉器にガス絶縁は採用されない★★誤★★SF6ガス絶縁の開閉器は使われる
★★e 供給用配電箱に変圧器がセット★★誤★★収納されるのは開閉器

地中配電に置かれる3つの箱

名称中身役目
★★供給用配電箱(多回路開閉器)★★開閉器・母線・分岐設備★★高圧需要家へ分岐して供給する
★★地上用変圧器★★変圧器★★高圧を低圧に落とす
★低圧分岐装置★★低圧の分岐と接続★★各戸への引込みを分ける

役目ごとに別の箱に分かれています——1つにまとめるわけではないのです。

だから供給用配電箱に変圧器は入りません——記述eが誤りである理由です。

変圧器を収めるのは地上用変圧器の箱です——パッドマウント変圧器とも呼ばれるのです。

歩道に並ぶ箱には、それぞれ違う中身があります——見分けられると理解が深まるのです。

地中の変圧器をどこに置くか

方式置き方費用景観
★★地上用変圧器★★歩道の上に箱を置く★★安い★★箱が見える
★★直埋変圧器(地中変圧器)★★地下に変圧器孔を造って収める★★高い★★何も見えない

地下に置けば、歩道に何も出ません——景観の面では理想的です。

けれども変圧器孔という地下室を造る必要があります——だから費用が大きいのです。

浸水や換気の対策も要ります——保守もしにくいのです。

だから記述cは正しい——コストが大きいのは事実です。

⚠️ よくある間違い
dを正しいと考える——SF6ガス絶縁の開閉器は使われます
eを正しいと考える——供給用配電箱に変圧器は入りません
aを疑う——高圧ケーブルの主体はCVケーブルです。
bのがい管を磁器だけと考える——樹脂製もあります
誤りが2つという条件を見落とす——組合せを選ぶ問題です。

⏱️ 本番での進め方
①★地中配電の開閉器にもガス絶縁方式は使われる。
②★供給用配電箱に入るのは開閉器。変圧器は別の箱。
③★高圧ケーブルの主体はCVケーブル。
④★直埋変圧器は変圧器孔が要るので高コスト。

💡 覚え方
「配電箱は開閉器、変圧器は別の箱」——役目ごとに分かれています「採用されない」という否定は疑う——誤り選択の定石です。

地中配電の得失は平成27年度 A問題11配電:地中配電線路の得失)にあります。

終端接続部という弱点

部位何が起きるかだから必要なこと
★★終端接続部★★遮へい層を切るので電界が集中する★★ストレスコーンで電界を緩和する
★中間接続部★★同じく電界が集中する★★同じく緩和が必要
★がい管★★屋外で気中に引き出す部分★★磁器や樹脂で絶縁と保護をする

ケーブルの事故は、接続部で起きることが多いのです——そこだけ人が作るから。

だから電界を緩和する部品が組み込まれています——ストレスコーンです。

がい管は磁器製が古くからありますが、EPゴムやエポキシ樹脂製もあります——軽くて割れにくいのです。

ガス絶縁の開閉器が地中配電に向く理由

気中絶縁ガス絶縁
★大きさ★★大きい★★小形にできる
★湿気の影響★★受けやすい★★密閉されていて受けにくい
★保守★★点検の手間がかかる★★手間が少ない

地中配電の機器は、地上の箱や地下の孔に収めます——場所が限られるのです。

だから小形にできるガス絶縁が向いています——記述dが誤りである理由です。

架橋ポリエチレンが主体になった経緯

OFケーブルCVケーブル
★絶縁体★★絶縁紙+絶縁油★★架橋ポリエチレン
★許容温度★★80 ℃★★90 ℃
★保守★★油圧の管理が要る★★不要
★弱点★★油漏れ★★水トリー

油を使わないので、漏れる心配がありません——環境にもよいのです。

許容温度が高いので、同じ太さで多くの電流を流せます——経済的です。

だから高圧ケーブルの主体になりました——記述aは正しいのです。

地中配電の機器を置く場所で分ける

場所置かれる機器
★地上(歩道の箱)★★地上用変圧器・供給用配電箱・低圧分岐装置
★地下(マンホール・洞道)★★ケーブル接続部・直埋変圧器
★需要家の構内★★受電設備・終端接続部

どこに何があるかを整理しておくと、記述の正誤が判断できます

本問のdとeは、どちらも機器の中身に関する誤り——場所と中身をひも付けて覚えるのです。

組合せを選ぶ問題の進め方

段階行うこと本問では
★①★★確実に正しい記述を消す★★aのCVケーブル
★②★★aを含む選択肢を外す★★(1)が消える
★③★★確実に誤りの記述を決める★★eの供給用配電箱
★④★★eを含む選択肢に絞る★★(2)(4)(5)の3つ
★⑤★★残りで決める★★dも誤りなので(4)

5つすべてを判定しなくても答えは出ます——2つ決めれば絞れるのです。

自信のある記述から手を付けましょう

地中配電の機器の名前を整理する

名前中身
★供給用配電箱★★開閉器(多回路開閉器とも呼ぶ)
★地上用変圧器★★変圧器(パッドマウント変圧器)
★直埋変圧器★★地下の変圧器孔に収めた変圧器

名前に「配電箱」とあっても、変圧器は入りません——紛らわしいところです。

だから記述eが誤りだと判断できます

地中配電を保守するということ

作業架空配電地中配電
★点検★★巡視して目で見る★★箱を開ける・測定する
★機器の交換★★高所作業車で行う★★地上の箱なら容易・地下は大がかり
★ケーブルの診断★—★★絶縁抵抗・tanδ・部分放電を測る

地上の箱に収めるのは、保守のしやすさも理由です——地下だと開けるだけで大仕事だから。

だから直埋変圧器は費用も手間も大きくなります——記述cが正しい理由です。

ガス絶縁の機器なら点検の手間も減ります——密閉されているからです。

地中配電が増えている背景

要因内容
★景観への要求★★観光地や再開発地区で無電柱化が求められる
★★防災★★地震や台風で電柱が倒れ道路をふさぐのを防ぐ
★歩行空間★★歩道が広く使え、バリアフリーにもなる

だから機器も、地上の箱に収める形が増えています——本問が問う機器はその一部です。

小形化できるガス絶縁の開閉器も、その流れに合っています——記述dが誤りである実務上の裏づけです。

費用の高さが課題ですが、工法の工夫で下げる努力が続いています

まとめ

誤り(4) d・e
d開閉器にガス絶縁方式は採用される(採用されない=誤り)
e供給用配電箱は開閉器収納・変圧器は別(=誤り)
a高圧ケーブルはCVが主体(正)
b/cがい管は磁器/樹脂・地中変圧器は高コスト(正)
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・地中配電線路の機器(配電27):【電力】平成27年度 A問題11
・CVケーブルの特徴(地中送電2):【電力】令和7年度下期 A問題10

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