配電30【電験3種 電力】真空遮断器は真空バルブ・ベローズ・騒音小・低電圧系統!平成25年度 A問題7 完全解説

電験3種 電力科目 配電 平成25年度 A問題7 真空バルブとベローズ!VCBは静かで小形

今回は平成25年度 電力科目 A問題7真空遮断器(VCB)の構造や特徴の空欄補充問題です。開閉電極の密閉構造・可動電極の機構・騒音・適用電圧と、真空遮断器の要点が問われます。

4つの空欄:開閉電極は真空バルブ内に密閉され、可動電極が動作しても真空を保つベローズで構成。空気遮断器より動作時の騒音が小さく小形軽量で、ガス遮断器と比べると電圧が低い系統(高圧・配電)で広く使われます。

目次

平成25年度 電力科目 A問題7:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 配電 平成25年度 A問題7 問題文
平成25年度 電力科目 A問題7 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題7

電験3種 電力科目 【配電】 平成25年度 A問題7

 次の文章は、真空遮断器の構造や特徴に関する記述である。

 真空遮断器の開閉電極は、(ア)内に密閉され、電極を開閉する操作機構、可動電極が動作しても真空を保つ(イ)、回路と接続する導体などで構成されている。

 電路を開放した際に発生するアーク生成物は、真空中に拡散するが、その後、絶縁筒内部に付着することで、その濃度が下がる。

 真空遮断器は、空気遮断器と比べると動作時の騒音が(ウ)、機器は小形軽量である。また、真空遮断器は、ガス遮断器と比べると電圧が(エ)系統に広く使われている。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)真空バルブベローズ小さく高い
(2)パッファシリンダベローズ大きく高い
(3)真空バルブベローズ小さく低い
(4)パッファシリンダブッシング変流器小さく高い
(5)真空バルブブッシング変流器大きく低い
答え答えは(3)です。

答えは(3):真空バルブ・ベローズ・小さく・低い

真空遮断器の構造と特徴が、そのまま問われています

空欄正解なぜそうなるか
★(ア)★★真空バルブ★★電極を真空容器に密閉する
★(イ)★★ベローズ★★蛇腹で気密を保ちつつ電極を動かす
★(ウ)★★小さく★★空気を噴出しないので静か
★(エ)★★低い★★超高圧はガス遮断器の領分

真空でアークが消える理由

段階起きること
★電極が離れ、アークが発生する
★②★★電極の金属が蒸発して金属蒸気になる
★③★★その蒸気がアークを支える
★④★★電流ゼロ点で蒸気が真空中へ一気に拡散する
★⑤★★絶縁が急速に回復してアークが消える

真空にはアークを支えるものがありません——電子や分子がないから。

だから電流がゼロになった瞬間、一気に絶縁が戻ります——これが真空遮断器の強みです。

アーク生成物は絶縁筒の内側に付着します——濃度が下がって消弧が進むのです。

消弧のための媒体を補給する必要がありません——だから保守が楽なのです。

ベローズという部品

内容
★形★★蛇腹(じゃばら)状の金属筒
★役目★★真空を保ったまま可動電極を動かす
★なぜ必要か★★軸が貫通すると真空が破れる
★寿命★★繰り返し伸縮するので開閉回数に限りがある

真空容器の中の電極を、外から動かす必要があります——けれども軸を通せば真空が漏れるのです。

そこで蛇腹を使って、伸び縮みで動きを伝えます——密閉したまま動かせるのです。

この発想が真空遮断器を成り立たせています——だから空欄になりやすいのです。

⚠️ よくある間違い
(ア)をパッファシリンダとする——それはガス遮断器の消弧室です。
(イ)をブッシング変流器とする——それは計器用の部品です。
(ウ)を大きくとする——空気遮断器より静かです。
(エ)を高いとする——超高圧はガス遮断器です。
真空遮断器と真空開閉器を混同する——遮断器は事故電流を切れます

⏱️ 本番での進め方
①★真空遮断器=真空バルブ+ベローズ。
②★空気遮断器より騒音が小さく小形軽量。
③★ガス遮断器より低い電圧系統で使う。
④★パッファシリンダはガス遮断器の語。

💡 覚え方
「真空バルブ・ベローズ・静か・低い電圧」——4つセットで覚えますダミーはパッファシリンダとブッシング変流器——どちらも別の機器の部品です。

遮断器の消弧方式は変電の問題変電:遮断器の消弧方式)で扱っています。

遮断器の種類と使い分け

消弧の方法で分類されます

種類消弧の方法主な適用電圧現状
★★真空遮断器(VCB)★★真空中への拡散★★高圧〜特別高圧★★配電の主力
★★ガス遮断器(GCB)★★SF6ガスの吹き付け★★超高圧★★送電の主力
★空気遮断器(ABB)★圧縮空気の吹き付け★高圧〜超高圧★★騒音が大きく減少
★油遮断器(OCB)★油の分解ガス★高圧★★火災の危険でほぼ使われない

現在は真空遮断器とガス遮断器の2つが主流です——電圧で棲み分けているのです。

配電用変電所や需要家の高圧受電設備は真空遮断器——小形で保守が楽だから。

超高圧の変電所はガス遮断器——高い絶縁耐力が要るから。

空気遮断器と油遮断器は姿を消しつつあります——騒音と火災の問題があるためです。

真空遮断器の短所

良いことばかりではありません

短所内容対策
★★開閉サージ★★消弧能力が高すぎて電流を無理に切り、高い電圧が出る★★サージ吸収装置を付ける
★真空の維持★★真空度が下がると遮断できない★定期的に真空度を点検する
★ベローズの寿命★★伸縮の繰り返しで疲労する★開閉回数を管理する

真空遮断器は、電流を切る力が強すぎることがあります——ゼロ点を待たずに切ってしまうのです。

すると電流の急変で高い電圧が発生します——これが開閉サージです。

とりわけ電動機やモールド変圧器では注意が要ります——絶縁を傷めることがあるから。

だからサージ吸収装置を組み合わせて使います——短所を知って使うのが実務です。

高圧受電設備での真空遮断器

工場やビルの受電設備で、中心となる機器です

機器役目事故電流を切れるか
★★真空遮断器(VCB)★★短絡・地絡事故の電流を遮断する★★切れる
★高圧交流負荷開閉器(LBS)★負荷電流の開閉のみ★★切れない(ヒューズと組む)
★断路器(DS)★★無電流状態で回路を切り離す★★切れない
★高圧カットアウト(PC)★変圧器の保護と開閉★ヒューズが溶断する

事故電流を切れるのは遮断器だけです——そこが他の機器との決定的な違い

断路器は電流が流れていないときにしか開けません——開けるとアークが持続して危険だから。

だから断路器を開く前に、必ず遮断器を開きます——操作の順序が決まっているのです。

負荷開閉器はヒューズと組み合わせて事故に備えます——小容量なら遮断器より安いのです。

真空遮断器はその中で、最も確実な保護を担います——だから重要な回路に使うのです。

アーク生成物が絶縁筒に付く意味

問題文にある一文にも、ちゃんと理由があります

段階起きること結果
★①★★電極から金属蒸気が出る★アークが支えられる
★②★★蒸気が真空中へ拡散する★★濃度が急に下がる
★③★★絶縁筒の内側に付着する★★空間から取り除かれる
★④★★電極間の絶縁が回復する★★遮断が完了する

金属蒸気が残っていると、電流が流れ続けます——だから取り除く必要があるのです。

真空中では、蒸気が一気に広がって薄くなります——ぶつかる相手がいないから。

その蒸気が筒の内側に付いて、空間から消えます——これが速い消弧の秘密です。

付着した金属は絶縁筒を汚しますが、内部の形を工夫して絶縁を保ちます——シールドを設けるのです。

だから遮断の速さと、繰り返しの信頼性が両立します——よくできた機器なのです。

空欄補充で確実に得点するために

ダミーの語がどこの部品かを知っていれば、消去法が効きます

ダミーの語本当はどこの部品か
★パッファシリンダ★★ガス遮断器の消弧室(ガスを圧縮して吹き付ける)
★ブッシング変流器★★遮断器などのブッシングに組み込む計器用変流器

どちらも実在する部品ですが、真空遮断器のものではありません——だから消せるのです。

パッファとは「吹き付ける」という意味です——真空には吹き付けるガスがないのです。

選択肢を見ると、(ア)が真空バルブなのは3つ——そこで2つに絞れます

あとは(ウ)の騒音か(エ)の電圧のどちらかを決めれば答えが出ます——全部が分からなくても正解できるのです。

まとめ

(ア)真空バルブ(電極を密閉)
(イ)ベローズ(可動電極の気密)
(ウ)小さく(空気遮断器より騒音)
(エ)低い(ガス遮断器より適用電圧)
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・遮断器の消弧方式(変電27):【電力】平成28年度 A問題7
・配電線路の開閉器類(配電9):【電力】令和5年度上期 A問題6

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