今回は平成25年度 電力科目 A問題12、配電線の保護方式(時限順送方式)の空欄補充問題です。故障→区分用開閉器の開放→送電再開→順番に投入→故障区間の判別という一連の動作が問われます。
ポイントは時限順送方式。送電再開後、区分用開閉器が電源側から一定時限(7秒)ごとに順番に投入され、投入直後に故障が再検出された時間から故障区間を特定します。動作時限7秒なら21秒で3番目が投入→22秒で停止なら、その負荷側の区間dが故障区間です。
答えは(3):保護継電器・開放・投入・時限順送方式・d
停電から復旧までの一連の動作をたどる問題です。
| 空欄 | 正解 | そのとき何が起きるか |
| ★(ア) | ★★保護継電器 | ★★故障を検出して遮断器に指令 |
| ★(イ) | ★★開放 | ★★無電圧になると開閉器が開く |
| ★(ウ) | ★★投入 | ★★電源側から順に閉じていく |
| ★(エ) | ★★時限順送方式 | ★★一定時限ごとに順に送る |
| ★(オ) | ★★d | ★★22秒なら3番目の負荷側 |
平成25年度 電力科目 A問題12:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題12
電験3種 電力科目 【配電】 平成25年度 A問題12
次の文章は、配電線の保護方式に関する記述である。
高圧配電線路に短絡故障又は地絡故障が発生すると、配電用変電所に設置された(ア)により故障を検出して、遮断器にて送電を停止する。
この際、配電線路に設置された区分用開閉器は(イ)する。その後に配電用変電所からの送電を再開すると、配電線路に設置された区分用開閉器は電源側からの送電を検出し、一定時間後に動作する。その結果、電源側から順番に区分用開閉器は(ウ)される。
また、配電線路の故障が継続している場合は、故障区間直前の区分用開閉器が動作した直後に、配電用変電所に設置された(ア)により故障を検出して、遮断器にて送電を再度停止する。
この送電再開から送電を再度停止するまでの時間を計測することにより、配電線路の故障区間を判別することができ、この方式は(エ)と呼ばれている。
例えば、区分用開閉器の動作時限が7秒の場合、配電用変電所にて送電を再開した後、22秒前後に故障検出により送電を再度停止したときは、図の配電線の(オ)の区間が故障区間であると判断される。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) 保護継電器 開放 投入 区間順送方式 c (2) 避雷器 開放 投入 時限順送方式 d (3) 保護継電器 開放 投入 時限順送方式 d (4) 避雷器 投入 開放 区間順送方式 c (5) 保護継電器 投入 開放 時限順送方式 c



(オ) 22秒から故障区間を逆算する
動作時限7秒なので、7秒ごとに1台ずつ投入されます。
★
★
★
★
| 投入の時刻 | 閉じる開閉器 | 送電される区間 | 結果 |
| ★7秒 | ★★a | ★★区間a | ★健全 |
| ★14秒 | ★★b | ★★区間b | ★健全 |
| ★★21秒 | ★★c | ★★区間c | ★健全 |
| ★★— | ★★(cの投入で区間dへ送電) | ★★区間d | ★★22秒で再故障→ここが故障区間 |
21秒に投入された開閉器cの先が、区間dです——そこへ送電した瞬間に再び故障したのです。
だから故障しているのは区間d——投入した開閉器の負荷側になります。
22秒という数字は「21秒+わずか」という意味です——投入した直後に検出されるから。
時限順送方式の動作を順に追う
| 段階 | 起きること |
| ① | ★配電線で故障が起き、保護継電器が検出する |
| ★② | ★★変電所の遮断器が開いて送電が止まる |
| ★③ | ★★無電圧になり、すべての区分用開閉器が開放される |
| ★④ | ★★変電所が送電を再開する |
| ★⑤ | ★★各開閉器が電圧を検出し、一定時限後に投入される |
| ★⑥ | ★★故障区間へ送電した瞬間に再び故障を検出する |
| ★⑦ | ★★その開閉器は開いたまま固定され、区間が切り離される |
人が探しに行かなくても、自動で故障区間が分かります——そこが時限順送方式の値打ちです。
時限をずらすのは、1台ずつ順に確かめるためです——同時に閉じたら区間が特定できないのです。
故障区間より手前は、その時点で復旧しています——停電範囲が狭まるのです。
先の区間へは、連系開閉器から別の配電線が応援します。
⚠️ よくある間違い
(ア)を避雷器とする——故障を検出するのは保護継電器です。
(イ)(ウ)を逆にする——停電で開放、送電再開で投入です。
(オ)をcとする——21秒に投入されたcの負荷側がdです。
22秒÷7=3.1 から3番目と考えて止まる——その先の区間が故障です。
「区間順送方式」を選ぶ——時限で送るので時限順送方式です。
⏱️ 本番での進め方
①★時限順送方式=停電で全開放→再送電→順に投入。
②★投入時刻は動作時限×番号。
③★再故障の直前に投入された開閉器の負荷側が故障区間。
④★22秒なら21秒に投入したcの先=区間d。
💡 覚え方
「割って、1つ先」——22÷7=3なので3番目、その負荷側が故障区間です。投入した瞬間に落ちる——だから直後の区間が犯人なのです。
配電系統の保護装置は令和3年度 A問題13(配電:高低圧配電系統の保護)にあります。
なぜ時限をずらすのか
| やり方 | 結果 |
| ★全部を同時に投入する | ★★どの区間が故障か分からない |
| ★★一定時限ごとに1台ずつ投入する | ★★再故障までの時間で区間が特定できる |
同時に閉じれば、確かに一度で復旧を試せます——けれども故障区間が分からないのです。
1台ずつ確かめれば、どこで落ちたかが時間で分かります——それが時限順送方式の狙いです。
7秒という時限は、その判別のための間隔です——短すぎると区別がつかないのです。
故障区間が切り離された後
| 区間 | その後どうなるか |
| ★故障区間より手前 | ★★送電が再開され復旧している |
| ★★故障区間 | ★★開閉器が開いたまま固定され切り離される |
| ★故障区間より先 | ★★連系開閉器を閉じて別の配電線から送る |
停電したままになるのは、故障区間だけです——そこを修理すれば全部復旧するのです。
先の区間は、隣の配電線が応援します——連系開閉器の出番です。
だから停電の影響が最小限に収まります。
区分用開閉器が電圧で動く
| 状態 | 開閉器が感じること | 動作 |
| ★停電した | ★★電圧がなくなった | ★★ただちに開放する |
| ★送電が再開された | ★★電源側に電圧が現れた | ★★一定時限を数えて投入する |
| ★投入直後に再停電 | ★★また電圧がなくなった | ★★開いたまま固定される(ロック) |
開閉器は電圧の有無だけを見て動きます——通信も指令も要らないのです。
単純なしくみですが、確実に働きます——だから長く使われているのです。
投入直後に停電したら、自分が犯人だと判断してロックします——それが(⑦)の動作です。
動作時限が変わると答えも変わる
| 動作時限 | 3番目が投入される時刻 | 再停止が22秒なら |
| ★5秒 | ★★15秒 | ★★4番目(20秒)の先が故障 |
| ★★7秒 | ★★21秒 | ★★3番目の先=区間d |
| ★10秒 | ★★30秒 | ★★2番目(20秒)の先が故障 |
時限が変われば、同じ22秒でも答えが変わります——だから割り算が必要なのです。
22÷7=3あまり1なので、3番目まで投入されたと分かります——その先が故障区間です。
時限順送方式の限界と代わる方式
| 時限順送方式 | 配電自動化システム | |
| ★判別のしかた | ★★時間を計って逆算する | ★★通信で開閉器の状態を集める |
| ★所要時間 | ★★数十秒かかる | ★★短時間で特定できる |
| ★故障区間への再送電 | ★★1回は送ってしまう | ★★送らずに済む |
| ★設備 | ★★開閉器だけでよい | ★★通信線と制御所が要る |
時限順送方式は、故障区間へ一度送電してしまいます——そこが弱点です。
それでも設備が簡単なので、広く使われてきました——通信が要らないから。
近年は配電自動化システムが普及しています——より速く正確に特定できるのです。
計算の見直しに使える確かめ方
| 確かめること | やり方 |
| ★何番目まで投入されたか | ★★再停止の時刻を動作時限で割る |
| ★故障区間はどこか | ★★その番号の開閉器の負荷側 |
| ★選択肢との照合 | ★★区間の記号a〜dで確かめる |
22÷7=3あまり1なので、3番目まで投入されています——その先が区間dです。
割り切れなくても構いません——商が投入された台数になります。
まとめ
| (ア) | 保護継電器(故障検出) |
| (イ) | 開放(停電で区分用開閉器) |
| (ウ) | 投入(再送電で電源側から順に) |
| (エ) | 時限順送方式 |
| (オ) | d(21秒投入直後→負荷側区間) |
| 答え | (3) |
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