変電34【電験3種 電力】変圧器の過負荷回避!コンデンサで無効電力を削り皮相を定格内に 平成24年度 B問題17 完全解説

電験3種 電力科目【変電】平成24年度 B問題17 (a)Q=500·tanθ1+200·tanθ2≒392kvar→(2)、(b)√(750²−700²)=269kvar残す→Qc=392−269≒123kvar→(3)

今回は平成24年度 電力科目 B問題17、750kV·Aの三相変圧器に負荷を追加したときの無効電力を求め、過負荷を回避するのに必要な電力用コンデンサ容量を計算する問題です。力率改善(コンデンサ)の定番テーマです。

ポイントはP・Q・Sの三角関係。各負荷の無効電力は Q=P·tanθ で求めて合計。皮相電力 S=√(P²+Q²) が定格750kV·Aを超えると過負荷なので、コンデンサで無効電力を減らしてSを定格ちょうどまで下げる、と考えます。

出題のポイント

目次

平成24年度 電力科目 B問題17:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 変電 平成24年度 B問題17 問題文
平成24年度 電力科目 B問題17 問題文

電験3種 電力科目 【変電】 平成24年度 B問題17

 定格容量750[kV·A]の三相変圧器に遅れ力率0.9の三相負荷500[kW]が接続されている。この三相変圧器に新たに遅れ力率0.8の三相負荷200[kW]を接続する場合、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 負荷を追加した後の無効電力[kvar]の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)339 (2)392 (3)472 (4)525 (5)610 kvar

(b) この変圧器の過負荷運転を回避するために、変圧器の二次側に必要な最小の電力用コンデンサ容量[kvar]の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)50 (2)70 (3)123 (4)203 (5)256 kvar

ポイント解説:Q=P·tanθで合計、S=√(P²+Q²)を定格内に

(a)無効電力:各負荷の無効電力は Q=P·tanθ=P·(sinθ/cosθ)。既存負荷は P₁=500kW・力率0.9なので tanθ₁=√(1−0.9²)/0.9=0.4843、Q₁=500×0.4843=242.2kvar。追加負荷は P₂=200kW・力率0.8なので tanθ₂=0.6/0.8=0.75、Q₂=200×0.75=150kvar。合計 Q=242.2+150=392.2kvar≒392で(a)は(2)。有効電力は単純に足す(P=500+200=700kW)が、無効電力も力率が違っても遅れ同士なのでそのまま足せる。

(b)コンデンサ容量:負荷追加後の皮相電力は S=√(P²+Q²)=√(700²+392.2²)≒802kV·Aで、定格750kV·Aを超え過負荷。これを回避するにはコンデンサで無効電力を減らし、皮相を定格ちょうど(750kV·A)まで下げればよい。このとき残せる無効電力は Q′=√(750²−700²)=√72500≒269.3kvar。よって必要なコンデンサ容量は Q_C=Q−Q′=392.2−269.3≒122.9kvar≒123で(b)は(3)。有効電力Pはコンデンサで変わらない点に注意。

問題の解説

STEP1 (a)各無効電力

Q1=500×√(1−0.81)/0.9=242.2、Q2=200×0.6/0.8=150。

STEP2 (a)合計

Q=242.2+150=392.2kvar→(a)は(2)。

STEP3 (b)残せる無効電力

S=750に収める→Q′=√(750²−700²)=269.3kvar。

STEP4 (b)コンデンサ容量

Qc=Q−Q′=392.2−269.3≒123kvar→(b)は(3)。

答え:(a)は(2)、(b)は(3)

💡 覚え方
力率改善・過負荷回避の型:①各負荷の**Q=P·tanθ**(tanθ=√(1−cos²θ)/cosθ)を合計②皮相**S=√(P²+Q²)**が定格超なら過負荷③コンデンサで**無効電力だけ**減らし、定格容量S_Nに収める→残せる無効電力**Q′=√(S_N²−P²)**④必要容量**Q_C=Q−Q′**。有効電力Pはコンデンサで不変。力率0.9→tan0.4843、0.8→tan0.75は暗記推奨。

⚠️ よくある間違い
有効電力Pはコンデンサでは減らない(減るのは無効電力Q)。過負荷回避の目標は皮相を定格「以下」——最小容量なら定格ちょうどに収める。Q′=√(S_N²−P²)でPは負荷合計700kW(定格容量750を使わない)。無効電力は力率が違っても遅れ同士ならスカラーで加算できる。

まとめ

(a)Q1500×√(1−0.9²)/0.9=242.2kvar
(a)Q2200×0.6/0.8=150kvar
(a)合計Q392.2kvar→(2)
(b)残すQ′√(750²−700²)=269.3kvar
(b)コンデンサ392.2−269.3≒123kvar→(3)

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