配電計算38【電験3種 電力】単相2線式!vbc=2.25V・ib=ic=25A/リアクタンス考慮で電圧差6.1V 平成22年度 B問題17 完全解説

電験3種 電力科目 配電の計算 平成22年度 B問題17 枝分かれした単相2線式!各枝の電流は25A

今回は平成22年度 電力科目 B問題17、分岐のある単相2線式配電線路の電圧降下と負荷電流、リアクタンスを考慮した電圧差を求める計算問題です。

ポイントは単相2線式の線間電圧降下=2×(1線の電圧降下)(往復)。(a)は与えられた電圧差と各区間の抵抗から負荷電流を逆算。(b)はリアクタンスも含めた往復インピーダンスで電圧差を求めます。

目次

(a) の答えは(2):vbc=2.25 V、ib=ic=25 A

単相2線式では、線間の電圧降下が1線の2倍になります

\( r_{ab}=0.3\times 0.25=0.075\ \Omega \)
a−b間(250 m)
\( r_{bc}=0.9\times 0.1=0.09\ \Omega \)
b−c間(100 m)
\( 2(v_{ab}+v_{bc})=12.0 \)
線間の電圧差=1線降下の2倍
\( v_{ab}+v_{bc}=6.0\ \Rightarrow\ v_{bc}=6.0-3.75=2.25\ \mathrm{V} \)
解く
\( i_b+i_c=\dfrac{v_{ab}}{r_{ab}}=\dfrac{3.75}{0.075}=50\ \mathrm{A} \)
a−b間の電流
\( i_c=\dfrac{v_{bc}}{r_{bc}}=\dfrac{2.25}{0.09}=25\ \mathrm{A} \)
b−c間の電流
\( i_b=50-25=25\ \mathrm{A} \)
差を取る
★答え

与えられた電圧差12.0 V は線間の値です——1線あたりでは6.0 Vになります。

a−b間には両方の負荷が流れ、b−c間はC負荷だけです——だから差がibになります。

平成22年度 電力科目 B問題17:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 配電 平成22年度 B問題17 問題文
平成22年度 電力科目 B問題17 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成22年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 B問題17

電験3種 電力科目 【配電の計算】 平成22年度 B問題17

 図は単相2線式の配電線路の単線図である。電線1線当たりの抵抗と長さは、a-b間で0.3[Ω/km]・250[m]、b-c間で0.9[Ω/km]・100[m]とする。次の(a)及び(b)に答えよ。

(a) b-c間の1線の電圧降下vbc[V]及び負荷Bと負荷Cの負荷電流ib、ic[A]として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。ただし、給電点aの線間の電圧値と負荷点cの線間の電圧値の差を12.0[V]とし、a-b間の1線の電圧降下vab=3.75[V]とする。負荷の力率はいずれも100[%]、線路リアクタンスは無視するものとする。

vbcibic
(1)2.2510.040.0
(2)2.2525.025.0
(3)4.5010.025.0
(4)4.500.050.0
(5)8.2550.091.7

(b) 次に、図の配電線路で抵抗に加えてa-c間の往復線路のリアクタンスを考慮する。このリアクタンスを0.1[Ω]とし、b点には無負荷でib=0[A]、c点には受電電圧が100[V]、遅れ力率0.8、1.5[kW]の負荷が接続されているものとする。このとき、給電点aの線間の電圧値と負荷点cの線間の電圧値の差[V]として、最も近いのは次のうちどれか。

(1)3.0 (2)4.9 (3)5.3 (4)6.1 (5)37.1 V

平成22年度 B問題17 単相2線式配電線路(a-b-c、負荷B・C)
平成22年度 B問題17 単相2線式配電線路(a-b-c、負荷B・C)
平成22年度 B問題17 単相2線式配電線路(a-b-c、負荷B・C)
平成22年度 B問題17 単相2線式配電線路(a-b-c、負荷B・C)
答え(a) vbc=2.25 V、ib=ic=25 Aです。

(b) の答えは(4):約 6.1 V

リアクタンスを含めた往復インピーダンスで計算します

\( i_c=\dfrac{1500}{100\times 0.8}=18.75\ \mathrm{A} \)
負荷電流
\( R=2(0.075+0.09)=0.33\ \Omega \)
a−c間の往復抵抗
\( X=0.1\ \Omega \)
往復リアクタンス(問題文で指定)
\( v=18.75(0.33\times 0.8+0.1\times 0.6) \)
電圧降下の近似式
\( =18.75\times 0.324\fallingdotseq 6.1\ \mathrm{V} \)
整理して
★答え

b点が無負荷なので、全電流がa→cを流れます——区間を分ける必要がないのです。

抵抗は2倍しますが、リアクタンスは往復値が与えられています——2倍しないことに注意。

問題文が「往復線路のリアクタンス」と断っているのはそのためです。

答え(b) 電圧差は約 6.1 Vです。

1線の降下と線間の降下

1線の電圧降下線間の電圧降下
★式★★IR★★2IR
★本問(a)★★vab=3.75 V、vbc=2.25 V★★合計12.0 V
★理由★★行きの1本分★★行きと帰りの2本分

単相2線式では、電流が行って帰ってきます——だから2本で降下が生じるのです。

問題文の vab は1線の降下と書かれています——線間ではないことに注意。

与えられた12.0 V は線間なので、2で割って1線あたりにします——そこが(a)の入口です。

どちらの値かを読み分けるのが、この問題の要点です

⚠️ よくある間違い
12.0 V を1線の降下と読む——線間なので2で割ります
(a)でib を50 A とする——ic を引いて25 Aです。
(b)でリアクタンスを2倍する——往復値が与えられています
(b)でb点にも負荷があると考える——無負荷と指定されています。
こう長の単位を取り違える——250 m=0.25 kmです。

⏱️ 本番での進め方
①★単相2線式の線間降下=1線降下の2倍。
②★区間ごとに流れる電流が違う。
③★往復値が与えられていたら2倍しない。
④★力率が1でなければ Rcosθ+Xsinθ を使う。

💡 覚え方
「行って帰るから2倍」——単相2線式の基本です。ただし往復値なら2倍しない——問題文をよく読むこと。

並列2経路の単相2線式は平成28年度 A問題13配電の計算:並列2経路)にあります。

(a)で与えられた条件を整理する

与えられたもの意味
★a点とc点の電圧差★★12.0 V★★線間の値
★vab★★3.75 V★★1線の値
★力率★★100 %★★Xは効かない

2つの値の意味が違うので、そろえてから使います——12.0÷2=6.0 V

問題文が「線間の電圧値の差」「1線の電圧降下」と書き分けています——読み分けが要点です。

ここを取り違えると、答えが2倍ずれます

(a)と(b)で構成が変わる

(a)(b)
★b点の負荷★★25 A★★無負荷(0 A)
★c点の負荷★★25 A★★18.75 A・力率0.8
★リアクタンス★★無視★★0.1 Ω を考慮

(b)では設定が変わるので、(a)の答えをそのまま使えません——読み直しが必要です。

b点が無負荷になるので、区間を分けずに a→c を一気に計算できます

B問題でも、小問ごとに条件が変わることがあります

(b)で区間を分けなくてよい理由

(a)(b)
★b点の負荷★★25 A あり★★なし
★区間ごとの電流★★a−bは50 A、b−cは25 A★★どちらも18.75 A
★計算★★区間ごとに分ける★★a−cをまとめて扱える

b点が無負荷なので、全電流がa→cを素通りします——だから抵抗を足すだけです。

0.075+0.09=0.165 Ω、往復で0.33 Ω になります

負荷の有無で計算のしかたが変わる、という例です

負荷の力率が変わると何が変わるか

(a) 力率100 %(b) 力率0.8
★使う係数★★R のみ★★Rcosθ+Xsinθ
★リアクタンス★★効かない★★効く
★本問の値★★0.33★★0.324

力率が下がるとリアクタンスが効き始めます——sinθが0でなくなるから。

本問ではRが0.33、Xが0.1と小さいので、係数はほぼ変わりません

低圧線ではRの割合が大きいので、こうなるのがふつうです

抵抗が区間で違う理由

区間抵抗率長さ抵抗
★a−b★★0.3 Ω/km★★250 m★★0.075 Ω
★b−c★★0.9 Ω/km★★100 m★★0.09 Ω

b−c間のほうが電線が細いので、1 km 当たりの抵抗が3倍あります

末端に近いほど電流が小さいので、細い電線でよいのです——実際の配電線でもそうします

短いのに抵抗が大きいのは、そのためです

まとめ

r_ab・r_bc0.075Ω・0.09Ω(1線)
(a)vbc2(3.75+vbc)=12→2.25V
(a)ib・ic50−25=25A・2.25/0.09=25A
(b)ic1500/(100·0.8)=18.75A
(b)ΔV18.75(0.33·0.8+0.1·0.6)=6.1V
答え(a)-(2),(b)-(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・単相2線式の電圧降下(配電計算17):【電力】令和3年度 B問題17
・並列2経路の単相2線式(配電計算26):【電力】平成28年度 A問題13

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