変電44【電験3種 電力】%X=PX/V²で一発!三相変圧器の百分率リアクタンス8.3% 平成20年度 A問題8 完全解説

電験3種 電力科目 変電 平成20年度 A問題8 %X=PX/V²に代入するだけ!答えは8.3%

今回は平成20年度 電力科目 A問題8、三相変圧器の百分率リアクタンス(%X)を求める計算問題です。同じ型は令和4年度下期A問題6(変電11)でも出題されている、%Z計算の入口となる定番問題です。

公式は%X=(P·X/V²)×100(P=基準容量〔V・A〕、X=リアクタンス〔Ω〕、V=線間電圧〔V〕)。三相でも√3は不要——定格電流I=P/(√3V)と相電圧V/√3の√3が約分されて消えるため、「容量×Ω÷線間電圧の2乗」だけで計算できます。

目次

百分率リアクタンスとは

定格電流を流したときの電圧降下が、定格電圧の何 % か——それが百分率リアクタンスです。

百分率リアクタンスの定義
\( \%X=\dfrac{X I_n}{E_n}\times 100 \)

En:定格相電圧 In:定格電流

まず定格電流を求めます

\( I_n=\dfrac{P}{\sqrt{3}\,V}=\dfrac{80\times 10^6}{\sqrt{3}\times 66\times 10^3} \)
三相の定格電流
\( =700\ [\mathrm{A}] \)
計算する
★一次側の電流

相電圧は線間電圧の1/√3——そこに注意して代入します

\( E_n=\dfrac{66\times 10^3}{\sqrt{3}}=38.1\times 10^3\ [\mathrm{V}] \)
定格相電圧
\( \%X=\dfrac{4.5\times 700}{38.1\times 10^3}\times 100=8.3\ [\%] \)
定義式に入れる
★答え

平成20年度 電力科目 A問題8:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 変電 平成20年度 A問題8 問題文
平成20年度 電力科目 A問題8 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成20年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題8

電験3種 電力科目 【変電】 平成20年度 A問題8

 一次電圧66〔kV〕、二次電圧6.6〔kV〕、容量80〔MV・A〕の三相変圧器がある。一次側に換算した誘導性リアクタンスの値が4.5〔Ω〕のとき、百分率リアクタンスの値〔%〕として、最も近いのは次のうちどれか。

(1)2.8 (2)4.8 (3)8.3 (4)14.3 (5)24.8

答え正解は (3)——約8.3 % です。

公式を1つ覚えれば速い

√3 が2回出てきて打ち消し合います——整理すると簡単な形になります

三相の百分率リアクタンス
\( \%X=\dfrac{P\,[\mathrm{kV\cdot A}]\times X\,[\Omega]}{10\,V^2\,[\mathrm{kV}]} \)

容量は kV·A、電圧は kV で入れる

\( \%X=\dfrac{80\,000\times 4.5}{10\times 66^2} \)
数値を入れる
★80 MV·A=80,000 kV·A
\( =\dfrac{360\,000}{43\,560}=8.26\ \fallingdotseq\ 8.3\ [\%] \)
計算する
★同じ答え

定格電流を求める手間が省けます——1行で答えが出るのです。

単位に注意——容量は kV·A、電圧は kVで入れます。

なぜこの形になるのか

\( \%X=\dfrac{X\cdot\dfrac{P}{\sqrt{3}V}}{\dfrac{V}{\sqrt{3}}}\times 100 \)
定義式に代入
\( =\dfrac{XP}{V^2}\times 100 \)
√3 が約分される
★V·A と V の場合

kV·A と kV に直すと、10で割る形になります——10³ と 10⁶ の差から出てくる係数です。

√3 が消えるのは、電流に1/√3、電圧にも1/√3 が付くから——三相の計算でよく起きる約分になります。

百分率で表す利点

オーム値★百分率
★電圧が変わると★換算が必要(巻数比の2乗)★そのまま使える
★機器の比較★容量が違うと比べられない★同じ基準なら直接比べられる
★短絡電流の計算★煩雑★Is=In×100/%X で一発

一次側でも二次側でも同じ値になります——だから換算が不要なのです。

\( I_s=I_n\times\dfrac{100}{\%X}=700\times\dfrac{100}{8.3}=8\,430\ [\mathrm{A}] \)
三相短絡電流
★定格の約12倍

%X が小さいほど短絡電流が大きくなります——遮断器の容量を決める根拠です。

⚠️ よくある間違い
相電圧ではなく線間電圧で割ってしまう——4.5×700/66,000×100=4.8 % となり、選択肢(2)に落ちます。これが最も多い誤りです。
√3 を掛け忘れる——定格電流が404 A となり、%X=4.8 %やはり選択肢(2)へ。
二次電圧6.6 kV で計算してしまう——リアクタンスは「一次側に換算した値」です。一次電圧66 kV を使います
公式で電圧を V のまま入れる——kV に直さないと桁が合いません
選択肢(2)4.8 は√3 がらみの誤り——相電圧を使うことを忘れないことです。

⏱️ 本番での進め方
①★%X=P[kV·A]×X[Ω]/(10V²[kV]) が最速。
②★定義式なら相電圧E=V/√3 で割る。
③★線間電圧で割ると4.8 %=選択肢(2)に落ちる。
④「一次側に換算した」とあるので一次電圧を使う。

💡 覚え方
「容量×リアクタンス÷(10×電圧の2乗)」——kV·A と kV で入れれば1行です。定義式で解くなら相電圧で割る——そこだけ間違えなければ確実に取れます

同じ形式の計算が令和4年度下期 A問題6変電:百分率リアクタンス)にあります。数値が違うだけで解き方は同じです。

基準容量をそろえる

百分率法の要点は、すべてを同じ基準容量で表すことです

基準容量の換算
\( \%X_{new}=\%X_{old}\times\dfrac{P_{new}}{P_{old}} \)

容量に比例して換算する

本問の変圧器を10 MV·A 基準に直してみましょう

\( \%X=8.3\times\dfrac{10}{80}=1.04\ [\%] \)
10 MV·A 基準へ
★容量が小さいほど %X も小さくなる

系統に複数の機器があるとき、基準をそろえないと足せません——だから換算が必要になります。

機器自己容量基準の %X10 MV·A 基準に換算
★80 MV·A の変圧器★8.3 %★1.04 %
★20 MV·A の変圧器★8.3 %★4.15 %

同じ8.3 % でも、容量が違えば換算値が変わります——大きい機器ほど基準換算では小さくなるのです。

それは大容量機ほどインピーダンスが小さいという意味——短絡電流を多く流せることになります。

要点をもう一度

公式を使えば1行、定義から解いても3行です。

解き方注意
★公式★P[kV·A]×X÷(10V²[kV])★単位を kV·A と kV に
★定義★X·In÷En×100★En は相電圧(V/√3)

どちらでも8.3 % になります——公式は定義を整理しただけだからです。

最も多い誤りは、相電圧ではなく線間電圧で割ること——4.8 %=選択肢(2)に落ちます。

なぜ「一次側に換算した」と書いてあるのか

変圧器のリアクタンスは、一次側でも二次側でも表せます

\( X_2=X_1\times\left(\dfrac{V_2}{V_1}\right)^2 \)
二次側へ換算
★巻数比の2乗
\( X_2=4.5\times\left(\dfrac{6.6}{66}\right)^2=0.045\ [\Omega] \)
本問なら
★100分の1

二次側で計算しても %X は同じ8.3 % になります——それが百分率表示の利点です。

だから「どちらに換算した値か」を明示する必要がある——オーム値は側によって変わるからです。

まとめ

公式%X=PX/V²×100(Vは線間電圧)
使う電圧一次側66kV(Xが一次側換算だから)
計算80×10⁶×4.5/(66×10³)²×100
結果8.26≒8.3%
ダミー二次電圧6.6kVは使わない
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・%X計算の同型問題(変電11):【電力】令和4年度下期 A問題6
・%Zで遮断電流と負荷分担(変電41):【電力】平成22年度 B問題16
・並行運転と過負荷判定(変電9):【電力】令和5年度上期 A問題13

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