配電44【電験3種 電力】スポットネットワーク受電設備の配置!断路器・ネットワークプロテクタ・幹線保護装置 平成18年度 A問題10 完全解説

電験3種 電力科目 配電 平成18年度 A問題10 スポットNWの機器配置!プロテクタはどこ?

今回は平成18年度 電力科目 A問題10スポットネットワーク受電設備の機器配置を問う空欄補充問題です。特別高圧配電線から負荷までの機器の並びで、(ア)(イ)(ウ)に入る設備を選びます。

配置は電源側からネットワーク変圧器一次側=断路器(ア)、二次側=ネットワークプロテクタ(イ)、ネットワーク母線二次側=幹線保護装置(ウ)。断路器→ネットワーク変圧器→ネットワークプロテクタ→ネットワーク母線→幹線保護装置という流れです。
※本問は単線図を用いた問題ですが、公式PDFが非公開のため、図は掲載せず機器の配置を文章で解説します。

目次

平成18年度 電力科目 A問題10:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 配電 平成18年度 A問題10 問題文
平成18年度 電力科目 A問題10 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題10

電験3種 電力科目 【配電】 平成18年度 A問題10

 次の文章は、スポットネットワーク受電設備に関する記述である。

 スポットネットワーク受電設備において、ネットワーク変圧器の一次側(特別高圧配電線側)に設ける設備が(ア)、ネットワーク変圧器の二次側に設ける保護設備が(イ)、ネットワーク母線の二次側(負荷側)に設ける設備が(ウ)である。

 (本問は単線図を用いて(ア)(イ)(ウ)の設備を問う形式であるが、公式問題PDFが非公開のため、各設備の配置位置を文章で示している。)

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして、最も適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)
(1)ネットワークプロテクタ断路器幹線保護装置
(2)ネットワークプロテクタ断路器プロテクタヒューズ
(3)断路器ネットワークプロテクタプロテクタ遮断器
(4)断路器幹線保護装置プロテクタヒューズ
(5)断路器ネットワークプロテクタ幹線保護装置
答え答えは(5)です。

答えは(5):断路器・ネットワークプロテクタ・幹線保護装置

電源側から負荷側へ、順に並んでいます

位置設備役目
★(ア) 変圧器の一次側★★断路器★★保守時に回線を切り離す
★(イ) 変圧器の二次側★★ネットワークプロテクタ★★故障回線を自動で切り離す
★(ウ) 母線の二次側★★幹線保護装置★★需要家の幹線を守る

ネットワークプロテクタの3つの部品

部品役目
★★プロテクタヒューズ★★プロテクタ遮断器が切れないときの後備保護
★★プロテクタ遮断器★★指令を受けて回線を開閉する
★★電力方向継電器★★逆電力を検出して遮断器に指令を出す

プロテクタヒューズや遮断器は、ネットワークプロテクタの一部です——単独では(ウ)に入りません

ふだんは3回線から同時に受電しています——1回線が故障しても止まらないのです。

故障した回線には、逆向きに電力が流れ込みます——ほかの2回線から回り込むのです。

それを電力方向継電器が捉えて切り離します——だから逆電力を見るのです。

スポットネットワーク方式の特徴

項目内容
★受電回線★★3回線が一般的(同時に受電)
★★信頼度★★1回線が停止しても無停電で供給を続けられる
★★切替の操作★★自動(無電圧の瞬間もない)
★用途★★都心の高層ビル・大規模需要家
★短所★★設備が高価

3回線から同時に受電するのが最大の特徴です——予備ではなく常時並行なのです。

だから1回線が故障しても、瞬時も停電しません——切り替える必要すらないのです。

ビルのエレベータやサーバは停電に弱い——だからこの方式を選ぶのです。

そのかわり設備が高価になります——大規模需要家だから成り立つのです。

⚠️ よくある間違い
(ア)と(イ)を入れ替える——一次側が断路器です。
(ウ)にプロテクタヒューズを当てる——それはプロテクタの構成部品です。
(ウ)にプロテクタ遮断器を当てる——同じく構成部品です。
(イ)に幹線保護装置を当てる——それは母線の二次側です。
予備回線方式と混同する——スポットネットワークは常時並行受電

⏱️ 本番での進め方
①★配置は断路器→変圧器→プロテクタ→母線→幹線保護装置。
②★ネットワークプロテクタ=ヒューズ+遮断器+電力方向継電器。
③★逆電力を検出して故障回線を切り離す。
④★3回線から常時同時に受電する。

💡 覚え方
「断路器・プロテクタ・幹線保護装置」——上流から3つ並べますプロテクタの中身はヒューズ・遮断器・方向継電器——部品を単独で答えないこと。

配電系統の保護装置は令和3年度 A問題13配電:高低圧配電系統の保護)にあります。

ネットワークプロテクタの3つの動作特性

特性内容
★★逆電力遮断特性★★ネットワーク母線から変圧器へ電力が逆流したら開く
★★差電圧投入特性★★変圧器側の電圧が母線より高いとき閉じる
★★無電圧投入特性★★母線が停電しているとき、電圧が来たら閉じる

1回線が故障すると、その回線へ電力が逆流します——ほかの2回線から回り込むのです。

それを検出して開くのが逆電力遮断特性——いちばん大事な動作です。

復旧したら自動で閉じます——そのための投入特性です。

レギュラーネットワークとの違い

スポットネットワークレギュラーネットワーク
★供給先★★1つの大口需要家★★低圧の面的な区域
★母線★★その需要家の構内★★街路の低圧配電網
★使われる場所★★高層ビルなど★★大都市の繁華街

スポットとは「一点」という意味です——1つの需要家に集中して供給するのです。

レギュラーは低圧の網目状で、面的に供給します——名前で区別できるのです。

受電方式を信頼度の順に並べる

方式回線停電の有無費用
★1回線受電★★1回線★★事故で停電する★★安い
★本線・予備線★★2回線(片方は待機)★★切替の間だけ停電★中くらい
★ループ受電★★2回線(両方から)★★短時間または無停電★やや高い
★★スポットネットワーク★★3回線(常時同時)★★無停電★★最も高い

信頼度が上がるほど、費用も上がります——需要家が選ぶのです。

スポットネットワークは最上位の方式です——切替そのものが要らないから。

だから都心の高層ビルで採用されます

ネットワーク変圧器の役目

項目内容
★何をするか★★特別高圧を420 V 前後に落とす
★台数★★受電回線と同じ数(一般に3台)
★特徴★★1台停止しても残りで全負荷をまかなえる容量にする

3台のうち1台が止まっても、残る2台で足ります——だから無停電で続けられるのです。

そのぶん容量に余裕をもたせています——費用が高くなる理由でもあります。

ネットワーク母線という考え方

ふつうの受電スポットネットワーク
★変圧器の二次側★★それぞれ別の母線★★1本の母線に並列につなぐ
★負荷の見え方★★系統ごとに分かれる★★すべての負荷が1つの母線から
★1回線停止時★★その系統が停電★★母線の電圧は保たれる

3台の変圧器の二次側を1本の母線につなぎます——だからネットワーク母線です。

1台が切り離されても、残り2台が母線を支えます——電圧が途切れないのです。

この構成があるから、無停電が実現できます——プロテクタと組み合わせて働くのです。

断路器を一次側に置く理由

場面断路器の役目
★変圧器の点検★★その回線を特別高圧配電線から切り離す
★安全の確認★★目に見える形で開放されていることを示す
★注意点★★電流が流れていない状態で操作する

点検のときは、確実に切り離す必要があります——作業者の安全のためです。

だから一次側の先頭に断路器を置きます——(ア)が断路器である理由です。

プロテクタヒューズが後備である意味

プロテクタ遮断器プロテクタヒューズ
★動作の順★★先に動く★★動かないときに溶ける
★復旧★★自動で再投入できる★★交換が必要
★位置づけ★★主保護★★後備保護

遮断器が働けば、ヒューズは溶けません——だから交換の手間がないのです。

遮断器が故障したときだけ、ヒューズが最後の砦になります——二重の備えです。

だから(ウ)には単独では入りません——プロテクタの一部だからです。

無停電が求められる需要家

需要家止まると困ること
★高層ビル★★エレベータに人が閉じ込められる
★データセンター★★機器が停止しデータが失われる
★病院★★生命維持装置が止まる
★工場★★製造中の仕掛品が無駄になる

瞬時の停電でも大きな損害になる需要家があります——だから費用をかけるのです。

スポットネットワークは、その要求に応える方式です——3回線から常時受電するから。

それでも構内の事故には別の備えが要ります——幹線保護装置がその一つです。

まとめ

(ア)断路器(ネットワーク変圧器一次側)
(イ)ネットワークプロテクタ(二次側)
(ウ)幹線保護装置(母線二次側)
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・スポットネットワークの順序(配電18):【電力】令和2年度 A問題13
・スポットネットワーク方式(配電33):【電力】平成23年度 A問題12

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次