今回は平成23年度 機械科目 A問題13を解説します。自動制御21(令和6年度上期A問題13)と設問文が一言一句同一の問題で、自動制御の分類、リレーシーケンス、インタロック、タイムチャートという基礎用語を問う空所補充問題です。選択肢の並び順が自動制御21とは異なるため、正解の番号も異なります(本問は(1)、自動制御21は(2))。
解き方は自動制御21と全く同じです。(ア)フィードバック(イ)有接点(ウ)インタロック(エ)タイムチャートという組合せを、本問の選択肢の並び順の中から選び出します。
ほぼ同じ問題が 【機械】令和6年度上期A問題13 でも出題されています。出題パターンが固定なので、セットで解けば確実な得点源になります。
平成23年度 機械科目 A問題13:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成23年度 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題13
電験3種 機械科目 【自動制御】 平成23年度 A問題13
次の文章は,自動制御に関する記述である。
機械,装置及び製造ラインの運転や調整などを制御装置によって行うことを自動制御という。自動制御は,シーケンス制御と(ア)制御とに大別される。
シーケンス制御は,あらかじめ定められた手順や判断によって制御の各段階を順に進めていく制御である。この制御を行うための機器として電磁リレーがある。電磁リレーを用いた(イ)シーケンス制御をリレーシーケンスという。
リレーシーケンスにおいて,2個の電磁リレーのそれぞれのコイルに,相手のb接点を直列に接続して,両者が決して同時に働かないようにすることを(ウ)という。
シーケンス制御の動作内容の確認や,制御回路設計の手助けのために,横軸に時間を表し,縦軸にコイルや接点の動作状態を表したものを(エ)という。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (1) フィードバック 有接点 インタロック タイムチャート (2) フィードフォワード 無接点 ブロック フローチャート (3) フィードバック 有接点 ブロック フローチャート (4) フィードフォワード 有接点 インタロック タイムチャート (5) フィードバック 無接点 ブロック タイムチャート
出題のポイント:4つの用語で決まる
入る語は「フィードバック・有接点・インタロック・タイムチャート」——4つとも基本用語です。意味を知っていれば迷うところはありません。
| 空欄 | 答え | 紛らわしい選択肢 | 違い |
| (ア) | フィードバック | フィードフォワード | 自動制御はシーケンスとFB に大別 |
| (イ) | 有接点 | 無接点 | ★電磁リレーは機械的な接点をもつ |
| (ウ) | インタロック | ブロック | 相手のb接点で同時動作を防ぐ |
| (エ) | タイムチャート | フローチャート | ★横軸が時間か、処理の流れか |
「シーケンス制御と○○制御に大別」——この対比で(ア)はフィードバックに決まります。フィードフォワードはフィードバックの対概念であって、シーケンス制御の対概念ではありません。

(エ)タイムチャートとフローチャート
この2つは名前が似ていますが、まったく別の図です。問題文の「横軸に時間を表し」が決め手になります。
| タイムチャート | フローチャート | |
| 横軸 | ★時間 | なし(上から下へ流れる) |
| 表すもの | 各接点・コイルのオン/オフの時間変化 | 処理や判断の順序 |
| 読み取れること | ★どの瞬間に何が動いているか | どんな条件でどこへ進むか |
| 使う場面 | リレー回路の動作確認・設計 | プログラムの設計 |
タイムチャートは複数の信号を縦に並べて描きます——同じ時刻の縦の断面を見れば、その瞬間の全体の状態が分かるのです。
「タイマが動作してから3秒後にどの接点が閉じるか」——こうした時間的な関係は、タイムチャートでないと表せません。シーケンス制御は時間が本質——だからタイムチャートが使われるのです。
フローチャートは分岐と繰り返しを表すのが得意ですが、「同時に複数のものが動いている」状態は表せません——それがリレー回路には向かない理由です。

★令和6年度上期と設問文が同一だが答えの番号が違う
本問は令和6年度上期 A問題13と、設問文が一言一句同一です(自動制御:シーケンス制御の基本用語)。ところが選択肢の並び順が違う——本問の正解は (1)、令和6年度上期は (2)です。
| 平成23年度(本問) | 令和6年度上期 | |
| 設問文 | 同一 | 同一 |
| 入る語 | 同一 | 同一 |
| 選択肢の並び | 正解が(1)の位置 | 正解が(2)の位置 |
| 正解の番号 | ★(1) | ★(2) |
13年ぶりの再出題で、選択肢を並べ替えただけ——「この問題は(1)だ」と暗記していたら失点します。覚えるべきは4つの語そのものです。
過去問を解くときは、番号ではなく中身を確認する習慣をつけてください。「正解は(1)」ではなく「フィードバック・有接点・インタロック・タイムチャート」——そう覚えていれば、どちらの年度でも確実に得点できます。
⏱️ 本番での進め方
①(ア)シーケンスの対はフィードバック。FFではない。
②(イ)電磁リレー=機械的な接点=有接点。
③(ウ)相手のb接点を直列=インタロック。
④(エ)横軸が時間=タイムチャート。フローチャートは処理の流れ。
💡 覚え方
「タイムチャートは横軸が時間、フローチャートは処理の流れ」——問題文の「横軸に時間を表し」が指定している。そして答えは番号ではなく語で覚える——同じ問題でも番号が変わるからです。

接点の種類を整理する
(ウ)のインタロックで出てきた「b接点」——シーケンス制御では接点の種類を正確に区別する必要があります。
| 接点 | 平常時 | 動作時 | 別名 |
| a接点 | 開 | 閉 | メーク接点、常開(NO) |
| b接点 | ★閉 | ★開 | ブレーク接点、常閉(NC) |
| c接点 | 切換 | 切換 | トランスファ接点 |
「平常時」とはコイルに電流が流れていない状態です。a接点は動作すると閉じ、b接点は動作すると開く——ちょうど逆になります。
インタロックにb接点を使う理由は明快です。相手が動いていないときだけ自分が動ける——b接点の「動作すると開く」性質がそのまま条件になるのです。
自己保持にはa接点、停止にはb接点
回路の基本形では、a接点とb接点を使い分けます——それぞれに理由があります。
| 用途 | 使う接点 | 理由 |
| 起動ボタン | a接点 | 押したときだけ閉じる |
| 自己保持 | a接点 | 自分が動いている間だけ閉じる |
| 停止ボタン | ★b接点 | 断線しても停止側=フェイルセーフ |
| インタロック | ★b接点 | 相手が動いたら開く |
停止側にb接点を使うのは安全のため——配線が切れたら自動的に止まるからです。非常停止ボタンは必ずb接点——法規や安全規格でも定められた原則になっています。
シーケンス図の描き方
リレー回路の図面には、大きく2つの描き方があります。実際の配線を表すか、動作の論理を表すかの違いです。
| 方式 | 特徴 | 用途 |
| 実体配線図 | 機器の実際の位置と配線を描く | 配線作業・現場確認 |
| 展開接続図(ラダー図) | ★動作の順序に沿って縦に展開 | 動作の理解・設計 |
展開接続図では、同じリレーの接点が図のあちこちに分かれて描かれます——実物は1個でも、機能ごとに別の場所に現れるのです。
だから記号に番号を振って対応づけます。「R のコイル」と「R のa接点」が離れた場所にあっても、同じリレーだと分かる——これが展開接続図の読み方の第一歩になります。
タイムチャートは、この展開接続図を時間軸で追った結果です。図面だけでは分かりにくい「いつ何が動くか」を可視化する——2つの図はセットで使われます。
まとめ
| (ア) | フィードバック |
| (イ) | 有接点 |
| (ウ) | インタロック |
| (エ) | タイムチャート |
| 答え | (1)(自動制御21の答えは(2)で番号が異なる) |
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