直流機48【電験3種 機械】直巻電動機はなぜ無負荷で使えない?平成19年 A問題1 完全解説

平成19年度 機械 A問題1(直流機)アイキャッチ

今回は平成19年度 機械科目 A問題1を解説します。テーマは「直巻電動機はなぜ無負荷で使ってはいけないのか」という、直巻の最重要知識を問う論説問題です。

結論は「無負荷では磁束が消えて回転速度が暴走するから」。回転数の式に直巻の磁束 \(\phi\propto I\) を代入すると一発で見えてきます。

目次

問題文と選択肢

 直流直巻電動機は,供給電圧が一定の場合,無負荷や非常に小さい負荷では使用することができない。この理由として,正しいのは次のうちどれか。

(1) 界磁電流と電機子電流がともに大きくなるので,界磁巻線や電機子巻線を焼損する危険性がある。

(2) 界磁電流が大きくなりトルクが非常に増大するので,駆動軸や電機子巻線を破損する危険性がある。

(3) 電機子電流が小さくなるので回転速度が減少し,回転が停止する。

(4) 界磁磁束が増大して回転速度が減少し,回転が停止する。

(5) 界磁磁束が小さくなって回転速度が非常に上昇するので,電機子巻線を破損する危険性がある。

出題のポイント:直巻電動機は無負荷で過速度になる

直巻直流電動機で負荷低下から電流と磁束が低下し回転速度が急上昇する因果関係
直巻は負荷電流が磁束を作るため、無負荷に近づくと危険な過速度になります。

直巻電動機では界磁巻線と電機子が直列で、同じ負荷電流Iが流れます。負荷が軽くなるとIが減少し、未飽和領域では磁束φ=k_fIも弱くなります。逆起電力E=kφnを保つため回転速度nが急上昇し、遠心力によって電機子巻線を破損する危険があります。このため無負荷運転や、ベルト外れで無負荷になり得る駆動は避けます。

ポイント解説:Iが0へ近づくとnが急上昇する

直巻電動機の回転速度式で電流が0へ近づくと速度が非常に大きくなることを示すグラフ
未飽和ではnに1/Iの項があるため、I低下で速度が急上昇します。

直巻電動機は界磁巻線が電機子と直列なので、負荷電流 \(I\) がそのまま界磁電流になります。負荷が軽くなる → 電流が減る → 磁束も減る。ここが分巻・他励との決定的な違いです。

問題の解説:正しい選択肢は(5)

直巻電動機の無負荷運転に関する5選択肢を判定し選択肢5を正解とする問題解説
磁束低下で回転速度が非常に上昇するため、正解は(5)です。

まとめ

直巻の磁束\(\phi=k_fI\):負荷電流がつくる
回転数\(n=\dfrac{V-(r_a+r_f)I}{k_nk_fI}\):Iが小さいほど高速
無負荷\(I\to0\) で \(n\to\infty\)(暴走・危険)
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・直巻のトルク特性(2乗比例):【機械】令和3年度A問題1
・直巻発電機の飽和と安定:【機械】平成30年度A問題2

📚 次に解くべき関連問題
【機械】令和2年度A問題6(直流機49)
【機械】令和2年度A問題7(直流機47)
【機械】令和5年度上期A問題7(直流機46)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次