電気施設管理-計算47【電験3種 法規】第5調波はL系5倍・C系1/5!発生6.6A・流出6.2A=(a)(2)(b)(2) 平成18年度 B問題13 完全解説

電験3種 法規科目 電気施設管理 平成18年度 B問題13 第5調波の流出6.2Aが再出題!分流で解く

今回は平成18年度 法規科目 B問題13第5調波電流の発生量と配電系統への流出量を求める問題です。実はこの問題、令和7年度上期 B問題12とまったく同一——約20年の時を経て再出題された定番中の定番です。

要点は「次数nでインピーダンスが変わる」こと。リアクトル・線路はn倍、コンデンサは1/n倍。第5次なら誘導性は5倍、容量性は1/5。発生電流を定電流源として%インピーダンスで分流します。

目次

平成18年度 法規科目 B問題13:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成18年度 B問題13 問題文
平成18年度 法規科目 B問題13 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題13

電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成18年度 B問題13

 三相3線式配電線路から6600Vで受電している三相負荷設備(定格容量500kV·A、6%直列リアクトル付コンデンサ、第5調波は定格電流の15%)がある。配電線路側j6n[%]、コンデンサ設備j50(6n−100/n)[%](10MV·A基準)。次の(a)及び(b)に答えよ。

(注)平成18年度は公式問題PDFが公表されていないため、電験王等の過去問データに基づいて問題文を再構成しています。本問は令和7年度上期 B問題12と同一問題です。)

三相3線式配電線路から6600Vで受電している三相負荷設備がある。負荷設備は定格容量500kV·A、力率改善用として6%直列リアクトル付コンデンサ設備が設置されており、この負荷設備から発生する第5調波電流は負荷設備の定格電流に対し15%とする。受電点よりみた配電線路側の第n調波に対するインピーダンスは10MV·A基準でj6×n[%]、コンデンサ設備のインピーダンスは10MV·A基準でj50×(6×n−100/n)[%]で表される。発生高調波は定電流源とみなす。次の(a)及び(b)に答えよ。

(a) 高調波発生機器から発生する第5調波電流の受電点電圧に換算した電流[A]の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。

(1)1.3 (2)6.6 (3)11.4 (4)32.8 (5)43.7 A

(b) 受電点から配電系統に流出する第5調波電流[A]の値として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。

(1)1.2 (2)6.2 (3)10.8 (4)30.9 (5)41.2 A

答え(a)43.7×0.15≒6.6A = (2)/(b)流出≒6.2A = (2)

答えは(a)6.6A・(b)6.2A

第n調波に対するインピーダンスと高調波電流の分流

★第n調波に対して、誘導性リアクタンスはn倍(X_L = nωL)、容量性リアクタンスは1/n倍(X_C = 1/(nωC))。/★第5調波なら誘導性は5倍、容量性は1/5。/★発生した高調波電流は定電流源とみなし、配電線路側とコンデンサ設備側に%インピーダンスの逆比で分流する。

★次数によってインピーダンスが変わる——これが高調波計算の要です。

この問題は令和7年度上期B問題12に、約20年を経てそのまま再出題されました。

★★(a)定格電流の15%

$$I_{\text{定格}} = \dfrac{S}{\sqrt{3}V} = \dfrac{500\times 10^3}{\sqrt{3}\times 6600}$$
負荷設備の定格電流
三相なので√3で割る
$$I_{\text{定格}} \approx 43.7\,\mathrm{[A]}$$
計算結果
$$I_5 = 0.15 \times 43.7 \approx 6.6\,\mathrm{[A]}$$
第5調波電流(定格電流の15%)
(a)の答え

まず定格電流を求めます——S=√3VIの関係

43.7Aは選択肢(5)に用意されています——15%を掛け忘れた場合の誤答

「受電点電圧に換算した電流」なので、6 600V基準です。

★★次数でインピーダンスが変わる

素子基本波第n調波第5調波
★リアクトル・線路(L)★★ωL★★nωL★★5倍
★コンデンサ(C)★★1/(ωC)★★1/(nωC)★★1/5

誘導性は次数に比例、容量性は反比例します——向きが逆

だから高次になるほど、コンデンサは電流を通しやすくなる——高調波が流れ込むのです。

コンデンサが高調波で過熱する理由がここにあります

★問題文の式を読む

$$Z_{\text{線路}} = j6n\,[\%]$$
配電線路側のインピーダンス(10MV·A基準)
★誘導性なのでnに比例
$$Z_{\text{コンデンサ設備}} = j50\left(6n – \dfrac{100}{n}\right)\,[\%]$$
6%直列リアクトル付コンデンサ
★6nがリアクトル、100/nがコンデンサ

コンデンサ設備の式は、リアクトルとコンデンサの直列です——6nと−100/n

6%リアクトルなので、基本波(n=1)では6−100=−94——容量性が優勢です。

第5調波では6×5−100/5=30−20=10——誘導性に転じます

★★6%リアクトルが共振を防ぐ仕組み

$$n = 5: \quad 6 \times 5 – \dfrac{100}{5} = 30 – 20 = 10 > 0$$
★第5調波で誘導性(正)になる
共振しない
$$6n = \dfrac{100}{n} \Rightarrow n^2 = \dfrac{100}{6} \Rightarrow n \approx 4.08$$
共振する次数
第5調波より低い

共振点は約4.08次——第5調波より低いのです。

だから第5調波では誘導性になり、共振を避けられます——これが6%の根拠

リアクトルがなければ共振点が5次付近に来て、高調波を拡大してしまいます

★(b)%インピーダンスで分流する

$$Z_{\text{線路}}(n=5) = j6 \times 5 = j30\,[\%]$$
配電線路側
$$Z_{SC}(n=5) = j50(30 – 20) = j500\,[\%]$$
コンデンサ設備側
$$I_{\text{流出}} = I_5 \times \dfrac{Z_{SC}}{Z_{\text{線路}} + Z_{SC}} = 6.6 \times \dfrac{500}{530}$$
★インピーダンスの逆比で分流
大きいほうの側に少なく流れる
$$I_{\text{流出}} \approx 6.2\,\mathrm{[A]}$$
配電系統に流出する電流
(b)の答え

並列回路の電流分配は、インピーダンスの逆比です——小さいほうに多く流れる

線路側30%、コンデンサ側500%——線路側のほうが小さいので大半が流出します。

6.6Aのうち6.2Aが系統へ——抑制効果は限定的なのです。

★なぜ大半が流出してしまうのか

コンデンサ設備は6%リアクトルで誘導性になっています——高調波を吸わない

リアクトルの目的は共振防止であって、高調波の吸収ではありません——役割が違うのです。

吸収したいなら専用のフィルタが要る——受動フィルタ・能動フィルタ

%インピーダンスという表し方

$$\%Z = \dfrac{Z I_n}{V_n} \times 100$$
定格電流を流したときの電圧降下の割合
基準容量を決めて表す

10MV·A基準というのは、その容量で正規化した値という意味です。

基準がそろっていれば、そのまま足したり比べたりできる——これが%表示の利点

本問では分流比を求めるだけなので、基準は消えます

高調波抑制対策ガイドライン

項目内容
★対象★★等価容量50kV·A超の高圧・特別高圧需要家
★上限★★契約電力1kWあたりの流出電流の限度を規定
★対策★★超えるならフィルタ等を設置する

需要家が系統に流出させる高調波電流には上限があります——本問の6.2Aがその流出量です。

インバータ機器を増設するときは、この計算が必要——電気主任技術者の業務です。

計算の手順をまとめる

手順やること落とし穴
★①★★定格電流=S/(√3V)★★√3を忘れない
★②★★×15%=発生する第5調波電流★★掛け忘れない
★③★★n=5を代入して両側の%Zを求める★★Lはn倍、Cは1/n倍
★④★★インピーダンスの逆比で分流させる★★★大きいほうを分子に

④の分流の式で、どちらを分子にするか迷いやすい——「小さいほうに多く流れる」で確かめます

本問は線路側30%<コンデンサ側500%なので、線路側に多く流れる——6.2Aです。

⏱️ 本番での進め方
① 第n調波では誘導性はn倍、容量性は1/n倍
② 6%リアクトルは第5調波で誘導性にして共振を防ぐ。
③ 高調波電流は定電流源とみなす。
④ 分流はインピーダンスの逆比——小さいほうに多く流れる。

💡 覚え方
高調波電流の分流計算=①負荷の定格電流I=S/(√3V) ②×発生率=第n調波電流 ③第n調波に対して誘導性リアクタンスはn倍、容量性リアクタンスは1/n倍として両側の%Zを求める ④インピーダンスの逆比で分流させる。6%直列リアクトルは第5調波で誘導性となり共振を防ぐ(共振点は約4.08次)。

⚠️ よくある間違い
誘導性と容量性で次数の効き方が逆——Lはn倍、Cは1/n倍。分流はインピーダンスの逆比——小さいほうに多く流れる。

まとめ

定格電流500e3/(√3×6600)≒43.7 A
(a)第5調波発生0.15×43.7≒6.6 A →(2)
Z_S5(n=5)j6×5=j30%
Z_C5(n=5)j50(30−20)=j500%
(b)流出6.6×500/530≒6.2 A →(2)
同一問題R07上問12

▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(電気施設管理-計算4):【法規】令和7年度上期 B問題12
・第5次高調波の流出(電気施設管理-計算20):【法規】令和2年度 B問題13

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