今回は令和7年度下期 法規科目 A問題2、事故報告の方法を問う空欄補充問題です。数字を2つ覚えるだけで確実に得点できる、コスパの高い論点です。
流れは速報→詳報の二段構え。事故の発生を知った時から24時間以内に電話等で速報(日時・場所・電気工作物・事故の概要)、知った日から起算して30日以内に様式第13の報告書で詳報。提出先は所轄産業保安監督部長です。
令和7年度下期 法規科目 A問題2:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題2
電験3種 法規科目 【電気関係報告規則】 令和7年度下期 A問題2
自家用電気工作物を(ア)する者は、自家用電気工作物において感電死傷事故が発生したときは、「電気関係報告規則」に基づき、事故の発生を知った時から(イ)時間以内可能な限り速やかに事故の発生の日時及び場所、事故が発生した電気工作物並びに事故の(ウ)について(速報)、電話等の方法により行うとともに、事故の発生を知った日から起算して(エ)日以内に様式第13の報告書(詳報)を所轄産業保安監督部長へ提出して行わなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (1) 管理 12 概要 7 (2) 設置 24 原因 7 (3) 設置 24 概要 30 (4) 設置 48 概要 30 (5) 管理 48 原因 60

答えは(3):設置・24時間・概要・30日
(ア)は「設置」——電気事業法の他の条文もすべて「設置する者」で統一されています。
(イ)(ウ)は「24」時間・「概要」——この段階では原因まで分かっていないのが普通です。
(エ)は「30」日——原因や再発防止策を調べる時間です。
★速報で伝える4つのこと
| 項目 | 内容 |
| ★① | ★★事故の発生の日時 |
| ★② | ★★事故の発生の場所 |
| ★③ | ★★事故が発生した電気工作物 |
| ★④ | ★★事故の概要 |
いつ・どこで・何が・どうなったか——それだけです。
「なぜ起きたか」は含まれていません——24時間で原因を突き止めるのは不可能だからです。
ここが選択肢(2)(5)の「原因」との分かれ目になります。
★速報と詳報の中身の違い
| 速報 | 詳報 | |
| ★期限 | ★★24時間以内 | ★★30日以内 |
| ★方法 | ★★電話等 | ★★様式第13の報告書 |
| ★中身 | ★★日時・場所・電気工作物・概要 | ★★原因・被害状況・再発防止対策まで |
速報は「起きたことを知らせる」、詳報は「なぜ起きたかを示す」——役割がはっきり分かれています。
だから期限も方法も違うのです——制度の設計として筋が通っています。
様式第13という具体名
詳報は、決められた様式で提出します——電気関係報告規則の様式第13です。
様式が決まっているのは、必要な情報を漏らさず集めるためです——自由記述では抜けが出るからです。
様式番号まで問われることは多くありませんが、覚えておいて損はありません。
なぜ30日なのか
事故の原因を調べるには、設備の点検や関係者の聞き取りが要ります——数日では終わりません。
再発防止策まで考えるなら、なおさら時間が必要です——だから約1か月という設定になっています。
逆に、それ以上かかると教訓が生かせなくなります——ちょうどよい長さだと言えます。
「設置する者」で統一されている
| 条文 | 義務を負う者 |
| ★法39条(維持) | ★★設置する者 |
| ★法40条(適合命令の相手) | ★★設置する者 |
| ★法42条(保安規程) | ★★設置する者 |
| ★法43条(主任技術者) | ★★設置する者 |
| ★報告規則3条(事故報告) | ★★設置する者 |
電気に関する義務は、一貫して設置する者にかかります——「管理する者」という表現は使いません。
この統一を知っていれば、(ア)は考えずに決まります。
起算点の違いをもう一度
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 概要 | ★★概要 | ★原因 | ★★速報の段階では原因は分からない |
| 知った時から24時間 | ★★知った時から24時間 | ★知った日から24時間 | ★★速報は「時」から |
| 知った日から起算して30日 | ★★知った日から起算して30日 | ★知った時から30日 | ★★詳報は「日」から |
速報は「時」、詳報は「日」から数えます——緊急度の違いが表れています。
「発生から」ではなく「知った時から」である点も大切です——気づかなければ数え始めません。
感電死傷事故という限定
本問は感電死傷事故に絞って書かれています——報告の対象はほかにもあります。
電気火災事故、他物件損傷事故、供給支障事故などです——いずれも同じ24時間/30日の期限がかかります。
期限は事故の種類によらず共通——だから覚えるのは2つの数字だけです。
実務での流れ
| 順 | すること |
| ★① | ★★人命の安全確保・二次災害の防止 |
| ★② | ★★24時間以内に電話等で速報 |
| ★③ | ★★原因調査・再発防止策の検討 |
| ★④ | ★★30日以内に様式第13で詳報 |
最優先は人命です——報告はそのあとになります。
だからこそ、平時に連絡先と手順を決めておく必要があります——保安規程の「非常時の措置」がこれです。
詳報に書く内容
| 項目 | 内容 |
| ★事故の状況 | ★★日時・場所・被害の程度 |
| ★電気工作物 | ★★設備の概要・運転状況 |
| ★原因 | ★★なぜ起きたのか |
| ★対策 | ★★再発防止のために何をするか |
速報にはなかった「原因」と「対策」が加わります——ここが詳報の中心です。
30日という期間は、これを調べてまとめるための時間です——だから速報より長いのです。
電話等の「等」とは
速報は電話のほか、FAXや電子メールでも構いません——要は速く伝わればよいのです。
形式より速さを優先している——だから様式が決められていません。
逆に詳報は様式第13と決まっています——正確さを優先しているからです。
⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「設置する者」——管理する者という表現はない。
② 速報の中身は「概要」まで——原因を含む肢は落とす。
③ 24時間/30日のペアを反射で出す。
④ 詳報は様式第13の報告書を所轄産業保安監督部長へ。
感電はなぜ起きるのか
| 原因 | 典型例 |
| ★充電部への接触 | ★★停電確認をせずに作業した |
| ★誤操作 | ★★別の回路を停電させたと思い込んだ |
| ★接地不良 | ★★漏電した機器の外箱に触れた |
多くは「電気が来ていないと思った」という思い込みから起きます——だから検電が欠かせないのです。
報告制度は、こうした教訓を共有するためにあります。
速報と詳報という二段構えは、他の法令でもよく見かける形です——まず知らせて、あとで詳しくという発想です。
出題履歴——数字だけで取れる問題
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成20年度 問2 | ★★報告事由と期限 |
| ★令和2年度 問2 | ★★報告の範囲の限定 |
| ★令和7年度下期 問2 | ★★速報と詳報の中身(本問) |
平成20年度 A問題2と令和2年度 A問題2を合わせて読むと、事故報告の全体像がそろいます。
24時間/30日という数字だけで、毎年のように1問取れます——これほど費用対効果の高い暗記はありません。
💡 覚え方
事故報告(電気関係報告規則3条)=速報:知った時から24時間以内・電話等・日時/場所/電気工作物/概要+詳報:知った日から起算して30日以内・様式第13の報告書。提出先は所轄産業保安監督部長。
⚠️ よくある間違い
速報で「原因」まで求められると思わない——概要まで。48時間・7日・60日はすべてダミー。起算点は速報=時から/詳報=日から。
まとめ
| (ア) | 設置(する者) |
| (イ) | 24(時間以内・速報) |
| (ウ) | 概要 |
| (エ) | 30(日以内・詳報) |
| 提出先 | 所轄産業保安監督部長 |
| 答え | (3) |
▼あわせて解きたい関連問題
・事故報告に該当しないもの(電気関係報告規則2):【法規】令和7年度上期 A問題2
・事故報告(電気関係報告規則5):【法規】令和2年度 A問題2

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