今回は平成20年度 法規科目 A問題1、電気用品安全法の目的と定義を問う正誤問題です。覚える量が少ないうえに毎回同じところが狙われるので、確実に取りたい1問です。
決め手は「多い」か「少ない」か。特定電気用品=危険又は障害の発生するおそれが特に「多い」もの。ここを「少ない」と書き換えるのが定番の作問パターンです。
答えは(4):特定電気用品は危険が「多い」もの
(4)が不適切です——特定電気用品は「おそれが多い」もので、真逆になっています。
危険が多いからこそ、届出だけでは足りません——登録検査機関による適合性検査まで課されます。
表示記号も別に用意されています——制度の趣旨とセットで覚えれば間違えません。
平成20年度 法規科目 A問題1:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成20年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題1
電験3種 法規科目 【電気用品安全法】 平成20年度 A問題1
次の文章は「電気用品安全法」についての記述であるが、不適切なものはどれか。
(注)平成20年度は公式問題PDFが公表されていないため、条文と過去問データに基づいて問題文を再構成しています。
(1) この法律は、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的としている。
(2) 一般用電気工作物の部分となる器具には電気用品となるものがある。
(3) 携帯用発電機には電気用品となるものがある。
(4) 特定電気用品とは、危険又は障害の発生するおそれの少ない電気用品である。
(5) <PS>Eは、特定電気用品に表示する記号である。

★特定電気用品とそれ以外の違い
| 特定電気用品 | 特定以外の電気用品 | |
| ★危険の度合い | ★★特に多い | ★★それ以外 |
| ★適合性検査 | ★★登録検査機関の検査が必要 | ★★不要(自主検査) |
| ★表示記号 | ★★<PS>E(ひし形) | ★★(PS)E(丸) |
危険が多いほど、第三者の目が入る仕組みになっています——自分で確かめるだけでは足りないのです。
記号の形も違います——ひし形が特定、丸がそれ以外と覚えましょう。
★電気用品とは何か
| 区分 | 内容 |
| ★① | ★★一般用電気工作物の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械・器具・材料 |
| ★② | ★★携帯発電機であって政令で定めるもの |
| ★③ | ★★蓄電池であって政令で定めるもの |
①が本体で、②③が後から加えられた部分です——携帯発電機が明文で挙がっているのは意外に思えますが条文どおりです。
対象が「一般用電気工作物」に係るものである点も大切です——専門家がいない家庭の設備を守る法律だからです。
なぜ一般用に着目するのか
家庭で使う電気製品は、誰でも買って自由に使えます——安全かどうかを使う人が判断できません。
だから市場に出る前の段階で規制します——製造・輸入・販売を規制するという設計です。
電気工事士法が「工事する人」を、電気用品安全法が「もの」を規制している——役割が分かれています。
目的規定の読み方
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 危険及び障害の発生を防止 | ★★危険及び障害の発生を防止 | ★災害の発生を防止 | ★★電気用品安全法は危険及び障害 |
| おそれが多い | ★★おそれが多い | ★おそれが少ない | ★★特定は危険が多いもの |
| <PS>E | ★★<PS>E | ★(PS)E | ★★ひし形が特定、丸がそれ以外 |
電気工事士法の目的は「欠陥による災害の発生の防止」でした——法律ごとに言い回しが違います。
電気用品安全法は「危険及び障害の発生の防止」——混ぜないように整理しておきましょう。
「民間事業者の自主的な活動を促進」
目的規定には、この一節も入っています——国がすべてを検査するのではないという意味です。
基本は事業者の自主検査と届出で回します——特定電気用品だけが第三者検査です。
規制と自主性の組み合わせ——電気事業法の届出制と似た発想です。
表示のない電気用品は使えない
| 立場 | 義務 |
| ★製造・輸入事業者 | ★★技術基準に適合させ、表示を付す |
| ★販売事業者 | ★★表示のないものを販売してはならない |
| ★電気工事士 | ★★表示のないものを工事に使用してはならない |
作る人・売る人・使う人の全員に義務がかかっています——どこかで止められる仕組みです。
電気工事士の使用制限は、電気工事士法ではなく電気用品安全法に書かれています——出所に注意しましょう。
届出事業者という仕組み
電気用品を製造・輸入する事業者は、事業の届出をします——許可ではありません。
そのうえで技術基準に適合させ、自主検査を行い、表示を付します。
特定電気用品だけは、その前に登録検査機関の適合性検査を受けます——1段階多いのです。
覚える量が少ない分野
電気用品安全法は、電験3種では出題数が多くありません——しかし覚えることも限られています。
目的・定義・特定とそれ以外・表示記号の4つで足ります——費用対効果の高い分野です。
出たら確実に取る、という構えでよいでしょう。
身近な電気用品の例
| 区分 | 例 |
| ★特定電気用品 | ★★電線・ヒューズ・配線器具・電流制限器・携帯発電機など |
| ★特定以外の電気用品 | ★★電気こたつ・電気冷蔵庫・テレビ・リチウムイオン蓄電池など |
特定電気用品には、壁の中や分電盤の中で使われるものが多く並びます——異常が起きても気づきにくいからです。
いっぽう家電製品は、異常があれば人が気づけます——だから特定以外に分類されているのです。
届出事業者の義務
| 段階 | すること |
| ★① | ★★事業の届出(経済産業大臣へ) |
| ★② | ★★技術基準に適合させる |
| ★③ | ★★検査を行い、記録を保存する |
| ★④ | ★★表示(<PS>E/(PS)E)を付す |
特定電気用品は、③の前に登録検査機関の適合性検査が加わります——1段階多いのです。
この流れを知っていれば、制度の全体像がつかめます。
⏱️ 本番での進め方
① 「特定=危険が少ない」は真逆——多いから特定。
② 目的は「危険及び障害の発生の防止」——災害ではない。
③ 携帯発電機も電気用品に含まれる。意外だが条文どおり。
④ 記号はひし形が特定、丸がそれ以外。
電気用品安全法の全体像
| 段階 | 規制 |
| ★作る・輸入する | ★★事業の届出・技術基準適合・検査・表示 |
| ★売る | ★★表示のないものは販売禁止 |
| ★使う(工事) | ★★表示のないものは使用禁止 |
川上から川下まで、どの段階でも止められる仕組みです——一か所でも守られれば不適合品は流通しません。
電気工事士の使用制限も、この一環です。
出題履歴——狙われる場所は決まっている
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成20年度 問1 | ★★目的と定義の正誤(本問) |
| ★平成27年度 問2 | ★★電線の規制 |
平成27年度 A問題2では、電線に絞った出題がありました。2本で電気用品安全法はほぼ網羅できます。
「多い/少ない」の書き換えは、他の法令でも使われる手口です——逆の意味になっていないか確かめる癖をつけましょう。
💡 覚え方
電気用品安全法:目的=電気用品による危険及び障害の発生の防止。電気用品=一般用電気工作物の部分となり又は接続して用いられる機械・器具・材料/携帯発電機/蓄電池(政令で定めるもの)。特定電気用品=危険のおそれが特に多い(<PS>E)/それ以外=(PS)E。
⚠️ よくある間違い
「特定=危険が少ない」は真逆——特定だからこそ適合性検査が上乗せされる。携帯発電機も電気用品に含まれる。
まとめ
| (1) | 正しい(危険及び障害の発生の防止) |
| (2) | 正しい(一般用の部分となる器具) |
| (3) | 正しい(携帯発電機) |
| (4) | 不適切(正しくは「多い」) |
| (5) | 正しい(<PS>Eは特定) |
| 答え | (4) |
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