電気事業法14【電験3種 法規】使用前自主検査は受電電圧1万V以上!届出・主務大臣・安全管理審査 令和1年度 A問題2 完全解説

電験3種 法規科目 電気事業法 令和1年度 A問題2 自主検査が必要なのは1万V以上!届出と審査

今回は令和1年度 法規科目 A問題2使用前自主検査の空欄補充問題です。工事計画の届出→自主検査→安全管理審査という、事業用電気工作物の運転開始までの流れが問われます。

流れで覚えましょう。受電電圧1万V以上の需要設備は工事計画を届出→工事後、使用開始前に使用前自主検査→その体制について主務大臣安全管理審査を受ける。数字と主体さえ押さえれば確実に取れます。

目次

令和1年度 法規科目 A問題2:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和1年度 A問題2 問題文
令和1年度 法規科目 A問題2 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和1年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題2

電験3種 法規科目 【電気事業法】 令和1年度 A問題2

 次の文章は、「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づき、事業用電気工作物を設置する者が行う検査に関しての記述である。

 a (ア)以上の需要設備を設置する者は、主務省令で定めるところにより、その使用の開始前に、当該事業用電気工作物について自主検査を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならない。(以下、この検査を使用前自主検査という。)

 b 使用前自主検査においては、その事業用電気工作物が次の①及び②のいずれにも適合していることを確認しなければならない。

 ① その工事が電気事業法の規定による(イ)をした工事の計画に従って行われたものであること。

 ② 電気設備技術基準に適合するものであること。

 c 使用前自主検査を行う事業用電気工作物を設置する者は、使用前自主検査に係る体制について、(ウ)が行う審査を受けなければならない。この審査は、事業用電気工作物の(エ)を旨として、使用前自主検査の実施に係る組織、検査の方法、工程管理その他主務省令で定める事項について行う。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)受電電圧1万V申請電気主任技術者安全管理
(2)容量2 000kW届出主務大臣自己確認
(3)受電電圧1万V届出主務大臣安全管理
(4)容量2 000kW申請電気主任技術者自己確認
(5)容量2 000kW申請主務大臣安全管理
答え(ア)受電電圧1万V・(イ)届出・(ウ)主務大臣・(エ)安全管理 = (3)

答えは(3):受電電圧1万V・届出・主務大臣・安全管理

電気事業法 第51条(使用前自主検査・安全管理審査)

受電電圧1万V以上の需要設備を設置する者は、その使用の開始前に自主検査を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならない。/①その工事が電気事業法の規定による届出をした工事の計画に従って行われたものであること ②電気設備技術基準に適合するものであること/使用前自主検査に係る体制について、主務大臣が行う審査を受けなければならない。この審査は、事業用電気工作物の安全管理を旨として行う。

工事計画の届出→自主検査→安全管理審査という流れが1問に詰まっています。

(ア)は「受電電圧1万V」——需要設備の基準は容量ではなく電圧です。

(イ)は「届出」——工事計画は届出制で、「申請」という手続名は条文にありません

(ウ)(エ)は「主務大臣」「安全管理」——審査するのは設備ではなく検査する体制です。

運転開始までの流れを1枚で

すること誰が根拠
★①★★工事計画の届出★★設置者★★法48条
★②★★使用前自主検査★★設置者★★法51条1項
★③★★安全管理審査★★主務大臣★★法51条3項
★④★★保安規程の届出・主任技術者の選任★★設置者★★法42条・43条

①②④は設置者が自分でやること、③だけが行政の関与です——誰がやるかで整理すると覚えやすくなります

電気事業法は、まず事業者に自分でやらせる建て付けです——行政は要所だけを見るのです。

★審査の対象は「設備」ではなく「体制」

使用前自主検査安全管理審査
★見るもの★★設備そのもの★★検査する体制
★誰が★★設置者★★主務大臣
★中身★★計画どおりか・技術基準に適合するか★★組織・検査の方法・工程管理

ここが本問でいちばん誤解されやすいところです——大臣は設備を見に来るのではありません

「ちゃんと検査できる体制になっているか」を見ます——検査そのものは事業者が自分でやるからです。

体制さえ確かなら、検査結果も信頼できる——この考え方が安全管理審査の根っこにあります。

自主検査で確認する2点

確認事項中身
★①★★届出をした工事の計画に従って行われたか
★②★★電気設備技術基準に適合するか

①は「計画どおりか」、②は「基準どおりか」です——約束を守ったかと、安全かの2つを見ます。

計画どおりでも基準を満たさなければ意味がありません——だから2つとも確認させるのです。

記録して保存することも義務

条文は「その結果を記録し、これを保存しなければならない」と定めています——検査するだけでは足りません

あとから検証できることが、保安の前提です——保安規程の7項目に「記録」が入っているのと同じ発想です。

立入検査で見られるのも、こうした記録です——制度どうしがつながっているのが分かります。

「容量2000kW」というダミー

条文の言葉ダミー語違い
受電電圧1万V★★受電電圧1万V★容量2000kW★★需要設備は電圧で切る
届出★★届出★申請★★工事計画は届出制。申請という手続名はない
主務大臣★★主務大臣★電気主任技術者★★審査するのは行政

「2000kW」という数字は、発電設備の区分で似たものが出てきます——だから紛らわしく感じるのです。

しかし需要設備の基準は、一貫して受電電圧です——ここを揺らさなければ落としません

使用前自己確認との違い

使用前自主検査使用前自己確認
★対象★★工事計画の届出をした設備★★太陽光500kW以上2000kW未満など
★審査★★安全管理審査がある★★届出のみ

名前が似ていますが、対象も手続も違います——「自主検査」と「自己確認」を混ぜないようにしましょう。

自己確認は、小規模な再生可能エネルギー設備向けの軽い仕組みです——近年の改正で導入されたものです。

なぜ国の検査ではなく自主検査なのか

かつては国が完成検査を行っていました——それが事業者による自主検査へ変わったのです。

設備の数が増え、国がすべてを見て回るのは現実的でなくなりました——だから検査そのものは事業者に任せることにしました。

その代わり、体制を審査して信頼性を担保します——これが安全管理審査の生まれた理由です。

条文の主体と実際の担い手

条文上実務
★審査の主体★★主務大臣★★登録安全管理審査機関が代行
★一般用の調査★★電線路維持運用者★★登録調査機関が受託

空欄補充では、条文どおり「主務大臣」を選びます——実務の担い手を答えると誤りになります

条文と運用がずれている箇所は、ほかにもあります——試験では常に条文が正解だと覚えておきましょう。

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「受電電圧1万V」——需要設備は電圧で切る。容量は使わない。
② (イ)は「届出」。工事計画に「申請」「許可」はない。
③ (ウ)(エ)は「主務大臣」「安全管理」——審査対象は体制。
届出→自主検査→安全管理審査の流れで覚えると全部つながる。

記録の保存が意味を持つとき

使用前自主検査の記録は、あとから必ず参照されます——立入検査や事故調査のときです。

そのときに記録がなければ、検査したことを証明できません——やっていないのと同じ扱いになります。

「記録し、これを保存する」という一文には、そういう重みがあります

出題履歴——工事計画とセットで出る

年度問われ方
★平成19年度 問2★★工事計画の届出対象
★平成25年度 問2★★工事計画の届出対象
★令和1年度 問2★★使用前自主検査(本問)

平成19年度 A問題2平成25年度 A問題2が、この前段にあたる工事計画の問題です。

3本をつなげて読むと、設備が動き出すまでの手続が一本の線になります——バラバラに覚えるより、流れで覚えるほうが速いのです。

💡 覚え方
運転開始までの流れ=工事計画の届出(法48条/需要設備は受電電圧1万V以上)→工事→使用前自主検査(法51条・使用開始前、結果を記録し保存)→安全管理審査(主務大臣、安全管理を旨として体制を審査)。自主検査の確認事項は①届出計画どおり ②技術基準適合の2点。

⚠️ よくある間違い
需要設備の基準を「容量2000kW」としない——受電電圧1万V以上。工事計画は「申請」でなく届出審査するのは電気主任技術者ではなく主務大臣、審査対象は設備ではなく検査体制

まとめ

(ア)受電電圧1万V(以上の需要設備)
(イ)届出(工事計画・法48条)
(ウ)主務大臣
(エ)安全管理(安全管理審査)
確認事項①届出計画どおり ②技術基準適合
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・工事計画の事前届出(電気事業法25):【法規】平成25年度 A問題2
・工事計画の事前届出(電気事業法39):【法規】平成19年度 A問題2

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