今回は平成22年度 電力科目 A問題12、配電線路の開閉器類の誤り選択問題です。区分開閉器・柱上開閉器・ループ方式・高圧カットアウト・パッドマウント変圧器と、配電の開閉機器が総登場します。
決め手は高圧カットアウト内蔵ヒューズの溶断特性。高圧ヒューズは持続する過負荷や内部短絡で溶断して変圧器を保護しますが、雷サージのような短時間の大電流では溶断しません(溶断すると雷のたびに停電する)。「雷サージなどの短時間大電流の通過時に直ちに溶断する」は誤りです。
出題のポイント

平成22年度 電力科目 A問題12:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 【配電】 平成22年度 A問題12
配電線路の開閉器類に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
(1) 配電線路用の開閉器は、主に配電線路の事故時の事故区間を切り離すためと、作業時の作業区間を区分するために使用される。
(2) 柱上開閉器は、気中形と真空形が一般に使用されている。操作方法は、手動操作による手動式と制御器による自動式がある。
(3) 高圧配電方式には、放射状方式(樹枝状方式)、ループ方式(環状方式)などがある。ループ方式は結合開閉器を設置して線路を構成するので、放射状方式よりも建設費は高くなるものの、高い信頼度が得られるため負荷密度の高い地域に用いられる。
(4) 高圧カットアウトは、柱上変圧器の一次側の開閉器として使用される。その内蔵の高圧ヒューズは変圧器の過負荷時や内部短絡故障時、雷サージなどの短時間大電流の通過時に直ちに溶断する。
(5) 地中配電系統で使用するパッドマウント変圧器には、変圧器と共に開閉器などの機器が収納されている。
ポイント解説:高圧ヒューズは雷サージでは溶断しない——「直ちに溶断」は誤り
(4)が誤り:高圧カットアウト(PC)は柱上変圧器の一次側の開閉器で、内蔵の高圧ヒューズが変圧器の過負荷や内部短絡故障(持続的な過電流)で溶断して保護する——ここまでは正しい。しかし雷サージのような短時間の過渡的な大電流では溶断しない(溶断してしまうと雷のたびに停電する)。「雷サージなどの短時間大電流の通過時に直ちに溶断する」は誤り。ヒューズは時延特性で短時間の突入・サージを見逃す。
開閉器類((1)(2)は正しい):(1)配電線路用開閉器は事故区間の切り離しと作業区間の区分に使用。(2)柱上開閉器は気中形・真空形、手動式と自動式——正しい。
配電方式と機器((3)(5)は正しい):(3)ループ方式(環状方式)は結合開閉器で構成し、建設費は高いが高信頼度で負荷密度の高い地域向け。(5)地中配電のパッドマウント変圧器(地上用変圧器)は変圧器と開閉器を収納——正しい。よって誤りは(4)。
問題の解説
STEP1 開閉器の用途
事故区間切り離し・作業区分(1)・気中/真空形(2)は正しい。
STEP2 配電方式・機器
ループ方式(3)・パッドマウント変圧器(5)は正しい。
STEP3 (4)を判定
高圧ヒューズは雷サージでは溶断しない→(4)が誤り。
答え:(4)
💡 覚え方
高圧カットアウトの内蔵ヒューズは持続する過負荷・内部短絡で溶断するが、雷サージ等の短時間大電流では溶断しない(時延特性)。開閉器=事故区間切離し/作業区分、ループ方式=高信頼度、パッドマウント変圧器=変圧器+開閉器を収納。
⚠️ よくある間違い
高圧ヒューズが「雷サージで直ちに溶断」としない——短時間の過渡電流では溶断しない(過負荷・短絡の持続電流で溶断)。ループ方式・柱上開閉器・パッドマウント変圧器の記述はいずれも正しい。
まとめ
| 誤り | (4) 雷サージでは溶断しない |
| 開閉器 | 事故区間切離し・作業区分(1) |
| 柱上開閉器 | 気中/真空形・手動/自動(2) |
| ループ方式 | 高信頼度・負荷密度高い地域(3) |
| パッドマウント変圧器 | 変圧器+開閉器を収納(5) |
| 答え | (4) |
▼あわせて解きたい関連問題
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