電気設備技術基準の解釈22【電験3種 法規】地中電線相互は0.15m/0.3m・耐火性隔壁・いずれか不燃/それぞれ自消性=(1) 令和5年度上期 A問題6 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 令和5年度上期 A問題6 地中電線の離隔は0.15mと0.3m!隔壁も条件

今回は令和5年度上期 法規科目 A問題6地中電線と他の地中電線等との接近又は交差(電気設備技術基準の解釈第125条)に関する空欄補充問題です。離隔距離の値と、離隔0mにできる条件(隔壁・不燃性・自消性難燃性)が問われます。

覚える骨格は「低圧と高圧0.15m・特別高圧絡み0.3m」「耐火性の隔壁/いずれかが不燃性/それぞれが自消性難燃性で0m」不燃性は一方(いずれか)、自消性難燃性は両方(それぞれ)という対応が最大のポイントです。

目次

令和5年度上期 法規科目 A問題6:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和5年度上期 A問題6 問題文
令和5年度上期 法規科目 A問題6 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和5年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題6

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 令和5年度上期 A問題6

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述の一部である。上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における地中電線と他の地中電線等との接近又は交差に関する記述の一部である。低圧地中電線と高圧地中電線とが接近又は交差する場合、又は低圧若しくは高圧の地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合は、次のいずれかによること。ただし、地中箱内についてはこの限りでない。

a)地中電線相互の離隔距離が、次に規定する値以上であること。①低圧地中電線と高圧地中電線との離隔距離は、(ア)m ②低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線との離隔距離は、(イ)m

b)地中電線相互の間に堅ろうな(ウ)の隔壁を設けること。

c)(エ)の地中電線が、次のいずれかに該当するものである場合は、地中電線相互の離隔距離が0m以上であること。①不燃性の被覆を有すること。②堅ろうな不燃性の管に収められていること。

d)(オ)の地中電線が、次のいずれかに該当するものである場合は、地中電線相互の離隔距離が0m以上であること。①自消性のある難燃性の被覆を有すること。②堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められていること。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)0.150.3耐火性いずれかそれぞれ
(2)0.150.3耐火性それぞれいずれか
(3)0.10.2耐圧性いずれかそれぞれ
(4)0.10.2耐圧性それぞれいずれか
(5)0.10.3耐火性いずれかそれぞれ
答え(ア)0.15・(イ)0.3・(ウ)耐火性・(エ)いずれか・(オ)それぞれ = (1)

答えは(1):0.15m・0.3m・耐火性・いずれか・それぞれ

電気設備技術基準の解釈 第125条(地中電線と他の地中電線等との接近又は交差)

低圧地中電線と高圧地中電線とが接近又は交差する場合、又は低圧若しくは高圧の地中電線と特別高圧地中電線とが接近又は交差する場合は、次のいずれかによること(地中箱内を除く)。/a 離隔距離が①低圧地中電線と高圧地中電線は0.15m ②低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線は0.3m 以上であること/b 地中電線相互の間に堅ろうな耐火性の隔壁を設けること/c いずれかの地中電線が不燃性の被覆を有するか、堅ろうな不燃性の管に収められている場合は離隔0m以上/d それぞれの地中電線が自消性のある難燃性の被覆を有するか、堅ろうな自消性のある難燃性の管に収められている場合は離隔0m以上

★「いずれか」=不燃性、「それぞれ」=自消性のある難燃性。ここが急所です。

燃えにくさのランクが上なら片方だけでよい、一段落ちるなら両方必要——合理的な対応関係です。

★「いずれか」と「それぞれ」の対応

被覆・管の性質必要な範囲燃えにくさ
★不燃性★★いずれかの地中電線★★燃えない
★自消性のある難燃性★★それぞれの地中電線★★着火しても自ら消える

不燃性は「そもそも燃えない」——片方が燃えなければ延焼は止まります

自消性のある難燃性は「燃え広がりにくい」——片方だけでは不十分なので両方に求めるのです。

性能が高いほど要求範囲が狭くなる——この対応を理解すれば取り違えません

★材料の燃えにくさのランク

区分意味
★耐火性★★火にさらされても一定時間、形と機能を保つ
★不燃性★★燃焼しない(金属・コンクリート等)
★自消性のある難燃性★★着火しても炎を離せば自ら消える
★難燃性★★燃え広がりにくい

解釈は場面ごとにこれらを使い分けます——隔壁は耐火性、被覆は不燃性・自消性難燃性

「耐圧性」という語は条文にありません——選択肢のダミーです。

★0.15mと0.3mの使い分け

組合せ離隔距離
★低圧地中電線と高圧地中電線★★0.15m以上
★低圧又は高圧の地中電線と特別高圧地中電線★★0.3m以上
★地中電線と地中弱電流電線等(低高圧)★★0.3m以上
★地中電線と地中弱電流電線等(特別高圧)★★0.6m以上

特別高圧が絡むと2倍——0.15→0.3、0.3→0.6という関係です。

「0.1m」「0.2m」というダミーが置かれます——0.15という半端な値を覚えます

★なぜ地中で離隔が要るのか

1条のケーブルが事故で燃えると、隣に燃え移ります——地中は放熱が悪く、熱がこもるからです。

短絡事故のアークは数千℃——隣接するケーブルのシースを一瞬で貫きます

だから距離をとるか、燃えない材料で守る——125条の趣旨です。

地中箱内が除かれる理由

条文の言葉ダミー語違い
地中箱内★★地中箱内★地中箱以外の区間★★接続や引き入れのため距離を取れない
人が点検できる★★人が点検できる★埋設されて見えない★★管理のしやすさが違う

地中箱(マンホール・ハンドホール)は、ケーブルを接続する場所です。

構造上、電線どうしが近接せざるを得ません——だから125条の適用から外れます

そのかわり、地中箱には別の規定(120条)がかかります

地中電線と他の埋設物

相手離隔距離
★地中弱電流電線等(低高圧)★★0.3m以上
★地中弱電流電線等(特別高圧)★★0.6m以上
★ガス管等(可燃性・有毒ガス)★★1m以上
★その他の管★★0.3m以上

ガス管が最も遠い1m——爆発の危険があるからです。

0.15/0.3/0.6/1という並びで覚えます——B問題でも問われる数値です。

地中ケーブルの火災

1984年の世田谷ケーブル火災では、洞道内のケーブルが燃え広がりました

約9万回線が不通になり、社会に大きな影響——この事故が防火対策を前進させました

耐燃措置・自動消火設備(120条)も、この離隔の規定(125条)も、同じ教訓からです。

難燃ケーブルの種類

記号特徴
★FP★★耐火ケーブル。火災時も一定時間機能を保つ
★HP★★耐熱ケーブル。消防設備の配線に使う
★EM(エコケーブル)★★ハロゲンフリーで有毒ガスを出しにくい
★MI★★無機絶縁。極めて高い耐火性

用途に応じて材料が選ばれます——条文の「不燃性」「自消性のある難燃性」はこの性能を指しています

製品の性能で条文の要求を満たす——設計段階で決まるのです。

地中電線路の3つの施設方式

方式内容主な条件
★管路式★★管を埋め、その中にケーブルを通す★★重量物の圧力に耐える管・約2m間隔で表示
★暗きょ式★★人が入れる構造物の中に敷設する★★耐燃措置又は自動消火設備
★直接埋設式★★土中に直接埋める★★土冠1.2m/0.6m以上・トラフ等で防護

離隔の規定(125条)は、どの方式でも適用されます——施設方式とは別の観点です。

120条(施設方式)と125条(離隔)はセットで押さえます

地中箱の施設

要件内容
★構造★★車両その他の重量物の圧力に耐える構造
★排水★★水が滞留しないよう排水設備を設ける
★ふた★★取扱者以外の者が容易に開けられないこと
★換気★★爆発性ガスが滞留するおそれがある場所には換気装置

125条が「地中箱内を除く」としているのは、ここに別の規定があるからです。

接続や引き入れのため、電線どうしが近接せざるを得ません——そのかわり構造で守ります

地中電線の事故点探査

方法原理
★マーレーループ法★★ブリッジの平衡条件から事故点までの距離を求める
★パルスレーダ法★★パルスの反射が戻る時間から距離を出す
★音響法★★放電音を地上から聴いて位置を絞る

地中は目視できないので、測定で場所を特定します——掘る場所を誤ると費用も時間も大きく損なうからです。

マーレーループ法は理論科目のブリッジ回路そのものです。

⏱️ 本番での進め方
① 離隔は低圧・高圧で0.15m、特別高圧が絡むと0.3m
② 隔壁は耐火性——「耐圧性」ではない。
不燃性は「いずれか」——片方だけでよい。
自消性のある難燃性は「それぞれ」——両方必要。

💡 覚え方
解釈125条=地中電線相互の離隔は、低圧と高圧で0.15m以上、特別高圧が絡むと0.3m以上。堅ろうな耐火性の隔壁を設ければ離隔不要。いずれかの地中電線が不燃性の被覆・不燃性の管なら0m以上、それぞれの地中電線が自消性のある難燃性の被覆・管なら0m以上。地中箱内は適用外。

⚠️ よくある間違い
(ウ)は「耐圧性」ではなく耐火性「いずれか」(不燃性)と「それぞれ」(自消性難燃性)を取り違えない——性能が高いほど要求範囲が狭い。

まとめ

(ア)低圧・高圧0.15m以上
(イ)特別高圧絡み0.3m以上
(ウ)隔壁堅ろうな耐火性
(エ)不燃性いずれか一方でよい
(オ)自消性難燃性それぞれ(両方)必要
答え(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・地中電線相互の接近交差・同条文(電気設備技術基準の解釈10):【法規】令和6年度下期 A問題6
・太陽電池モジュールの絶縁性能(電気設備技術基準の解釈21):【法規】令和5年度上期 A問題4

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次