今回は令和4年度下期 法規科目 A問題9、高圧受電設備の全停電作業の操作手順を扱う空欄補充問題です。実務でも命に関わる重要手順で、電験3種でも頻出のテーマです。
覚える原則は2つ。①停電は負荷側から電源側へ、遮断器を開いてから断路器を開く(断路器は電流を切れない)。②短絡接地器具は電源側に取り付ける(誤通電・誘導から作業者を守る)。
出題のポイント

令和4年度下期 法規科目 A問題9:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 【電気施設管理】 令和4年度下期 A問題9
次の文章は、図に示す高圧受電設備において全停電作業を実施するときの操作手順の一例について、その一部を述べたものである。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
a)(ア)を全て開放する。
b)(イ)を開放する。
c)地絡方向継電装置付高圧交流負荷開閉器(DGR付PAS)を開放する。
d)(ウ)を開放する。
e)断路器(DS)の電源側及び負荷側を検電して無電圧を確認する。
f)高圧電路に接地金具等を接続して残留電荷を放電させた後、誤通電、他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため、断路器(DS)の(エ)に短絡接地器具を取り付けて接地する。
g)断路器(DS)、開閉器等にはそれぞれ操作後速やかに、操作禁止、投入禁止、通電禁止等の通電を禁止する表示をする。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (1) 負荷開閉器(LBS) 断路器(DS) 真空遮断器(VCB) 負荷側 (2) 配線用遮断器(MCCB) 断路器(DS) 真空遮断器(VCB) 負荷側 (3) 配線用遮断器(MCCB) 真空遮断器(VCB) 断路器(DS) 電源側 (4) 負荷開閉器(LBS) 断路器(DS) 真空遮断器(VCB) 電源側 (5) 負荷開閉器(LBS) 真空遮断器(VCB) 断路器(DS) 負荷側

ポイント解説:負荷側から順に切り、断路器は最後
(ア)配線用遮断器(MCCB):停電は最も負荷側から順に電源側へ切っていきます。図の一番下にあるのは変圧器二次側の配線用遮断器(MCCB1・MCCB2)——まずこれを全て開放して低圧負荷を切り離します。「全て」という語がMCCBが複数あることに対応しています。負荷開閉器(LBS)ではありません。
(イ)真空遮断器(VCB)・(ウ)断路器(DS):ここが最大の急所です。断路器(DS)は電流を遮断できません(無負荷でのみ開閉可)。だから先に真空遮断器(VCB)で電流を遮断し、そのあとで断路器(DS)を開くのが鉄則。順序は b)VCB → c)PAS → d)DS。もし断路器を電流が流れたまま開けばアークが発生して大事故になります。「遮断器を開いてから断路器」——これは投入時と逆の順序です(投入は断路器→遮断器)。
(エ)電源側:無電圧を確認したら、断路器(DS)の電源側に短絡接地器具を取り付けます。作業者は断路器より負荷側で作業するので、電源側で接地しておけば、誤ってPASなどが再投入(誤通電)されても、あるいは他回線からの誘導があっても、そのエネルギーが接地器具を通じて大地へ流れ、作業者に届きません。よって(ア)MCCB・(イ)VCB・(ウ)DS・(エ)電源側で(3)。
問題の解説
STEP1 (ア)
最も負荷側のMCCBを全て開放(低圧負荷を切り離す)
STEP2 (イ)(ウ)
VCBで電流遮断 → PAS開放 → 断路器DSは無電圧で最後に開放
STEP3 (エ)
DSの電源側に短絡接地器具 → 誤通電・誘導から作業者を保護 →(3)
答え:(3)
💡 覚え方
全停電の操作手順=負荷側から電源側へ、遮断器を開いてから断路器を開く(MCCB→VCB→PAS→DS)。断路器(DS)は電流を遮断できないので必ず遮断器のあと。投入は逆で断路器→遮断器。検電で無電圧確認後、短絡接地器具はDSの電源側に取り付ける(誤通電・誘導による感電を防止)。
⚠️ よくある間違い
「断路器を先に開く」は絶対NG——電流を切れずアーク事故になる。(ア)はMCCB(LBSではない、「全て」が複数のMCCBを示す)。短絡接地は電源側(負荷側ではない)——作業箇所へ電気が入ってくるのを止めるため。
まとめ
| (ア) | 配線用遮断器(MCCB)を全て開放 |
| (イ) | 真空遮断器(VCB) |
| (ウ) | 断路器(DS)は無電圧で最後に開放 |
| (エ) | 電源側に短絡接地器具 |
| 停電の順序 | 負荷側→電源側/遮断器→断路器 |
| 答え | (3) |
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