電気施設管理15【電験3種 法規】CB形は遮断器+OCR・PF・S形はヒューズ+LBS!=(5) 平成23年度 A問題10 完全解説

電験3種 法規科目 電気施設管理 平成23年度 A問題10 CB形とPF・S形の違い!主遮断装置を見分ける

今回は平成23年度 法規科目 A問題10キュービクル式高圧受電設備の主遮断装置を扱う空欄補充問題です。CB形とPF・S形の違いは実務でも頻出で、確実に得点したいテーマです。

覚え方は略号そのままCB形=Circuit Breaker(高圧交流遮断器)PF・S形=Power Fuse(高圧限流ヒューズ)+Switch(高圧交流負荷開閉器)。短絡保護はCB形=遮断器+過電流継電器PF・S形=限流ヒューズが担います。

目次

平成23年度 法規科目 A問題10:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成23年度 A問題10 問題文
平成23年度 法規科目 A問題10 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成23年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題10

電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成23年度 A問題10

 キュービクル式高圧受電設備には主遮断装置の形式によってCB形とPF・S形がある。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

キュービクル式高圧受電設備には主遮断装置の形式によってCB形とPF・S形がある。CB形は主遮断装置として(ア)が使用されているが、PF・S形は変圧器設備容量の小さなキュービクルの設備簡素化の目的から、主遮断装置は(イ)と(ウ)の組み合わせによっている。

高圧母線等の高圧側の短絡事故に対する保護は、CB形では(ア)と(エ)で行うのに対し、PF・S形は(イ)で行う仕組みとなっている。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)高圧限流ヒューズ高圧交流遮断器高圧交流負荷開閉器過電流継電器
(2)高圧交流負荷開閉器高圧限流ヒューズ高圧交流遮断器過電圧継電器
(3)高圧交流遮断器高圧交流負荷開閉器高圧限流ヒューズ不足電圧継電器
(4)高圧交流負荷開閉器高圧交流遮断器高圧限流ヒューズ不足電圧継電器
(5)高圧交流遮断器高圧限流ヒューズ高圧交流負荷開閉器過電流継電器
答え(ア)高圧交流遮断器・(イ)高圧限流ヒューズ・(ウ)高圧交流負荷開閉器・(エ)過電流継電器 = (5)

答えは(5):高圧交流遮断器・高圧限流ヒューズ・高圧交流負荷開閉器・過電流継電器

キュービクル式高圧受電設備の主遮断装置

CB形=主遮断装置に高圧交流遮断器(Circuit Breaker)を使用。/★PF・S形=主遮断装置を高圧限流ヒューズ(Power Fuse)と高圧交流負荷開閉器(Switch)の組合せで構成。変圧器設備容量の小さなキュービクルの設備簡素化が目的。/★高圧側の短絡保護=CB形は遮断器+過電流継電器、PF・S形は限流ヒューズで行う。

★略号がそのまま答えです。CB=Circuit Breaker、PF=Power Fuse、S=Switch。

実務でも頻出のテーマです——確実に得点したいところ。

★★略号から答えを導く

略号英語日本語
★CB★★Circuit Breaker★★高圧交流遮断器
★PF★★Power Fuse★★高圧限流ヒューズ
★S★★Switch★★高圧交流負荷開閉器(LBS)
★OCR★★Over Current Relay★★過電流継電器

形式の名前が、そのまま構成機器を表しています——覚えやすいのです。

「PF・S形」という名前を分解すれば、(イ)(ウ)が決まります

順番も名前どおり——PFが先、Sが後です。

★★遮断器と負荷開閉器の違い

条文の言葉ダミー語違い
遮断器(CB)★★遮断器(CB)★負荷開閉器(LBS)★★短絡電流も遮断できる/負荷電流までしか開閉できない
高価・大型★★高価・大型★安価・小型★★設備の規模で選ぶ

遮断器は数kAの短絡電流を切れます——消弧装置を備えているから。

負荷開閉器は定格電流までしか切れません——短絡を切ろうとすれば焼損します。

だからPF・S形では短絡を限流ヒューズに任せる——役割分担です。

★短絡保護の分担

形式検出遮断
★CB形★★過電流継電器(OCR)★★遮断器(CB)
★PF・S形★★限流ヒューズ自身★★限流ヒューズ自身

CB形は「検出」と「遮断」が別の機器です——OCRが検出してCBを引き外す

PF・S形はヒューズが両方を兼ねます——溶断が検出でもあり遮断でもある

だからPF・S形は構成が簡素になるのです。

★限流ヒューズの「限流」とは

$$I_{\text{実際}} \ll I_{\text{短絡電流の波高値}}$$
短絡電流が最大値に達する前に溶断する
★これが限流効果

短絡電流が最大になる前に溶断して電流を抑え込みます——これが「限流」です。

遮断器より速く、機器への熱的・機械的ストレスが小さい——ヒューズの利点です。

ただし溶断すれば交換が必要——再閉路できないのが欠点です。

★どちらを選ぶか

条件CB形PF・S形
★設備容量★★大きい(概ね300kV·A超)★★小さい(概ね300kV·A以下)
★コスト★★高い★★安い
★事故後の復旧★★投入すれば復旧★★ヒューズ交換が必要
★保護の細かさ★★OCRで自由に整定できる★★ヒューズの特性で決まる

小規模なら簡素で安いPF・S形——問題文の「設備簡素化の目的」です。

大規模ならCB形——保護の自由度と復旧の速さが要るから。

キュービクルとは

高圧受電設備を金属箱に収めたものです——JIS C 4620に規定されています。

工場で製作されるので品質が安定し、設置も容易——現在の主流です。

屋外設置も多く、保守は扉を開けて行います

キュービクルの主要機器

機器役割
★区分開閉器(PAS/UGS)★★構内の事故を系統から切り離す
★主遮断装置★★CB形又はPF・S形(本問)
★変圧器★★高圧を低圧に変換する
★進相コンデンサ★★力率を改善する
★計器用変成器(VT・CT)★★計測と保護のための信号を取る

単線結線図を読めるようにしておくと、受電設備の問題全般に強くなります

令和7年度下期A問題10は、まさにその図を読む問題でした。

ダミー選択肢の見分け方

ダミー何の機器か
★過電圧継電器(OVR)★★電圧が上がりすぎたときに動作
★不足電圧継電器(UVR)★★電圧が下がったときに動作

短絡保護に使うのは電流を見る継電器です——だから過電流継電器

電圧を見る継電器では短絡は検出できません——役割が違うのです。

「何を検出するか」で選べば迷いません

高圧交流遮断器の種類

種類消弧方式現状
★真空遮断器(VCB)★★真空中でアークを消す★★現在の主流
★ガス遮断器(GCB)★★SF₆ガスで消弧する★★特別高圧で使用
★油遮断器(OCB)★★絶縁油で消弧する★★ほぼ使われない

高圧受電設備ではVCB(真空遮断器)が標準です——小型で保守が容易

SF₆は温室効果ガスなので、使用が制限されつつあります

限流ヒューズの特性

項目内容
★動作時間★★半サイクル以内(遮断器より速い)
★限流効果★★短絡電流が波高値に達する前に遮断
★欠点★★溶断後は交換が必要・再閉路できない
★注意★★1相だけ溶断すると欠相運転になる

1相だけ溶断すると、残り2相で運転が続いてしまいます——欠相(開放)事故です。

三相電動機が焼損するおそれがあります——ストライカ付きヒューズで3相同時に開放させます。

主遮断装置と区分開閉器の違い

条文の言葉ダミー語違い
区分開閉器(PAS/UGS)★★区分開閉器(PAS/UGS)★主遮断装置(CB/PF・S)★★責任分界点に設置/キュービクルの受電部に設置
構内事故を系統から切り離す★★構内事故を系統から切り離す★構内の設備を保護する★★守る対象が違う

区分開閉器は「外に迷惑をかけない」ための装置です——波及事故の防止

主遮断装置は「自分の設備を守る」ための装置——役割が違います

両方が揃って初めて受電設備の保護が成立します

⏱️ 本番での進め方
① CB形の主遮断装置は高圧交流遮断器
② PF・S形は高圧限流ヒューズ+高圧交流負荷開閉器
③ 短絡保護はCB形が遮断器+過電流継電器
④ PF・S形の短絡保護は限流ヒューズが担う。

💡 覚え方
キュービクルの主遮断装置=CB形は高圧交流遮断器(Circuit Breaker)、PF・S形は高圧限流ヒューズ(Power Fuse)と高圧交流負荷開閉器(Switch)の組合せ。高圧側短絡の保護はCB形が遮断器+過電流継電器、PF・S形は限流ヒューズが担う。PF・S形は設備容量の小さいキュービクルの簡素化が目的。

⚠️ よくある間違い
「過電圧継電器」「不足電圧継電器」ではなく過電流継電器——短絡は電流で検出する。負荷開閉器は短絡を切れない——だから限流ヒューズと組む。

まとめ

(ア)高圧交流遮断器(CB形の主遮断装置)
(イ)高圧限流ヒューズ(PF)
(ウ)高圧交流負荷開閉器(S=LBS)
(エ)過電流継電器(CB形の短絡保護)
PF・S形の短絡保護高圧限流ヒューズが溶断
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・高圧受電設備の単線結線図(電気施設管理14):【法規】平成25年度 A問題10
・高圧受電設備の単線結線図(電気施設管理1):【法規】令和7年度下期 A問題10

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