電気施設管理14【電験3種 法規】ZCT・電力量計・避雷器・過電流継電器を図で読む!=(1) 平成25年度 A問題10 完全解説

電験3種 法規科目 電気施設管理 平成25年度 A問題10 単線結線図の記号を読む!4つの機器を当てる

今回は平成25年度 法規科目 A問題10高圧受電設備の単線結線図から機器・計器の名称を読み取る問題です。令和7年度下期 A問題10(電気施設管理1)と同系統の、キュービクル理解を問う定番です。

読み解きの軸は「どこに何がつながっているか」GR付PASの零相検出=ZCT取引用の計量=電力量計(VCT経由)断路器を介して接地=避雷器CTから遮断器を引き外す=過電流継電器

目次

答えは(1):ZCT・電力量計・避雷器・過電流継電器

高圧受電設備の単線結線図(受電電力500kW)

ZCT(零相変流器)=GR付PASの中で零相電流を検出する。/★VCT(計器用変圧変流器)=電圧と電流の両方を変成し、取引用の電力量計(Wh)につながる。/★避雷器(LA)=断路器(DS)を介して接地される。/★過電流継電器(OCR)=CTから信号を受け、遮断器(VCB)を引き外す。

★「どこにつながっているか」で機器が決まります。

令和7年度下期 A問題10が同系統です。そちらは信号の種類から機器を決める視点でした。

この記事は、紛らわしい機器の対比を主軸にします

平成25年度 法規科目 A問題10:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成25年度 A問題10 問題文
平成25年度 法規科目 A問題10 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成25年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題10

電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成25年度 A問題10

 図は、高圧受電設備(受電電力500kW)の単線結線図の一部である。

 図の矢印で示す(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に設置する機器及び計器の名称(略号を含む)の組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)ZCT電力量計避雷器過電流継電器
(2)VCT電力量計避雷器過負荷継電器
(3)ZCT電力量計進相コンデンサ過電流継電器
(4)VCT電力計避雷器過負荷継電器
(5)ZCT電力計進相コンデンサ過負荷継電器
平成25年度 A問題10 高圧受電設備の単線結線図
平成25年度 A問題10 高圧受電設備の単線結線図
平成25年度 A問題10 高圧受電設備の単線結線図
平成25年度 A問題10 高圧受電設備の単線結線図
答え(ア)ZCT・(イ)電力量計・(ウ)避雷器・(エ)過電流継電器 = (1)

★★ZCTとVCTを取り違えない

条文の言葉ダミー語違い
ZCT(零相変流器)★★ZCT(零相変流器)★VCT(計器用変圧変流器)★★零相電流を検出する/電圧と電流を計量用に変成する
地絡保護のため★★地絡保護のため★取引用の計量のため★★目的がまったく違う
GR付PASの中★★GR付PASの中★引込直後(電力量計の手前)★★設置位置も違う

略号が似ていますが、役割はまったく別です——ZCTは保護、VCTは計量

(ア)はGR付PASの中にあり制御装置につながっています——地絡検出なのでZCTです。

VCTは地絡検出をしません——だから(ア)には入らないのです。

★★電力量計と電力計の違い

条文の言葉ダミー語違い
電力量計(Wh)★★電力量計(Wh)★電力計(W)★★積算値/瞬時値
取引用の計量に使う★★取引用の計量に使う★運転状態の監視に使う★★用途が違う

電力会社との取引に使うのは電力量[kWh]です——使った量で料金が決まるから。

VCTと組み合わせるのは、この取引用計量のため——だから電力量計です。

瞬時値の電力計では料金が計算できません——積算する必要があるのです。

★★なぜ避雷器に断路器が付くのか

理由内容
★保守のため★★絶縁抵抗測定時に避雷器を切り離す
★故障時の切り離し★★避雷器が短絡故障しても系統から外せる
★接地側にある★★雷サージを大地へ逃がす経路

避雷器は常時は絶縁体、雷が来たときだけ導通します——だから接地につながっているのです。

絶縁抵抗を測るとき、避雷器がつながったままでは低い値が出てしまいます——切り離すためのDS

進相コンデンサは接地記号にはつながりません——だから(ウ)は避雷器です。

★避雷器の役割

V < V_{制限電圧} \Rightarrow \text{絶縁体として振る舞う}
常時は電流を流さない
V > V_{制限電圧} \Rightarrow \text{導通して大地へ逃がす}
雷サージが来たとき
★機器を守る

電圧に応じて抵抗が変わる素子(酸化亜鉛)を使っています——非線形抵抗

サージが去れば元の絶縁状態に戻ります——自動的に復帰するのです。

解釈37条で施設が義務づけられています——高圧引込の需要家など

★過電流継電器と過負荷継電器

条文の言葉ダミー語違い
過電流継電器(OCR)★★過電流継電器(OCR)★過負荷継電器(THR等)★★短絡・過負荷を検出し遮断器を引き外す/電動機の過負荷を検出する
高圧受電設備の主保護★★高圧受電設備の主保護★電動機の保護★★適用箇所が違う

高圧側で遮断器を引き外すのは過電流継電器です——OCR

「過負荷継電器」は電動機の保護に使う語——受電設備の主保護には使いません

選択肢のダミーとして繰り返し登場します

★受電電力500kWという条件

区分内容
★自家用電気工作物★★高圧受電する需要家
★主任技術者★★選任又は外部委託が必要
★保安規程★★届出が必要

500kWは高圧受電の典型的な規模です——キュービクルで受電します。

この規模なら主遮断装置はCB形——図にVCBがあるのはそのためです。

単線結線図の主要記号

記号機器
★DS★★断路器
★VCB★★真空遮断器
★LBS★★高圧交流負荷開閉器
★LA★★避雷器
★SC★★高圧進相コンデンサ
★SR★★直列リアクトル

略号を覚えると図が一気に読めるようになります

SCには必ずSR(6%直列リアクトル)が組み合わされます——高調波対策です。

信号の流れをたどる

変成器つながる先
★ZCT★★地絡継電器→PASを開放
★CT★★過電流継電器→VCBを引き外す/電流計
★VT★★電圧計・周波数計
★VCT★★電力量計(取引用)

4種類の変成器がそれぞれ別の役割を持っています——混同しないことです。

「何のためにその信号が要るのか」で考えると迷いません

VCTと計量装置

機器役割
★VCT★★VTとCTを1つの箱に収めた計量用変成器
★電力量計(Wh)★★使用電力量を積算する
★最大需要電力計★★30分ごとの最大需要(デマンド)を記録する

VCTと電力量計は電力会社の所有物です——取引の証拠となる計量器だから。

封印がされており、需要家が触れることはできません——計量法に基づく管理です。

だから受電点の直後に設置されます

契約電力とデマンド

\text{契約電力} = \text{過去1年間の最大デマンド}
高圧受電の一般的な契約方式
★一度上げると1年間下がらない

30分間の平均電力の最大値で契約電力が決まります——一瞬のピークが1年間響くのです。

だからデマンド監視装置で警報を出し、超えそうなら負荷を落とします——デマンド制御

電気主任技術者の重要な業務のひとつです。

⏱️ 本番での進め方
ZCTは地絡検出、VCTは取引用計量——役割が違う。
② VCTにつながるのは電力量計(Wh)——電力計ではない。
③ 断路器を介して接地されるのは避雷器
④ CTから遮断器を引き外すのは過電流継電器

💡 覚え方
単線結線図=ZCT(零相変流器)はGR付PASの中で地絡を検出、VCT(計器用変圧変流器)は取引用の電力量計につながる、避雷器は断路器を介して接地される、CTから信号を受けて遮断器を引き外すのは過電流継電器(OCR)。

⚠️ よくある間違い
ZCTとVCTを取り違えない——地絡検出と取引計量。「電力計」ではなく電力量計——取引は積算値。「進相コンデンサ」は接地記号につながらない

まとめ

(ア)ZCT(GR付PASの零相検出)
(イ)電力量計(VCTから取引計量)
(ウ)避雷器(DSを介して接地)
(エ)過電流継電器(CTでVCB引き外し)
略号LA=避雷器, OCR=過電流継電器, VCT=計器用変圧変流器
答え(1)

▼あわせて解きたい関連問題
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