電技省令27【電験3種 法規】引張荷重・風速40m/s・気象・2分の1!令和5年度上期で再出題 令和1年度 A問題4 完全解説

電験3種 法規科目 電技省令 令和1年度 A問題4 支持物が倒れないために!風圧荷重の条件

今回は令和1年度 法規科目 A問題4支持物の倒壊の防止の空欄補充問題です。令和5年度上期 A問題5でそっくりそのまま再出題された、台風対策の観点からも重要な条文です。

4つの空欄はすべて条文の言葉。電線等による引張荷重10分間平均で風速40m/sの風圧荷重、気象の変化、そして人家が多く連なる場所では2分の1に緩和されます。

目次

令和1年度 法規科目 A問題4:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和1年度 A問題4 問題文
令和1年度 法規科目 A問題4 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和1年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題4

電験3種 法規科目 【電技省令】 令和1年度 A問題4

 次の文章は、「電気設備技術基準」に基づく支持物の倒壊の防止に関する記述の一部である。

 架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は、当該支線に係るものを含む。)は、その支持物が支持する電線等による(ア)、風速(イ)m/sの風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される(ウ)の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない。ただし、人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては、その施設場所を考慮して施設する場合は、風速(イ)m/sの風圧荷重の(エ)の風圧荷重を考慮して施設することができる。

 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)引張荷重60温度3分の2
(2)重量荷重60気象3分の2
(3)引張荷重40気象2分の1
(4)重量荷重60温度2分の1
(5)重量荷重40気象2分の1
答え(ア)引張荷重・(イ)40・(ウ)気象・(エ)2分の1 = (3)

答えは(3):引張荷重・40m/s・気象・2分の1

電気設備に関する技術基準を定める省令 第32条(支持物の倒壊の防止)

架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造は、その支持物が支持する電線等による引張荷重、風速40m/sの風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される気象の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない。ただし、人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては……風圧荷重の2分の1の風圧荷重を考慮して施設することができる。

台風対策の観点からも重要な条文です。

(ア)は「引張荷重」——電線は隣の電柱へ張られているので、横向きに引く力がかかります。

(イ)は「40」m/s・(ウ)は「気象」——10分間平均で40m/sです。

(エ)は「2分の1」——周囲の建物が風を遮るからです。

★倒壊させるのは横向きの力

向き倒壊への影響
★引張荷重★★横向き(電線が引く)★★大きい
★風圧荷重★★横向き(風が押す)★★大きい
★重量荷重★★真下向き★★小さい

電柱を倒すのは、横から加わる力です——真下向きの重さでは倒れません

電線が引く/風が押す——どちらも横向き——だから条文はこの2つを並べています

「重量荷重」を選ぶと、倒壊の原因を取り違えていることになります

★40m/sという風速

内容
★測り方★★10分間平均
★瞬間風速では★★もっと大きくなる
★対応する風圧★★解釈58条の甲種風圧荷重

10分間平均で40m/sというのは、かなりの暴風です——強い台風のレベルです。

瞬間風速ではない点が条文どおりです——60m/sはダミーになります。

解釈では、この40m/sを甲種風圧荷重として具体的な数値に落としています

★なぜ人家が多い場所は2分の1でよいのか

周囲に建物が建ち並んでいると、風が遮られます——電柱に当たる風が弱くなるのです。

だから同じ40m/sの風が吹いても、実際の風圧は小さくなります

この緩和は、解釈第58条の丙種風圧荷重の考え方に対応します——甲種の2分の1です。

「3分の2」ではありません——2分の1と覚えましょう

風圧荷重の種類

種類適用大きさ
★甲種★★高温季★★基準(40m/s相当)
★乙種★★低温季(氷雪が多い地方)★★甲種の1/2+着氷厚6mm
★丙種★★低温季(氷雪が少ない地方)・人家が多い場所★★甲種の1/2

季節と地域で使い分けます——技術基準の計算問題でよく出てきます

本条の2分の1は、丙種と同じ考え方です——省令と解釈がつながっているのが分かります。

「気象」という広い語

条文の言葉ダミー語違い
引張荷重★★引張荷重★重量荷重★★倒壊させるのは横向きの力
40m/s★★40m/s★60m/s★★10分間平均で40m/s
気象★★気象★温度★★着雪・着氷・風向なども含む

「温度」だけでは狭すぎます——着雪・着氷・風向・湿度なども考慮が必要です。

だから「気象の変化」という広い語が使われています——法令が広い語を選ぶときには理由があるのです。

支線も含まれる

条文の括弧書きに「支線を施設する場合は、当該支線に係るものを含む」とあります

支線は、電柱を反対側から引っぱって支える役割です——支線が切れれば電柱は倒れます

だから支線の強度も、支持物と一体で考えます——技術基準の計算では支線の張力がよく問われます

台風被害と条文

近年、台風による電柱の倒壊が相次いでいます——2019年の房総半島台風では、多数の電柱が倒れました

想定を超える風が吹いた、ということです——基準の見直しも議論されています

条文の数字は、現実の災害と直結しています——だから改正の可能性にも注意が要ります

支線が果たす役割

場面支線の働き
★電線路の末端★★片側からしか引かれないので支える
★角度のある場所★★2方向の張力の合力を受け止める
★長い径間の途中★★風による横向きの力を分担する

電柱は、両側から同じ力で引かれていればつり合います——片側だけだと倒れます

だから末端や曲がり角には支線が要ります——技術基準の計算で支線の張力を求める問題が定番です。

風圧荷重の求め方

\( P=q imes A \)
風圧荷重
風圧×受風面積
\( q=980\ \mathrm{Pa}\ ( ext{\text{甲種・電線}}) \)
甲種の風圧
★40m/s相当
\( A=d imes L \)
受風面積
電線の直径×長さ

電線1mあたりの風圧荷重は、直径に比例します——太い電線ほど風を受けるのです。

着氷雪があると直径が増えるので、乙種では加算します——厚さ6mmの氷雪を想定します。

倒壊すると何が起きるか

電柱が倒れれば、電線が地面に垂れ下がります——通行人が触れれば感電します。

道路をふさげば、交通障害にもなります——事故報告の対象にもなりえます。

だから倒壊防止は、電気設備の安全の要——省令に独立した条文が置かれている理由です。

電柱は、意外なほど大きな力を受けています——電線の張力だけで数kNに達することもあります

それに風圧が加わるのですから、設計は慎重にならざるを得ません

架空電車線路も対象

条文は「架空電線路又は架空電車線路」と書いています——鉄道の架線を支える柱も対象です。

倒れれば列車が止まり、社会への影響は大きい——だから同じ基準で守られています

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「引張荷重」——倒壊させるのは横向きの力。
② (イ)は40m/s(10分間平均)。60m/sはダミー。
③ (ウ)は「気象」。温度だけでは狭すぎる。
④ (エ)は2分の1——丙種風圧荷重と同じ考え方。

出題履歴——そのまま再出題された

年度問われ方正解番号
★令和1年度 問4★★本問★★(3)
★令和5年度上期 問5★★同一問題★★(3)

4年をおいて、正解番号まで同じで再出題されました

技術基準の計算では、この風圧荷重が具体的な数値になります——条文と計算をつなげて覚えましょう

💡 覚え方
電技32条=支持物は引張荷重+10分間平均で風速40m/sの風圧荷重+地理的条件・気象の変化・振動・衝撃を考慮して倒壊しないこと。人家が多く連なる場所は2分の1(=解釈の丙種風圧荷重の考え方)。

⚠️ よくある間違い
60m/s・3分の2・重量荷重・温度はすべてダミー。令和5年度上期A問題5と同一問題で正解も同じ(3)。

まとめ

(ア)引張荷重
(イ)40(m/s)
(ウ)気象(の変化)
(エ)2分の1
再出題令和5年度上期 A問題5と同一
答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(電技省令14):【法規】令和5年度上期 A問題5
・発電機等の機械的強度(電技省令46):【法規】平成19年度 A問題6

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