電気施設管理-計算21【電験3種 法規】6%直列リアクトルでコンデンサ端子電圧1/0.94倍!7021V・186kvar=(a)(5)(b)(3) 令和1年度 B問題12 完全解説

電験3種 法規科目 電気施設管理 令和1年度 B問題12 3度目の出題!コンデンサ端子電圧7021V

今回は令和1年度 法規科目 B問題12直列リアクトル付進相コンデンサ設備の端子電圧と容量を求める問題です。実はこの問題、令和6年度上期・令和5年度下期のB問題12とまったく同一——同じ問題が繰り返し出題される代表例です。

核心は「6%直列リアクトルでコンデンサ端子電圧・容量は1/(1−0.06)倍」。直列LCの分圧で線間電圧より高い電圧がコンデンサにかかります。数値も答えも過去の同一問題と全く同じです。

目次

答えは(a)7021V・(b)186kvar

直列リアクトル付進相コンデンサ設備

★直列リアクトル(+jX_L)とコンデンサ(−jX_C)の直列回路。/★合成リアクタンスは X_C − X_L = 0.94 X_C(X_L = 0.06 X_C のとき)。/★コンデンサ端子電圧 = 線間電圧 × X_C/(X_C−X_L) = 線間電圧 ÷ 0.94——線間電圧より高くなる。/★コンデンサ容量 = 設備容量 ÷ 0.94

★6%リアクトルなら「1/0.94倍」——この一言で両方解けます。

この問題は令和5年度下期・令和6年度上期のB問題12にも出題——3回出題された定番です。

令和1年度 法規科目 B問題12:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和1年度 B問題12 問題文
令和1年度 法規科目 B問題12 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和1年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題12

電験3種 法規科目 【電気施設管理】 令和1年度 B問題12

 三相3線式の高圧電路に300kW、遅れ力率0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備(直列リアクトル付)を接続して力率改善を行う。

(問題文と図は上の画像を参照してください。線間電圧6600V、X_L=0.06X_C。本問は令和6年度上期・令和5年度下期のB問題12と同一問題です。)

三相3線式の高圧電路に300kW、遅れ力率0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行う。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし、直列リアクトルSRのリアクタンスX_L[Ω]は、三相コンデンサSCのリアクタンスX_C[Ω]の6%とするとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし、高圧電路の線間電圧は6600Vとし、無効電力によって電圧は変動しないものとする。

(a) 進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサSCの端子電圧の値[V]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)6410 (2)6795 (3)6807 (4)6995 (5)7021 V

(b) 進相コンデンサ設備を負荷と並列に接続し、力率を遅れ0.6から遅れ0.8に改善した。このとき、この設備の三相コンデンサSCの容量の値[kvar]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)170 (2)180 (3)186 (4)192 (5)208 kvar

令和1年度 B問題12 進相コンデンサ設備
令和1年度 B問題12 進相コンデンサ設備
令和1年度 B問題12 進相コンデンサ設備
令和1年度 B問題12 進相コンデンサ設備
答え(a)6600/0.94≒7021V = (5)/(b)175/0.94≒186kvar = (3)

★★(a)なぜ端子電圧が上がるのか

Z = jX_L – jX_C = -j(X_C – X_L)
直列回路の合成リアクタンス
容量性(X_C>X_L)
I = \dfrac{V}{X_C – X_L}
流れる電流
V_C = I X_C = V \times \dfrac{X_C}{X_C – X_L}
★コンデンサの端子電圧
分圧の法則
V_C = 6600 \times \dfrac{X_C}{0.94 X_C} = \dfrac{6600}{0.94} \approx 7021\,\mathrm{[V]}
X_L=0.06X_Cを代入
(a)の答え

リアクトルとコンデンサは電圧の向きが逆です——だから打ち消し合う

合計が6600Vになるには、コンデンサ側がそれより大きい必要がある——7021Vです。

リアクトル側は7021−6600=421V——その差が線間電圧になります。

★★1/0.94倍という関係

\dfrac{1}{1 – 0.06} = \dfrac{1}{0.94} \approx 1.0638
★6%リアクトルの場合
約6.4%上昇する
\dfrac{1}{1 – 0.13} = \dfrac{1}{0.87} \approx 1.1494
13%リアクトルの場合
約15%上昇する

リアクトルの%が大きいほど、端子電圧の上昇も大きいのです。

だからコンデンサは線間電圧より高い定格電圧のものを選びます——6.6kV系なら7.2kV定格

この設計上の理由が、本問の実務的な意味です。

★(b)必要な設備容量を求める

Q_1 = P \tan\theta_1 = 300 \times \dfrac{0.8}{0.6} = 400\,\mathrm{[kvar]}
改善前の無効電力(力率0.6)
sinθ/cosθ=0.8/0.6
Q_2 = P \tan\theta_2 = 300 \times \dfrac{0.6}{0.8} = 225\,\mathrm{[kvar]}
改善後の無効電力(力率0.8)
Q_C = 400 – 225 = 175\,\mathrm{[kvar]}
★設備として必要な容量

力率改善に必要な無効電力は、改善前後の差です——Q₁−Q₂

力率0.6ならsinθ=0.8、力率0.8ならsinθ=0.6——3:4:5の直角三角形

175kvarが設備全体として供給すべき無効電力です。

★★コンデンサ単体の容量はさらに大きい

Q_{設備} = I^2 (X_C – X_L) = 175\,\mathrm{[kvar]}
設備全体の無効電力
リアクトルが一部を打ち消す
Q_C = I^2 X_C = \dfrac{Q_{設備}}{1 – 0.06} = \dfrac{175}{0.94} \approx 186\,\mathrm{[kvar]}
★コンデンサ単体の容量
(b)の答え

リアクトルが無効電力の6%を消費してしまいます——遅れ無効電力だから

だからコンデンサはその分だけ大きくする必要がある——175→186kvarです。

175kvar(選択肢にない)で止めないこと——設問は「三相コンデンサSCの容量」です。

★端子電圧と容量が同じ1/0.94倍

設備としてコンデンサ単体
★電圧★★6600V★★7021V(÷0.94)
★無効電力★★175kvar★★186kvar(÷0.94)

どちらも1/0.94倍——同じ係数です。

Q=V²/Xなので、電圧が上がれば無効電力も増える——関係しているのです。

この対応を覚えておくと計算が速くなります

★なぜ6%なのか(共振の防止)

n\omega L = \dfrac{1}{n\omega C} \Rightarrow n^2 = \dfrac{X_C}{X_L} = \dfrac{1}{0.06}
共振する次数
n = \sqrt{16.67} \approx 4.08
★共振点は約4.08次
第5調波より低い

共振点が第5調波より低いので、5次では誘導性になります——共振しない

これが6%という値の根拠です——最も多い第5調波を狙った設計

第3調波が多い系統では13%を使います——共振点は約2.77次

★3回出題された定番

年度問題番号内容
★令和元年度(本問)★★B問題12★★数値まで同一
★令和5年度下期★★B問題12★★同一
★令和6年度上期★★B問題12★★同一

6年で3回という高頻度です——B種接地の問題と並ぶ定番

ここを固めれば3回分の得点——優先度が高いのです。

直列リアクトルの役割

役割内容
★高調波の拡大防止★★系統との並列共振を避ける
★突入電流の抑制★★投入時の大電流を抑える
★波形ひずみの軽減★★電圧波形を改善する

3つの役割がありますが、主目的は共振の防止です。

リアクトルがないと、系統の高調波を吸い寄せて拡大してしまいます。

だから高圧進相コンデンサには必ず付けるのが基本です。

⏱️ 本番での進め方
① 6%リアクトルなら端子電圧・容量とも1/0.94倍
② 必要な無効電力=P(tanθ₁−tanθ₂)
③ コンデンサ単体の容量は設備容量÷0.94
④ 共振点は約4.08次——第5調波より低い。

💡 覚え方
直列リアクトル付進相コンデンサ=X_L=0.06X_Cのとき、コンデンサ端子電圧=線間電圧÷0.94(約6.4%高い)、コンデンサ容量=設備容量÷0.94。必要な設備容量はQ=P(tanθ₁−tanθ₂)。共振点は約4.08次で第5調波より低いため、第5調波に対して誘導性となり共振を防ぐ。

⚠️ よくある間違い
設備容量175kvarで止めない——コンデンサ単体は÷0.94で186kvar。端子電圧は線間電圧より高くなる——÷0.94。

まとめ

(a)端子電圧6600/0.94≒7021 V →(5)
負荷無効300×1.333=400 kvar
目標無効300×0.75=225 kvar
設備必要無効400−225=175 kvar
(b)SC容量175/0.94≒186 kvar →(3)
同一問題R06上・R05下 B問12

▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(電気施設管理-計算8):【法規】令和6年度上期 B問題12
・同一問題(電気施設管理-計算10):【法規】令和5年度下期 B問題12

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次