電気設備技術基準の解釈48【電験3種 法規】B種接地は混触・150V・600/I・1線地絡電流=(1) 平成30年度 A問題5 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 平成30年度 A問題5 B種接地抵抗は150÷I!遮断時間で600まで

今回は平成30年度 法規科目 A問題5接地工事の種類及び施工方法(電気設備技術基準の解釈第17条)に関する空欄補充問題です。B種接地工事の接地抵抗値の表の空欄を埋めます。

覚える骨格は「B種接地抵抗値=150/I(原則)、遮断1〜2秒で300/I、遮断1秒以下で600/I」。分子の150・300・600と、分母Iが1線地絡電流である点が核心です。

目次

答えは(1):混触・150・600・1線地絡

電気設備技術基準の解釈 第17条第2項(B種接地工事)

B種接地工事の接地抵抗値は、次の表に規定する値以下であること。/高圧側又は特別高圧側の電路と低圧側の電路との混触により、低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に自動的に高圧又は特別高圧の電路を遮断する装置を設ける場合の遮断時間ごとに——/下記以外の場合=150/IΩ/高圧又は35 000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合するもので、遮断時間1秒を超え2秒以下=300/IΩ/1秒以下=600/IΩ。(備考)Iは、当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線地絡電流(A)。

分子は150→300→600、分母は1線地絡電流です。

B種接地は「混触したときに低圧側の電位を上げない」ための接地——目的を知れば式の意味がわかります

平成30年度 法規科目 A問題5:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成30年度 A問題5 問題文
平成30年度 法規科目 A問題5 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成30年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題5

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成30年度 A問題5

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく接地工事の種類及び施工方法に関する記述である。B種接地工事の接地抵抗値は表に規定する値以下であること。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく接地工事の種類及び施工方法に関する記述である。B種接地工事の接地抵抗値は次の表に規定する値以下であること。

【表】接地工事を施す変圧器の種類:当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路と低圧側の電路との(ア)により、低圧電路の対地電圧が(イ)Vを超えた場合に、自動的に高圧又は特別高圧の電路を遮断する装置を設ける場合の遮断時間ごとに、接地抵抗値(Ω)を規定する。

・下記以外の場合 → (イ)/I ・高圧又は35000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合するもの:1秒を超え2秒以下 → 300/I/1秒以下 → (ウ)/I

(備考)I は、当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の(エ)電流(単位:A)。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)混触1506001線地絡
(2)接近200600許容
(3)混触2004001線地絡
(4)接近150400許容
(5)混触150400許容
答え(ア)混触・(イ)150・(ウ)600・(エ)1線地絡 = (1)

★150/I という式はどこから来るのか

V = I_g R_B
混触時に低圧側に現れる電位
1線地絡電流I_gがB種接地抵抗R_Bを流れて生じる電圧
V \leq 150 \Rightarrow R_B \leq \dfrac{150}{I_g}
対地電圧を150V以下に抑える条件
だから接地抵抗値の上限が150/Iとなる

オームの法則そのものです——覚える式ではなく、導ける式

150Vという値は、低圧電路の対地電圧の上限の考え方と同じ——住宅の143条でも出てきました

分母が1線地絡電流なのは、それが混触時に流れる電流だから——「許容電流」では意味が通りません

★なぜ300と600に緩和されるのか

遮断時間接地抵抗値許される対地電圧
★遮断装置なし★★150/I★★150V
★1秒超 2秒以下★★300/I★★300V
★1秒以下★★600/I★★600V

短い時間で切れるなら、高い電圧が出てもよい——危険は「電圧×時間」で決まるからです。

1秒以内に切れば600Vまで許される——感電の危険が持続しないからです。

150→300→600と倍々に増える——覚えやすい並びです。

★接地工事の4種類

種類対象接地抵抗値
★A種★★高圧・特別高圧機器の外箱、避雷器★★10Ω以下
★B種★★高圧/低圧を結合する変圧器の低圧側中性点★★150/300/600÷I
★C種★★300Vを超える低圧機器の外箱★★10Ω以下
★D種★★300V以下の低圧機器の外箱★★100Ω以下

B種だけが計算式で、他は固定値です——目的が違うから

A・C・Dは「触れた人を守る」、Bは「系統の電位を抑える」——この違いが式の有無に現れます

★C種・D種の緩和条件

条件接地抵抗値
★C種(原則)★★10Ω以下
★C種(0.5秒以内に自動遮断)★★500Ω以下
★D種(原則)★★100Ω以下
★D種(0.5秒以内に自動遮断)★★500Ω以下

ここでも「速く切れば緩められる」という発想です——B種の300/600と同じ考え方

0.5秒という数字はC種・D種、1秒・2秒はB種——混同しないことです。

1線地絡電流はどう決まるか

高圧配電線は非接地式なので、地絡電流は対地静電容量を通って流れます

線路が長いほど静電容量が大きく、地絡電流も大きくなります——数A程度が一般的です。

Iが小さければ、許される接地抵抗は大きくなる——式が示すとおりです。

混触とは何が起きることか

変圧器の高圧巻線と低圧巻線が、絶縁破壊で触れ合うことです

低圧側の電路に6 600Vが侵入します——家庭の配線に高圧が入るということです。

B種接地があれば、電流が大地へ流れて電位上昇が抑えられます——だから低圧側の中性点を接地するのです。

混触防止板という別の手段

条文の言葉ダミー語違い
B種接地★★B種接地★混触防止板★★電位上昇を抑える/そもそも触れさせない
低圧側中性点を接地★★低圧側中性点を接地★巻線間に金属板を入れA種接地★★対策の位置が違う

混触防止板は、1次巻線と2次巻線の間に入れる金属板です——水中照明(187条)でも出てきました

混触防止板を設けてA種接地をすれば、B種接地に代えられる場合があります

「防ぐ」と「備える」の2つの道——解釈はどちらも用意しています

B種接地線の太さ

接地工事接地線の太さ
★A種★★直径2.6mm以上の軟銅線
★B種(高圧と低圧を結合)★★直径4mm以上の軟銅線
★C種・D種★★直径1.6mm以上の軟銅線

B種はいちばん太い——混触時に大きな電流が流れるからです。

2.6/4/1.6という3つの値——まとめて覚えます

接地抵抗の測定

方法内容
★電位降下法(3極法)★★E-P-Cの3本の電極を一直線に配置して測る
★簡易測定(2極法)★★既知の接地極を利用する
★クランプ式★★接地線を挟むだけで測る(多点接地系で有効)

接地抵抗は季節で変動します——乾燥期は上がり、雨期は下がるのです。

だから最も条件の悪い時期でも規定値以下になるよう設計します

接地抵抗を下げる方法

方法内容
★接地極を深く打ち込む★★深部ほど土壌が湿っていて抵抗率が低い
★接地極を並列に増やす★★十分に離して打つと合成抵抗が下がる
★接地抵抗低減剤を使う★★接地極の周囲の土壌抵抗率を下げる
★メッシュ接地★★変電所等で網状に埋設して電位傾度を抑える

接地極を近づけて並列にしても、期待どおりには下がりません——互いの電位分布が重なるからです。

B種は規定値が計算で決まるので、地絡電流が大きい系統ほど低い抵抗が要求されます

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は混触——「接近」ではない。
② (イ)は150——原則150/I、150Vを超えたら遮断。
③ (ウ)は600——1秒以下なら600/I。150→300→600。
④ (エ)は1線地絡電流——「許容電流」ではない。

💡 覚え方
解釈17条2項 B種接地工事=接地抵抗値は原則150/I Ω。高圧又は35 000V以下の特別高圧と低圧を結合する変圧器で、混触により低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に自動遮断する装置があるとき、遮断時間1秒超2秒以下なら300/I、1秒以下なら600/I。Iは高圧側の1線地絡電流(A)。

⚠️ よくある間違い
(ア)は「接近」ではなく混触(エ)は「許容電流」ではなく1線地絡電流。分子は150→300→600(400ではない)。C種・D種の緩和は0.5秒、B種は1秒・2秒。

まとめ

(ア)高圧低圧の混触
原則の抵抗値150/I((イ)=150)
遮断1〜2秒300/I
遮断1秒以下600/I((ウ)=600)
(エ)分母I高圧側の1線地絡電流(A)
答え(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・接地工事の工事例(電気設備技術基準の解釈44):【法規】令和元年度 A問題6
・発電所等への取扱者以外の者の立入の禁止(電気設備技術基準の解釈49):【法規】平成30年度 A問題6

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