電気設備技術基準の解釈78【電験3種 法規】接地工事で誤りは特別高圧計器用変成器D種=(2) 平成24年度 A問題6 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 平成24年度 A問題6 特別高圧の変成器はA種!D種では誤り

今回は平成24年度 法規科目 A問題6接地工事に関する記述(電気設備技術基準の解釈第17・18・28条)に関する問題です。計器用変成器2次側の接地種別や接地抵抗値の緩和から、誤っているものを選びます。

ポイントは「計器用変成器の2次側接地は、高圧用がD種・特別高圧用がA種」。22kVは特別高圧なのでA種接地です。C種・D種の500Ω緩和や2Ω以下の接地極利用も押さえます。

目次

平成24年度 法規科目 A問題6:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成24年度 A問題6 問題文
平成24年度 法規科目 A問題6 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成24年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題6

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成24年度 A問題6

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、接地工事に関する記述である。誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)大地との間の電気抵抗値が2Ω以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施すA種接地工事又は非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事の接地極に使用することができる。
(2)22kV用計器用変成器の2次側電路には、D種接地工事を施さなければならない。
(3)A種接地工事又はB種接地工事に使用する接地線を、人が触れるおそれがある場所で、鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合は、接地線には絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)又は通信用ケーブル以外のケーブルを使用しなければならない。
(4)C種接地工事の接地抵抗値は、低圧電路において地絡を生じた場合に、0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500Ω以下であること。
(5)D種接地工事の接地抵抗値は、低圧電路において地絡を生じた場合に、0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500Ω以下であること。

答え誤りは(2)——22kV用は特別高圧なのでA種接地工事 = (2)

答えは(2):22kV用計器用変成器の2次側はA種

電気設備技術基準の解釈 第28条・第18条・第17条

第28条(計器用変成器の2次側電路の接地)高圧計器用変成器の2次側電路にはD種接地工事を、特別高圧計器用変成器の2次側電路にはA種接地工事を施すこと。/第18条(工作物の金属体を利用した接地工事)大地との間の電気抵抗値が以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施すA種接地工事又は非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事の接地極に使用できる。/第17条 C種・D種接地工事の接地抵抗値は、低圧電路において地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に遮断する装置を施設するときは500Ω以下であること。

★22kVは特別高圧(7 000V超)——だからA種です。

接地工事の条文が3つにまたがる横断型の設問です——17条・18条・28条

★計器用変成器の2次側は電圧階級で分かれる

1次側の電圧2次側電路の接地工事接地抵抗値
★高圧(600V超7 000V以下)★★D種★★100Ω以下
★特別高圧(7 000V超)★★A種★★10Ω以下

2次側はどちらも低圧(110V・5A)です——それでも接地の種別が変わります

混触したときに侵入する電圧が違うから——6 600Vと22 000Vでは危険度が桁違いです。

「2次側が低圧だからD種」と機械的に判断すると誤ります

★22kVは特別高圧

区分交流直流
★低圧★★600V以下★★750V以下
★高圧★★600V超 7 000V以下★★750V超 7 000V以下
★特別高圧★★7 000V超★★7 000V超

22 000Vは7 000Vを超えるので特別高圧です——電圧の種別が答えを決めます

設問は「22kV用」とわざわざ書いています——ここが判定の手がかりです。

6.6kVなら高圧なのでD種で正しい——数値ひとつで正誤が反転します

★2Ω以下の金属体を接地極に使う

項目内容
★対象★★大地との電気抵抗値が2Ω以下の建物の鉄骨その他の金属体
★使える接地工事★★非接地式高圧電路のA種、非接地式高圧電路と低圧を結合する変圧器のB種
★理由★★建物の鉄筋は大地と広く接し、抵抗が極めて低い

ビルの鉄骨・鉄筋は、基礎を通じて大地と広く接しています——専用の接地極より低い抵抗が得られるのです。

この2Ωという値は、IEC取り入れ(218条)の混用条件と同じ数字です。

令和7年度下期 A問題7でも2Ωが出てきました。条文どうしがつながっています

★C種・D種の500Ω緩和

接地工事原則0.5秒以内に自動遮断する装置がある場合
★C種★★10Ω以下★★500Ω以下
★D種★★100Ω以下★★500Ω以下

速く切れるなら、接地抵抗が高くてもよい——危険は「電圧×時間」で決まるからです。

C種もD種も緩和後は同じ500Ω——覚えやすいところです。

0.5秒という数値はC種・D種、B種の緩和は1秒・2秒——混同しないことです。

接地線の施設方法

条件使用する電線
★人が触れるおそれがある場所で金属体に沿わせる★★絶縁電線(OWを除く)又は通信用ケーブル以外のケーブル
★接地極の埋設深さ★★地下0.75m以上
★地表上の防護★★地表上0.6mまで合成樹脂管等で覆う

接地線に電流が流れると、電位が上がります——触れれば感電するので絶縁被覆が要るのです。

OW(屋外用ビニル絶縁電線)が除かれるのは、被覆が薄いからです。

接地線の太さ

接地工事接地線の太さ
★A種★★直径2.6mm以上の軟銅線
★B種(高圧と低圧を結合)★★直径4mm以上の軟銅線
★C種・D種★★直径1.6mm以上の軟銅線

B種がいちばん太い——混触時に大きな電流が流れるからです。

2.6/4/1.6という3つの値——まとめて覚えます

CTの2次側を開放してはいけない

変流器(CT)は、2次側を短絡に近い状態で使う機器です——開放すると鉄心が飽和します

2次巻線に数千Vの高電圧が誘起されます——絶縁破壊と感電の危険です。

だから点検時は必ず2次側を短絡してから外します——接地の話とあわせて、CTの安全の基本です。

接地の3つの目的

種類目的
★保安接地(A・C・D種)★★機器の外箱に触れた人を守る
★系統接地(B種・中性点接地)★★系統の電位を確定し、保護装置を動かす
★機能接地★★電子機器の基準電位を確保する

計器用変成器の2次側接地は、保安接地に当たります——計器に触れる人を守るのです。

目的が違えば、求められる接地抵抗値も違う——この整理が接地の理解の要です。

「誤っているものを選べ」の急所

本問は5つのうち4つが正しい記述です——1つだけ電圧の種別を取り違えています

数値(22kV)と種別(D種)の組合せを見る——片方だけでは判定できません

接地の問題では、必ず「対象の電圧」を確かめる——これが解答の型です。

接地工事を省略できる場合

条件省略の可否
★交流対地電圧150V以下の機械器具を乾燥した場所に施設★★D種を省略できる
★二重絶縁構造の機械器具★★省略できる
★絶縁変圧器(2次300V以下・容量3kVA以下)で2次側が非接地★★省略できる
★0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設★★省略できる

接地は目的であって手段ではありません——別の方法で安全が確保できれば省略できます

ただしA種・B種は省略できません——高圧の危険は他の手段で代替しにくいからです。

⏱️ 本番での進め方
① 計器用変成器の2次側は高圧D種・特別高圧A種
22kVは特別高圧(7 000V超)——だからA種。
2Ω以下の建物の鉄骨はA種・B種の接地極に使える。
④ C種・D種は0.5秒以内に自動遮断すれば500Ω以下

💡 覚え方
解釈28条=計器用変成器の2次側電路は、高圧用ならD種接地工事、特別高圧用ならA種接地工事。解釈18条=大地との電気抵抗値が2Ω以下の建物の鉄骨等は、非接地式高圧電路のA種・B種接地の接地極に使用できる。解釈17条=C種・D種は0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ω以下。

⚠️ よくある間違い
22kV用計器用変成器の2次側は「D種」ではなくA種——22kVは特別高圧。C種・D種の緩和は0.5秒、B種の緩和は1秒・2秒。

まとめ

(1)2Ω以下の鉄骨A/B種接地極に使用可→正しい
(2)22kV計器用変成器D種→A種が正で誤り
(3)接地線絶縁電線(OW除く)/ケーブル→正しい
(4)C種0.5秒自動遮断で500Ω以下→正しい
(5)D種0.5秒自動遮断で500Ω以下→正しい
答え(2)

▼あわせて解きたい関連問題
・接地工事の工事例(電気設備技術基準の解釈44):【法規】令和元年度 A問題6
・足場金具を地表上1.8m未満に施設できる場合(電気設備技術基準の解釈79):【法規】平成24年度 A問題7

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