今回は平成24年度 法規科目 A問題4、風車を支持する工作物の空欄補充問題です。13年後の令和7年度上期 A問題5でそのまま再出題されました(一般用電気工作物→小規模発電設備という用語だけ現行法に更新)。
荷重の並びを丸暗記しましょう。自重・積載荷重・積雪及び風圧、並びに地震その他の振動及び衝撃。そして支持工作物には取扱者以外の者が容易に「登る」ことができないよう措置します。
平成24年度 法規科目 A問題4:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成24年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題4
電験3種 法規科目 【風力設備技術基準】 平成24年度 A問題4
次の文章は、「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」における、風車を支持する工作物に関する記述である。
a. 風車を支持する工作物は、自重、積載荷重、(ア)及び風圧並びに地震その他の振動及び(イ)に対して構造上安全でなければならない。
b. 発電用風力設備が一般用電気工作物である場合には、風車を支持する工作物に取扱者以外の者が容易に(ウ)ことができないように適切な措置を講じること。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (1) 飛来物 衝撃 登る (2) 積雪 腐食 接近する (3) 飛来物 衝撃 接近する (4) 積雪 衝撃 登る (5) 飛来物 腐食 接近する

答えは(4):積雪・衝撃・登る
令和7年度上期 A問題5が同一問題です。そちらは荷重の中身を扱っています。
この記事は、用語がどう改正されたかを主軸にします。
★★13年ぶりの再出題と用語の改正
| 年度 | b号の主語 | 根拠 |
| ★平成24年度(本問) | ★★一般用電気工作物 | ★★出題当時の電気事業法 |
| ★令和7年度上期 | ★★小規模発電設備 | ★★令和5年3月施行の改正 |
問題文の語だけが現行法に更新され、答えは変わりません——(4)のままです。
古い過去問を解くときは、用語が現行と違う場合がある——意味を理解していれば対応できます。
逆に語だけを丸暗記していると、改正で戸惑うのです。
★一般用電気工作物と小規模発電設備
| 区分 | 内容 |
| ★一般用電気工作物 | ★★低圧受電の需要設備+小規模発電設備 |
| ★小規模発電設備 | ★★太陽電池50kW未満・風力20kW未満等 |
| ★小規模事業用電気工作物 | ★★太陽電池10〜50kW・風力20kW未満(令和5年新設) |
令和5年3月の改正で、小規模事業用電気工作物という区分が新設されました——再エネ設備の事故増加への対応です。
これにより基礎情報の届出や使用前自己確認が必要になりました。
風力20kW未満は小規模事業用電気工作物に該当します。
★荷重と外力を2グループで
| グループ | 内容 | ダミー |
| ★荷重 | ★★自重・積載荷重・積雪・風圧 | ★★飛来物 |
| ★外力 | ★★地震その他の振動・衝撃 | ★★腐食 |
「並びに」の前が荷重、後が外力です——条文の構造がそうなっています。
「飛来物」は常時作用する荷重ではないので条文にありません。
「腐食」は経年劣化であって、構造計算の外力ではありません。
★★なぜ「登る」を防ぐのか
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 容易に登ることができないように | ★★容易に登ることができないように | ★容易に接近できないように | ★★昇塔防止/立入防止 |
| はしごを外す・カバーを付ける | ★★はしごを外す・カバーを付ける | ★柵で囲う | ★★求められる措置が違う |
小型風車は住宅地や公園、学校に置かれることもあります——子どもがよじ登る危険です。
タワーにはしご状の構造があると、登れてしまう——墜落や感電につながります。
だから「接近」ではなく「登る」ことを防ぐ規定——柵まで求めていないのです。
解釈53条(架空電線路の支持物の昇塔防止)との共通性
| 条文 | 対象 | 措置 |
| ★解釈53条 | ★★架空電線路の支持物 | ★★足場金具は地表上1.8m以上 |
| ★風力省令7条b号 | ★★風車を支持する工作物(小規模) | ★★容易に登れないように措置 |
どちらも「第三者がよじ登るのを物理的に防ぐ」規定です——発想が共通しています。
表示や監視では代替できない——物理的な措置を求めているのです。
なぜ「積雪」が明記されるのか
| 立地 | 理由 |
| ★北海道・東北・北陸 | ★★風況がよく風力の主要立地 |
| ★同じ地域が豪雪地帯 | ★★冬季の積雪荷重が大きい |
風の強い地域と雪の多い地域が重なっています——日本海側の特徴です。
だから積雪を荷重として明記する必要があった——立地の実態を反映した条文です。
支持工作物の構造
| 部位 | 内容 |
| ★タワー | ★★鋼製の筒身が主流(高さ60〜100m以上) |
| ★基礎 | ★★鉄筋コンクリート製の大型基礎 |
| ★ナセル・ロータ | ★★数十トンの積載荷重となる |
細長いタワーの上に重量物を載せた構造です——倒立振子のような形。
だから転倒モーメントが大きく、基礎が巨大になるのです。
同じ条文が2回出た意味
風力の技術基準は10条程度しかありません——出題箇所が限られるのです。
だから同じ条文が繰り返し出ます——丸暗記の費用対効果が高い。
全文を読んでも10分かかりません——一度通しておくのが最善です。
「自重」と「積載荷重」を区別する
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 自重 | ★★自重 | ★積載荷重 | ★★構造物そのものの重さ/その上に載る物の重さ |
| タワーの鋼材 | ★★タワーの鋼材 | ★ナセル・ロータ・保守員 | ★★何の重さか |
自重は工作物そのものの重量です——タワーを構成する鋼材の重さ。
積載荷重はその上に載るものの重量——ナセルやロータ、点検に上がる作業員です。
建築基準法でも同じ区別が使われています——構造設計に共通する概念です。
風圧が支持工作物に与える力
★風速の2乗に比例
高さが直接効く
風圧力は風速の2乗に比例します——台風時は平常時の数十倍。
タワーが高いほど転倒モーメントが大きくなります——力×高さ。
だから基礎が巨大になる——数百m³のコンクリートを打ちます。
地震に対する検討
| 観点 | 内容 |
| ★水平力 | ★★ナセルの質量×水平震度 |
| ★高所の質量 | ★★慣性力が大きくなる(倒立振子) |
| ★風との組合せ | ★★通常は同時には考えない |
日本は地震国なので、地震荷重の検討が欠かせません——条文にも明記されています。
重いナセルが高所にあるため慣性力が大きい——設計上の難所です。
条文をまたいで同じ思想が流れている
解釈53条の昇塔防止も、風力省令7条b号も、第三者がよじ登るのを物理的に防ぐ規定です。
表示や監視では代替できない——物理的な措置を求める点も共通しています。
個別に暗記するより、思想でつなぐと忘れません。
⏱️ 本番での進め方
① 荷重は自重・積載荷重・積雪及び風圧——「飛来物」はない。
② 外力は地震その他の振動及び衝撃——「腐食」ではない。
③ 小規模発電設備は容易に「登る」ことができないように措置。
④ 「一般用電気工作物」は現行では「小規模発電設備」——答えは同じ。
💡 覚え方
発電用風力設備省令7条=風車を支持する工作物は、自重・積載荷重・積雪及び風圧並びに地震その他の振動及び衝撃に対して構造上安全でなければならない。小規模発電設備の場合は、取扱者以外の者が容易に登ることができないように適切な措置を講じる。
⚠️ よくある間違い
「飛来物」は条文にない——積雪。「腐食」ではなく衝撃。「接近する」ではなく登る。古い過去問の「一般用電気工作物」は現行の「小規模発電設備」。
まとめ
| (ア) | 積雪 |
| (イ) | 衝撃 |
| (ウ) | 登る |
| 再出題 | 令和7年度上期 A問題5と同一 |
| 答え | (4) |
▼あわせて解きたい関連問題
・同一問題(風力設備技術基準1):【法規】令和7年度上期 A問題5
・風車の施設(風力設備技術基準3):【法規】令和4年度上期 A問題8

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