今回は平成20年度 法規科目 A問題6、風車の施設に関する空欄補充問題です。令和4年度上期 A問題8と同じ条文で、抜かれる場所だけが違います。
5項目のうち3語が空欄。条文の決まり文句は「構造上安全であること」(「安定」ではありません)、損傷の原因は振動、そして他の工作物・植物等に接触しないこと。
平成20年度 法規科目 A問題6:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成20年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題6
電験3種 法規科目 【風力設備技術基準】 平成20年度 A問題6
次の文章は、「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」に規定されている風車に関する記述である。
風車は、次により施設しなければならない。
a. 負荷を遮断したときの最大速度に対し、(ア)であること。
b. 風圧に対して(ア)であること。
c. 運転中に風車に損傷を与えるような(イ)がないように施設すること。
d. 通常想定される最大風速においても取扱者の意図に反して風車が起動することのないように施設すること。
e. 運転中に他の工作物、植物等に(ウ)しないように施設すること。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(注)平成20年度は公式問題PDFが公表されていないため、条文と過去問データに基づいて問題文を再構成しています。
(ア) (イ) (ウ) (1) 安定 変形 影響 (2) 構造上安全 変形 接触 (3) 安定 振動 影響 (4) 構造上安全 振動 接触 (5) 安定 変形 接触

答えは(4):構造上安全・振動・接触
風力の技術基準は条文数が少ないので、丸暗記が最も効率的です——5項目を唱えられるようにします。
★「構造上安全」という決まり文句
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 構造上安全 | ★★構造上安全 | ★安定 | ★★部材が壊れないこと/姿勢やバランスの話 |
| 強度の要求 | ★★強度の要求 | ★位置の要求 | ★★何を求めているか |
技術基準で強度を求めるときは「構造上安全であること」です——統一された表現。
風車を支持する工作物(第7条)でも同じ言い回し——省令全体で一貫しています。
「安定」は姿勢の話であって、部材の強度を指しません——だから条文には使われないのです。
★なぜ「負荷を遮断したときの最大速度」なのか
風のエネルギーが加速に使われる
ブレードが破壊されるおそれ
負荷が切れると、風車は急激に加速します——これが飛散事故(オーバースピード)です。
遠心力は回転数の2乗に比例——2倍の回転数で4倍の力がかかります。
だからその最大速度に耐える構造が求められるのです。
★なぜ「振動」なのか
| 現象 | 内容 |
| ★共振 | ★★回転数とタワーの固有振動数が一致すると振幅が増大 |
| ★疲労破壊 | ★★繰り返し応力で材料が破断する |
| ★フラッタ | ★★ブレードの自励振動 |
「変形」は結果であって、損傷を与える原因ではありません——原因を指す語は振動です。
風車は細長いタワーの上に重い機械を載せた構造——振動しやすいのです。
共振域を避けて運転する制御が組み込まれています。
★なぜ「接触」なのか
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 接触しないように | ★★接触しないように | ★影響を及ぼさないように | ★★物理的にぶつからないこと/曖昧 |
| 技術基準として明確 | ★★技術基準として明確 | ★解釈の余地が大きい | ★★基準は明確でなければならない |
回転するブレードが樹木や建物にぶつかれば、破損して飛散します——周囲への重大な危険です。
「影響」では曖昧すぎて技術基準になりません——物理的にぶつからないことを明確に求めるのです。
条文の語は、判定できる明確さが要るのです。
d号「取扱者の意図に反して起動しない」
強風時に勝手に回り出すと、制御できないまま加速します——だから起動を防ぐのです。
ブレーキやピッチ制御で、停止状態を保ちます——台風時の対応です。
「通常想定される最大風速」——設計上の上限風速です。
風力設備の技術基準の構成
| 条 | 内容 |
| ★第1条 | ★★用語の定義 |
| ★第2条 | ★★取扱者以外の者に対する危険防止措置 |
| ★第3条 | ★★風車の安全な状態の確保 |
| ★第4条 | ★★風車(本問) |
| ★第5条 | ★★風車の安全な状態の確保 |
| ★第7条 | ★★風車を支持する工作物 |
全体で10条程度の短い省令です——だから丸暗記が効きます。
電技(電気設備)とは別の省令——発電用風力設備専用です。
風車の安全装置
| 装置 | 役割 |
| ★ピッチ制御 | ★★ブレードの角度を変えて回転数を調整・停止する |
| ★ストール制御 | ★★失速により回転数の上昇を抑える |
| ★機械ブレーキ | ★★非常時に強制的に停止させる |
| ★ヨー制御 | ★★ナセルの向きを変えて風を受け流す |
a号の「負荷を遮断したときの最大速度」に備えるのがこれらです。
複数の手段を組み合わせて安全を確保します——1つが故障しても止まるのです。
同じ条文が繰り返し出ている
| 年度 | 問われた空欄 |
| ★平成20年度 問6(本問) | ★★構造上安全・振動・接触 |
| ★令和4年度上期 問8 | ★★同じ条文の別の箇所 |
条文が短いので、抜かれる場所が変わるだけです——丸暗記すればどこでも答えられます。
風力の技術基準は毎年1問程度出題されます——費用対効果が高い分野です。
風力発電の普及と条文
再生可能エネルギーの拡大で、風力発電所が増えています——洋上風力も本格化しています。
それに伴い、技術基準の重要性も増しています——出題頻度も安定しています。
条文数が少ないので、確実に得点したい分野です。
風車の主要な構成
| 部位 | 役割 |
| ★ブレード(羽根) | ★★風のエネルギーを回転力に変える |
| ★ロータ | ★★ブレードを取り付けるハブと軸 |
| ★ナセル | ★★発電機・増速機を収める筐体 |
| ★タワー | ★★ナセルを支持する構造物(第7条の対象) |
第4条は「風車」、第7条は「風車を支持する工作物」です——条文が分かれています。
回転する部分が4条、支える部分が7条——役割で分けて覚えます。
a号とb号の違い
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 負荷を遮断したときの最大速度 | ★★負荷を遮断したときの最大速度 | ★風圧 | ★★回転による遠心力/風による曲げ・押し |
| 運転状態の異常 | ★★運転状態の異常 | ★外部からの力 | ★★何に対する安全か |
a号は回転が暴走したときの遠心力に対する強度です——内部の要因。
b号は風が直接与える力に対する強度——外部の要因です。
2つの異なる危険に、それぞれ「構造上安全」を求めています。
風車の出力と風速
★風速の3乗に比例する
だから強風時の制御が重要
風速の3乗に比例するので、強風時の負荷は急激に増えます——だから安全装置が要るのです。
定格風速を超えると、出力を一定に抑える制御に入ります——ピッチ制御など。
カットアウト風速(25m/s程度)を超えると停止します。
第2条・第3条との関係
| 条 | 内容 |
| ★第2条 | ★★取扱者以外の者に対する危険防止措置 |
| ★第3条 | ★★風車(安全な状態の確保) |
| ★第4条(本問) | ★★風車の施設5項目 |
短い省令のなかで、風車に関する条が複数あります——それぞれ観点が違うのです。
全文を通して読んでおくのが最も確実——10分もかかりません。
⏱️ 本番での進め方
① 強度の要求は「構造上安全」——「安定」ではない。
② 損傷の原因は「振動」——「変形」は結果。
③ 他の工作物・植物等には「接触」しない——「影響」ではない。
④ 5項目を唱えられるようにする。
💡 覚え方
発電用風力設備省令4条 風車=a負荷を遮断したときの最大速度に対し構造上安全 b風圧に対して構造上安全 c運転中に損傷を与えるような振動がないように施設 d通常想定される最大風速でも取扱者の意図に反して起動しない e運転中に他の工作物、植物等に接触しないように施設。
⚠️ よくある間違い
「安定」ではなく構造上安全。「変形」ではなく振動。「影響」ではなく接触。
まとめ
| (ア) | 構造上安全 |
| (イ) | 振動 |
| (ウ) | 接触 |
| 他の項目 | 負荷遮断時の最大速度/意図に反する起動の防止 |
| 答え | (4) |
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