今回は平成22年度 法規科目 A問題6、低圧屋内幹線の施設(電気設備技術基準の解釈第148条)に関する空欄補充問題です。低圧屋内幹線の電源側に施設する過電流遮断器を省略できる条件が問われます。
覚える骨格は「許容電流が定格の55%以上」「長さ8m以下で定格の35%以上」「長さ3m以下で負荷側に接続なし」。55%・35%と8m・3mの組合せがカギです(平成29年度 問7と同じ数値)。
平成22年度 法規科目 A問題6:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成22年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題6
電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成22年度 A問題6
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における、低圧屋内幹線の施設に関する記述の一部である。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における、低圧屋内幹線の施設に関する記述の一部である。低圧屋内幹線の電源側電路には、当該低圧屋内幹線を保護する過電流遮断器を施設すること。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
a.低圧屋内幹線の許容電流が当該低圧屋内幹線の電源側に接続する他の低圧屋内幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の(ア)%以上である場合
b.過電流遮断器に直接接続する低圧屋内幹線又は上記aに掲げる低圧屋内幹線に接続する長さ(イ)m以下の低圧屋内幹線であって、当該低圧屋内幹線の許容電流が当該低圧屋内幹線の電源側に接続する他の低圧屋内幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の(ウ)%以上である場合
c.過電流遮断器に直接接続する低圧屋内幹線又は上記a若しくは上記bに掲げる低圧屋内幹線に接続する長さ(エ)m以下の低圧屋内幹線であって、当該低圧屋内幹線の負荷側に他の低圧屋内幹線を接続しない場合
(ア) (イ) (ウ) (エ) (1) 50 7 33 3 (2) 50 6 33 4 (3) 55 8 35 3 (4) 55 8 35 4 (5) 55 7 35 5

答えは(3):55%・8m・35%・3m
短くなるほど条件がゆるくなるのがこの規定の骨格です——短ければ事故のリスクも小さいからです。
★なぜ短いほど緩くなるのか
| 条件 | 長さ | 許容電流の下限 |
| ★a | ★★制限なし | ★★定格の55%以上 |
| ★b | ★★8m以下 | ★★定格の35%以上 |
| ★c | ★★3m以下 | ★★制限なし(負荷側に幹線を接続しないこと) |
電線が短ければ、事故が起きる確率そのものが小さい——損傷を受ける区間が短いからです。
長さと許容電流のどちらかで安全を担保する——この交換関係が数値の意味です。
55→35→制限なしと緩んでいく順序で覚えます。
★数字の覚え方
| 語呂 | 内容 |
| ★ゴーゴー | ★★55%(長さ制限なし) |
| ★ハチサンゴ | ★★8m・35% |
| ★サン | ★★3m(負荷側に接続なし) |
「50%」「7m」「33%」といったダミーが並びます——1つでも違えば選べません。
4つの数値を1セットで暗記するのが結局いちばん速いのです。
★幹線と分岐回路はどう違うのか
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 幹線(148条) | ★★幹線(148条) | ★分岐回路(149条) | ★★引込口から分電盤まで/分電盤から負荷まで |
| 55%・8m35%・3m | ★★55%・8m35%・3m | ★35%・8m55%・3m | ★★数値が入れ替わっているので要注意 |
分岐回路の解釈149条では、3m以下/8m以下で35%以上/制限なしで55%以上という規定があります。
同じ数字が別の並びで出てくるので、混同が起きます——「幹線か分岐か」を最初に見分けることが大切です。
平成29年度 A問題7も同じ低圧幹線の規定を扱っています。
★許容電流と定格電流の関係
許容電流が定格の55%以上あれば省略できる
短いので基準が55%から35%に緩む
例えば電源側の遮断器が100Aなら、条件aでは55A以上、条件bでは35A以上の許容電流が必要です。
数値を具体的に置いてみると、条文の意味がつかめます。
なぜ過電流遮断器が必要なのか
幹線が細くなる箇所では、電源側の遮断器では守れません——細い電線の許容電流より、遮断器の定格が大きいからです。
過電流が流れても遮断器が動かず、電線だけが焼ける——これが保護協調の失敗です。
だから細くなる箇所ごとに、それに合った遮断器を置きます——148条の原則の意味です。
低圧幹線の許容電流の決め方
| 負荷の内訳 | 幹線の許容電流 |
| ★電動機等の定格電流の合計 ≦ その他の合計 | ★★両者の合計以上 |
| ★電動機等の合計 > その他、かつ50A以下 | ★★電動機等の合計×1.25+その他 |
| ★電動機等の合計 > その他、かつ50A超 | ★★電動機等の合計×1.1+その他 |
電動機は始動電流が大きいので、余裕を見ます——1.25倍・1.1倍という係数の理由です。
B問題の計算でこの表がそのまま使われます——148条は暗記だけでなく計算の道具でもあります。
過電流遮断器の定格電流の上限
幹線を保護する過電流遮断器の定格電流は、その幹線の許容電流以下が原則です。
ただし電動機等がある場合は、定格電流の合計の3倍+その他の合計(最大2.5倍まで)という緩和があります。
始動電流で遮断器が落ちては使い物にならない——実用のための例外です。
「負荷側に他の低圧屋内幹線を接続しない」の意味
条件cは、そこから先に分岐がないことを求めます——末端であることが条件です。
分岐があると、そこから先の電流が読めなくなります——3mという短さだけでは守れないのです。
長さと構成の両方で安全を確かめる——条文の細かさには理由があります。
配線用遮断器とヒューズ
| 配線用遮断器 | ヒューズ | |
| ★動作 | ★★機械的に遮断し再投入できる | ★★溶断するので交換が必要 |
| ★遮断時間 | ★★やや遅い | ★★大電流では極めて速い |
| ★用途 | ★★屋内配線の主流 | ★★高圧・限流用途 |
低圧屋内配線では配線用遮断器が主流です——復旧が容易だからです。
どちらも「過電流遮断器」に当たります——条文は装置の種類を限定していません。
低圧分岐回路の施設(解釈第149条)
| 分岐点からの長さ | 許容電流の条件 |
| ★3m以下 | ★★制限なし |
| ★8m以下 | ★★幹線の過電流遮断器の定格電流の35%以上 |
| ★8m超 | ★★同55%以上 |
幹線(148条)とよく似た構造ですが、並びが違います——3m以下が無条件、8m以下が35%、それ以上が55%。
分岐回路には原則として分岐点に過電流遮断器を施設します——この表はその省略条件です。
「幹線か分岐か」を読み分けてから数値を当てはめる——ここを取り違える受験者が非常に多いのです。
分岐回路の種類と電線の太さ
| 分岐回路 | 電線の太さ | コンセント |
| ★15A | ★★直径1.6mm以上 | ★★15A以下 |
| ★20A(配線用遮断器) | ★★直径1.6mm以上 | ★★20A以下 |
| ★30A | ★★直径2.6mm以上 | ★★20A以上30A以下 |
| ★40A | ★★断面積8mm²以上 | ★★30A以上40A以下 |
遮断器の定格に見合った太さの電線を使う——細ければ遮断器が動く前に電線が焼けます。
コンセントの定格も揃える——大きな負荷を細い回路につながせないためです。
⏱️ 本番での進め方
① 条件a=55%以上(長さ制限なし)。
② 条件b=8m以下かつ35%以上。
③ 条件c=3m以下かつ負荷側に幹線を接続しない。
④ 短いほど条件がゆるむ——この向きを覚えれば数値も整理できる。
💡 覚え方
解釈148条=低圧屋内幹線の電源側には過電流遮断器を施設する。ただし①許容電流が電源側遮断器の定格電流の55%以上 ②長さ8m以下でかつ35%以上 ③長さ3m以下でかつ負荷側に他の低圧屋内幹線を接続しない——のいずれかなら省略できる。
⚠️ よくある間違い
「50%」ではなく55%、「7m」ではなく8m、「33%」ではなく35%。分岐回路(149条)の数値と混同しないこと。
まとめ
| a | 許容電流が定格の55%以上 |
| b長さ(イ) | 8m以下 |
| b割合(ウ) | 定格の35%以上 |
| c長さ(エ) | 3m以下 |
| cの条件 | 負荷側に他の幹線を接続しない |
| 答え | (3) |
▼あわせて解きたい関連問題
・低圧幹線の施設(電気設備技術基準の解釈54):【法規】平成29年度 A問題7
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