今回は平成22年度 法規科目 B問題13、特別高圧架空電線路の風圧荷重を求める問題です。19本より線の外径と地方区分の読み取りという2つの落とし穴があります。
1つ目は19本より線の外径=素線直径×5(7本なら×3)。2つ目は地方区分で、本問は「海岸地その他の低温季に最大風圧を生ずる地方以外」——つまり低温季は乙種のみで、甲種と比べる必要はありません。
答えは(a)15.7N・(b)13.7N
19本より線の外径と、地方区分の読み取り——2つの落とし穴があります。
平成22年度 法規科目 B問題13:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成22年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題13
電験3種 法規科目 【技術基準の計算】 平成22年度 B問題13
氷雪の多い地方のうち、海岸地その他の低温季に最大風圧を生ずる地方以外の地方において、電線に断面積150mm²(19本/3.2mm)の硬銅より線を使用する特別高圧架空電線路がある。この電線1条、長さ1m当たりに加わる水平風圧荷重について、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、次の(a)及び(b)に答えよ。
ただし、電線は図のようなより線構成とする。
(a) 高温季における風圧荷重[N]の値として、最も近いのは次のうちどれか。
(1)6.8 (2)7.8 (3)9.4 (4)10.6 (5)15.7 N
(b) 低温季における風圧荷重[N]の値として、最も近いのは次のうちどれか。
(1)12.6 (2)13.7 (3)18.5 (4)21.6 (5)27.4 N



★★19本より線の外径は素線の5倍
| より線の構成 | 外径 | 層の数 |
| ★7本より(1+6) | ★★素線径×3 | ★★1層 |
| ★19本より(1+6+12) | ★★素線径×5 | ★★2層 |
| ★37本より(1+6+12+18) | ★★素線径×7 | ★★3層 |
断面の中心を通る直線上に5本並ぶ
層が1つ増えるごとに、直径は素線2本分増えます——3→5→7という奇数倍。
「19本だから19倍」ではありません——図を描けば一目瞭然です。
硬銅より線(裸線)なので絶縁体の厚さは加えません——断面積150mm²も使いません。
★★「以外」の2文字を読む
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 海岸地その他の低温季に最大風圧を生ずる地方 | ★★海岸地その他の低温季に最大風圧を生ずる地方 | ★同・以外の地方 | ★★低温季は「甲種と乙種の大きいほう」/「乙種」のみ |
| 両方計算する | ★★両方計算する | ★乙種だけ計算する | ★★手順が違う |
本問は「海岸地その他の低温季に最大風圧を生ずる地方以外」——つまり「その他の氷雪の多い地方」です。
この区分では低温季は乙種のみ——甲種と比べる必要はありません。
平成30年度B問題11などと混同すると誤答します——問題文の地方の記述を必ず確認します。
★(a)高温季=甲種風圧荷重
外径16mm=0.016m
(a)の答え
特別高圧架空電線路でも、電線の甲種風圧荷重は980Paです——電線の種類では変わりません。
mmをmに直すことを忘れないことです。
★(b)低温季=乙種風圧荷重
★両側なので×2
圧力は甲種の1/2
計算どおり13.7N——選択肢(2)です。氷雪の厚さ6mmが直径では12mm増える点と、圧力が甲種の半分になる点を両方とも入れれば、そのまま答えになります。
過去問の公式解答に従うこと——大切なのは手順の理解です。
甲種>乙種でも、この区分では乙種を採る——それが「以外」の意味です。
風圧荷重の適用ルールを表で
| 地方 | 高温季 | 低温季 |
| ★氷雪の多い地方以外 | ★★甲種 | ★★丙種 |
| ★氷雪の多い地方(海岸地等) | ★★甲種 | ★★甲種と乙種のいずれか大きいもの |
| ★その他の氷雪の多い地方(本問) | ★★甲種 | ★★乙種 |
3パターンを表で覚えます——どれに当たるかを問題文から判定します。
高温季はどの区分でも甲種——違うのは低温季だけです。
なぜ地方で区分するのか
| 地方 | 最も厳しい条件 |
| ★太平洋側の平野部 | ★★夏〜秋の台風(甲種) |
| ★日本海側の内陸 | ★★冬の着氷雪(乙種) |
| ★日本海側の海岸地 | ★★冬の季節風+着氷雪(甲種と乙種の大きいほう) |
日本の気候の多様性を反映した区分です——地域ごとに最も厳しい条件が違うのです。
海岸地は冬の季節風が強く、着氷雪もある——だから両方を比べるのです。
硬銅より線と裸線
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 硬銅より線(裸線) | ★★硬銅より線(裸線) | ★絶縁電線 | ★★絶縁体の厚さを加えない/加える |
| 外径=素線径×5 | ★★外径=素線径×5 | ★外径=素線径×5+厚さ×2 | ★★計算が1段階違う |
本問は硬銅より線なので、より線の外径がそのまま仕上り外径です。
絶縁電線なら、さらに絶縁体の厚さを両側に加えます——平成26年度B問題11がその型です。
問題文の電線の種類を確認する——裸線か絶縁電線か。
計算の手順をまとめる
| 手順 | やること | 落とし穴 |
| ★① | ★★より線の外径=素線径×(3/5/7) | ★★本数を掛けない |
| ★② | ★★絶縁電線なら厚さ×2を加える | ★★裸線なら不要 |
| ★③ | ★★地方区分を判定する | ★★★「以外」を読み落とさない |
| ★④ | ★★該当する風圧荷重を計算する | ★★氷雪も両側×2 |
③の地方区分が全体を左右します——まず問題文を精読します。
特別高圧架空電線路の風圧荷重
| 構成材 | 甲種風圧荷重 |
| ★電線その他の架渉線 | ★★980Pa |
| ★多導体(構成する電線が2条ごとに水平配列) | ★★880Pa |
| ★鉄塔(鋼管製・単柱を除く) | ★★1 255Pa |
多導体は後方の電線が風下に入るので、圧力がやや小さいのです——880Pa。
本問は単導体なので980Pa——特別高圧でも電線の圧力は同じです。
より線の構造
| 層 | 本数 | 累計 |
| ★中心 | ★★1本 | ★★1本 |
| ★第1層 | ★★6本 | ★★7本 |
| ★第2層 | ★★12本 | ★★19本 |
| ★第3層 | ★★18本 | ★★37本 |
各層は6の倍数で増えます——6、12、18…。
層が1つ増えるごとに直径は素線2本分増える——だから3→5→7です。
⏱️ 本番での進め方
① 19本より線の外径=素線直径×5(7本なら×3、37本なら×7)。
② 「以外」なら低温季は乙種のみ——甲種と比べない。
③ 高温季はどの区分でも甲種。
④ 硬銅より線(裸線)は絶縁体の厚さを加えない。
💡 覚え方
より線の外径=7本より線は素線径×3、19本より線は×5、37本より線は×7。風圧荷重の適用は①氷雪の多い地方以外=高温季甲種・低温季丙種 ②氷雪の多い地方のうち海岸地等=高温季甲種・低温季は甲種と乙種の大きいほう ③その他の氷雪の多い地方=高温季甲種・低温季乙種。
⚠️ よくある間違い
19本より線の外径を「19倍」にしない——5倍。「以外」の地方では低温季は乙種のみ——甲種と比べる必要はない。
まとめ
| より線の外径 | 3.2×5=16.0 mm(19本より線) |
| 地方区分 | 海岸地等「以外」の氷雪地方 → 低温季は乙種 |
| (a)高温季(甲種) | 980×0.016×1=15.68≒15.7 N →(5) |
| (b)低温季(乙種) | 490×0.028×1=13.72≒13.7 N →(2) |
| 参考 | 外径16mm>12mmなので乙種<甲種 |
▼あわせて解きたい関連問題
・より線の外径と風圧荷重(技術基準の計算18):【法規】平成26年度 B問題11
・風圧荷重の適用(技術基準の計算8):【法規】令和5年度上期 B問題13

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