今回は平成18年度 法規科目 A問題7、住宅の屋内電路の対地電圧の制限(電気設備技術基準の解釈第143条)に関する空欄補充問題です。原則150V以下を超えて施設できる例外条件が問われます。
覚える骨格は「住宅の屋内電路は原則150V以下」「定格消費電力2kW以上の機器は300V以下まで可(専用の開閉器+過電流遮断器・地絡遮断装置)」。2kW・300V・開閉器・地絡がキーです。
答えは(4):2kW・300V・開閉器・地絡
原則150V以下、例外は2kW以上の機器に限って300V以下——4つの条件をすべて満たす必要があります。
平成18年度 法規科目 A問題7:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題7
電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成18年度 A問題7
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく住宅の屋内電路の対地電圧の制限に関する記述の一部である。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく住宅の屋内電路の対地電圧の制限に関する記述の一部である。住宅の屋内電路の対地電圧は、150V以下であること。ただし、定格消費電力が(ア)kW以上の電気機械器具及びこれに電気を供給する屋内配線を次により施設する場合は、この限りでない。
・電気機械器具の使用電圧及びこれに電気を供給する屋内配線の対地電圧は、(イ)V以下であること。
・電気機械器具に電気を供給する電路には、専用の(ウ)及び過電流遮断器を施設すること。
・電気機械器具に電気を供給する電路には、電路に(エ)が生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (1) 1 200 コンセント 地絡 (2) 1 200 開閉器 過負荷 (3) 1 300 開閉器 過負荷 (4) 2 300 開閉器 地絡 (5) 2 300 コンセント 過負荷

★なぜ住宅だけ150V以下なのか
| 場所 | 対地電圧の制限 |
| ★住宅の屋内電路 | ★★150V以下(原則) |
| ★住宅以外の場所の屋内電路 | ★★300V以下 |
住宅には子どもも高齢者もいます——電気の知識がない人が日常的に触る場所です。
裸足で水回りを使うことも多い——感電時の危険が大きいのです。
だから他の場所より厳しい150V以下にしています。
★なぜ2kW以上なのか
分岐回路の定格20Aをちょうど使い切ってしまう
電流が半分になり、電線も細くて済む
2kWを超えると、100Vでは電流が大きくなりすぎます——電圧を上げるほうが合理的です。
電流が半分になれば、電圧降下も損失も4分の1——P=I²Rだからです。
だから2kWが例外を認める境目になっています。
★4つの条件をすべて満たす
| 条件 | 内容 | 狙い |
| ★① 対地電圧300V以下 | ★★単相200V(対地200V)まで | ★★上限を定める |
| ★② 直接接続 | ★★コンセントを介さない | ★★別の機器を挿させない |
| ★③ 専用の開閉器・過電流遮断器 | ★★その機器だけの回路にする | ★★他の負荷と混ぜない |
| ★④ 地絡遮断装置 | ★★漏電時に自動遮断 | ★★感電・火災を防ぐ |
「かつ」でつながれた条件——1つでも欠ければ例外は認められません。
設問はこのうち2つを空欄にしています——4つ全部を覚えておく必要があります。
★なぜ「直接接続」なのか
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 屋内配線と直接接続する | ★★屋内配線と直接接続する | ★コンセントで接続する | ★★コンセントだと別の機器を挿せてしまう |
| 2kW以上の専用機器 | ★★2kW以上の専用機器 | ★任意の機器 | ★★対地200Vに一般の機器をつなぐのは危険 |
コンセントがあれば、誰かが別の機器を挿します——100V用の機器を挿せば壊れます。
直接接続なら、その機器専用であることが物理的に保証されます——選択肢の「コンセント」は誤りです。
200Vエアコンが壁に直付けされているのは、この条文です。
(エ)が「地絡」である理由
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 地絡が生じたときに自動遮断 | ★★地絡が生じたときに自動遮断 | ★過負荷が生じたときに自動遮断 | ★★過負荷は過電流遮断器が担当済み |
| 地絡遮断装置(漏電遮断器) | ★★地絡遮断装置(漏電遮断器) | ★過電流遮断器 | ★★検出する量が違う |
過電流遮断器は既に③で要求されています——④で重ねて求める意味がありません。
④は別の危険=地絡(漏電)への備え——条文の構造から答えが決まります。
単相3線式と対地電圧
| 方式 | 線間電圧 | 対地電圧 |
| ★単相2線式100V | ★★100V | ★★100V |
| ★単相3線式100/200V | ★★100V/200V | ★★100V(中性線接地のため) |
| ★三相3線式200V(非接地) | ★★200V | ★★200V |
単相3線式の200Vは、対地電圧は100Vのままです——中性線が接地されているから。
だから住宅の200Vエアコンは、実は原則の150V以下を満たします——例外規定が問題になるのは三相200V等です。
「線間電圧」と「対地電圧」の違いが効く場面です。
条文が想定する機器
| 機器 | 定格消費電力の目安 |
| ★IHクッキングヒーター | ★★4〜6kW |
| ★エアコン(大型) | ★★2〜4kW |
| ★電気温水器・エコキュート | ★★1〜5kW |
| ★食器洗い乾燥機 | ★★1〜1.5kW |
大電力の家電が増えたことで、この規定の出番が増えました——オール電化住宅では必須です。
身近な設備の背景に条文がある——実感を持って覚えられます。
簡易接触防護措置も必要
解釈143条は、屋内配線に簡易接触防護措置を施すことも求めます——床上1.8m以上等。
対地電圧が高い配線に、人が触れないようにする——接触防護措置の定義(1条)が効く場面です。
条文どうしが定義でつながっています。
分岐回路の種類と使える機器
| 分岐回路 | 電線の太さ | コンセントの定格 |
| ★15A | ★★直径1.6mm以上 | ★★15A以下 |
| ★20A(配線用遮断器) | ★★直径1.6mm以上 | ★★20A以下 |
| ★30A | ★★直径2.6mm以上 | ★★20A以上30A以下 |
2kWの機器を100Vで使うと20A——一般的な分岐回路をちょうど使い切ります。
だからそれ以上は200Vにする——143条の例外が2kWで区切られる実務上の理由です。
⏱️ 本番での進め方
① (ア)は2kW以上——1kWではない。
② (イ)は300V以下——200Vではない。
③ (ウ)は開閉器——「コンセント」ではない。直接接続が原則。
④ (エ)は地絡——過負荷は過電流遮断器が担当済み。
💡 覚え方
解釈143条=住宅の屋内電路の対地電圧は150V以下。ただし定格消費電力2kW以上の電気機械器具は①対地電圧300V以下 ②屋内配線と直接接続 ③専用の開閉器及び過電流遮断器 ④地絡遮断装置——を満たせば施設できる。住宅以外の屋内電路は300V以下。
⚠️ よくある間違い
(ア)は「1kW」ではなく2kW。(イ)は「200V」ではなく300V。(ウ)は「コンセント」ではなく開閉器——機器は屋内配線と直接接続する。(エ)は「過負荷」ではなく地絡。
まとめ
| 原則 | 住宅の屋内電路は対地電圧150V以下 |
| (ア)例外機器 | 定格消費電力2kW以上 |
| (イ)対地電圧 | 300V以下 |
| (ウ)電路保護 | 専用の開閉器+過電流遮断器 |
| (エ)自動遮断 | 地絡が生じたとき遮断 |
| 答え | (4) |
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