今回は平成18年度 法規科目 A問題8、高圧屋内配線等の施設(電気設備技術基準の解釈第168条)に関する空欄補充問題です。がいし引き工事の電線支持点間距離と、ケーブル工事の金属体の接地工事の種類が問われます。
覚える骨格は「がいし引き工事の支持点間は6m以下(造営材の面に沿う場合2m以下)」「ケーブル工事の防護装置金属部・金属体はA種接地(接触防護措置を施す場合D種)」。6m・2m・A種・D種がキーです。
平成18年度 法規科目 A問題8:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題8
電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成18年度 A問題8
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋内配線等の施設に関する記述の一部である。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋内配線等の施設に関する記述の一部である。高圧屋内配線は、がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る。)又はケーブル工事により施設すること。
・がいし引き工事による場合、電線の支持点間の距離は(ア)m以下であること。ただし、電線を造営材の面に沿って取り付ける場合は、(イ)m以下であること。
・ケーブル工事による場合、管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、(ウ)接地工事を施すこと。ただし、接触防護措置を施す場合は、(エ)接地工事によることができる。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (1) 3 1 A種 C種 (2) 3 1 A種 D種 (3) 3 2 B種 D種 (4) 6 2 A種 D種 (5) 6 2 B種 C種

答えは(4):6m・2m・A種・D種
屋側電線路(111条)と対になる条文——接地の規定は同じ形です。
★支持点間6mと2mの使い分け
| 取り付け方 | 支持点間距離 | 理由 |
| ★造営材の面に沿わない(がいしで空中に張る) | ★★6m以下 | ★★張力で電線が安定している |
| ★造営材の面に沿って取り付ける | ★★2m以下 | ★★面に接すると動きやすく、被覆が擦れる |
空中に張るほうが長くてよい——直感と逆に感じるかもしれません。
面に沿わせると、振動や熱伸縮で擦れます——だから細かく支持するのです。
屋側電線路の2m(垂直6m)とは意味が違う——混同しないことです。
★A種が原則、接触防護措置ならD種
| 条件 | 接地工事 | 接地抵抗値 |
| ★原則 | ★★A種 | ★★10Ω以下 |
| ★接触防護措置を施す場合 | ★★D種 | ★★100Ω以下 |
人が触れないなら、接地の要求を下げてよい——接地は「触れた人を守る」ためだからです。
「C種」というダミーが置かれます——C種は300Vを超える低圧機器の外箱です。
高圧の話にC種は出てきません——対象で切り分けられます。
★なぜ高圧に金属管工事が使えないのか
金属管工事は、絶縁電線を管に通す工法です——高圧絶縁電線には遮へい層がありません。
管の中で電線どうしが近接し、管とも近接します——高圧では絶縁が保てません。
だから高圧屋内配線はがいし引きかケーブルの2択——この理由を押さえておくと忘れません。
がいし引き工事の詳しい要件
| 項目 | 基準 |
| ★電線 | ★★直径2.6mm以上の軟銅線と同等以上の強さの高圧絶縁電線等 |
| ★造営材との離隔 | ★★0.05m以上 |
| ★電線相互の間隔 | ★★0.08m以上 |
| ★支持点間 | ★★6m以下(面に沿う場合2m以下) |
| ★がいし | ★★絶縁性・難燃性及び耐水性のあるもの |
0.05mと0.08mという細かい数値も定められています——充電部が露出しているからです。
がいしの3条件(絶縁性・難燃性・耐水性)も問われます。
高圧屋内配線と他の設備との離隔
| 相手 | 離隔距離 |
| ★低圧屋内電線・管灯回路の配線 | ★★0.15m以上 |
| ★弱電流電線等・水管・ガス管等 | ★★0.15m以上 |
| ★耐火性の隔壁を設ける場合 | ★★離隔不要 |
0.15m(15cm)は高圧屋側電線路と同じ値です——屋内・屋側で共通。
隔壁があれば距離は不要——「距離か仕切りか」の選択です。
接地工事の種類を整理する
| 種類 | 主な対象 | 接地抵抗値 |
| ★A種 | ★★高圧・特別高圧機器の外箱、避雷器 | ★★10Ω以下 |
| ★B種 | ★★高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側 | ★★150/300/600÷I |
| ★C種 | ★★300V超の低圧機器の外箱 | ★★10Ω以下 |
| ★D種 | ★★300V以下の低圧機器の外箱 | ★★100Ω以下 |
高圧=A種、低圧=C種/D種——電圧で大きく分かれます。
A種とC種は同じ10Ωですが、対象が違う——選択肢を切る手がかりです。
高圧屋内配線が使われる場所
受電設備から変圧器までの区間などが該当します——キュービクルの中や、電気室の中。
大規模なビルや工場では、高圧のまま建物内を引き回すこともあります。
その場合はケーブル工事が一般的——がいし引きは古い設備に残る程度です。
111条と168条の対比
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 111条=屋側(外壁) | ★★111条=屋側(外壁) | ★168条=屋内 | ★★場所が違う |
| 支持点間2m(垂直6m) | ★★支持点間2m(垂直6m) | ★支持点間6m(面沿い2m) | ★★★2mと6mの意味が逆になる |
| A種(接触防護措置でD種) | ★★A種(接触防護措置でD種) | ★A種(接触防護措置でD種) | ★★接地は同じ |
★2mと6mが両方に出てきますが、意味が逆です——屋側は水平2m・垂直6m、屋内は空中6m・面沿い2m。
ここが最大の混同ポイント——「どちらの条文か」を先に確かめます。
高圧屋内配線を他の配線と接近させる場合
| 相手 | 求められること |
| ★低圧屋内電線 | ★★0.15m以上離す、又は耐火性の隔壁を設ける |
| ★弱電流電線等 | ★★同上 |
| ★水管・ガス管等 | ★★同上 |
| ★ケーブル工事で管に収めた場合 | ★★離隔不要となる場合がある |
0.15mか、隔壁か——「距離で守るか、物で仕切るか」の二択です。
この形は解釈のあちこちで繰り返されます——1つ覚えれば応用が利きます。
特別高圧屋内配線(解釈169条)
| 項目 | 基準 |
| ★使用電圧 | ★★100 000V以下であること |
| ★工事 | ★★ケーブル工事によること |
| ★接地 | ★★管等の金属体にA種接地工事 |
| ★他の配線との離隔 | ★★0.6m以上又は耐火性の隔壁 |
特別高圧になるとケーブル工事だけ——がいし引きは認められません。
低圧=多数の工事/高圧=2択/特別高圧=1択——電圧が上がるほど狭まるという原則どおりです。
高圧屋内配線の点検
| 項目 | 見るところ |
| ★がいし | ★★ひび割れ・汚損・トラッキング痕 |
| ★電線 | ★★被覆の劣化・たるみ・支持点の緩み |
| ★ケーブル端末 | ★★ストレスコーンの状態・接地線の導通 |
| ★離隔 | ★★後から設置された配管等が近づいていないか |
後から水道管やダクトが増設され、離隔が失われることがあります。
「展開した場所に限る」という条文の狙いは、こうした変化に気づけることです。
⏱️ 本番での進め方
① がいし引きの支持点間は6m以下(面に沿う場合2m以下)。
② ケーブル工事の金属体はA種接地。
③ 接触防護措置を施せばD種でよい——「C種」ではない。
④ 屋側(111条)の2m/6mと意味が逆なので注意。
💡 覚え方
解釈168条=高圧屋内配線はがいし引き工事(乾燥した展開した場所に限る)又はケーブル工事。がいし引きの支持点間は6m以下(造営材の面に沿って取り付ける場合は2m以下)。ケーブル工事の防護装置の金属製部分・電線接続箱・ケーブル被覆の金属体にはA種接地工事(接触防護措置を施す場合はD種でも可)。
⚠️ よくある間違い
(ア)(イ)は「3m」「1m」ではなく6m・2m。(ウ)は「B種」ではなくA種。(エ)は「C種」ではなくD種。屋側電線路の2m/6mと意味が逆。
まとめ
| 工事方法 | がいし引き(乾燥展開限定)又はケーブル工事 |
| (ア)支持点間 | 6m以下 |
| (イ)造営材の面沿い | 2m以下 |
| (ウ)ケーブル金属体 | 原則A種接地 |
| (エ)接触防護措置あり | D種接地でよい |
| 答え | (4) |
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