今回は平成18年度 法規科目 A問題10、需要率・不等率・負荷率の定義式を問う空欄補充問題です。この3つの率は法規でも電力でも頻出——ここで完全に整理しておきましょう。
式を丸暗記するより分母・分子が何かを押さえるのが近道。需要率=最大需要/総負荷設備容量、不等率=各最大需要の和/合成最大需要(≧1)、負荷率=平均需要/最大需要です。
答えは(1):総負荷設備容量・合成最大需要電力・平均需要電力
この3つは法規でも電力でも頻出です——ここで完全に整理します。
平成18年度 法規科目 A問題10:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題10
電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成18年度 A問題10
需要率、不等率及び負荷率の定義式に関する空欄補充問題です。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(注)平成18年度は公式問題PDFが公表されていないため、電験王等の過去問データに基づいて問題文を再構成しています。
需要率、不等率及び負荷率は、それぞれ次の式で表される。
需要率=(最大需要電力)÷((ア))×100〔%〕
不等率=(各負荷の最大需要電力の総和)÷((イ))
負荷率=((ウ))÷(最大需要電力)×100〔%〕
(ア) (イ) (ウ) (1) 総負荷設備容量 合成最大需要電力 平均需要電力 (2) 合成最大需要電力 平均需要電力 総負荷設備容量 (3) 平均需要電力 総負荷設備容量 合成最大需要電力 (4) 総負荷設備容量 平均需要電力 合成最大需要電力 (5) 変圧器設備容量 総負荷設備容量 平均需要電力

★★3つの率を1枚の表に
| 率 | 分子 | 分母 | 値の範囲 |
| ★需要率 | ★★最大需要電力 | ★★総負荷設備容量 | ★★通常1未満 |
| ★不等率 | ★★各負荷の最大需要電力の総和 | ★★合成最大需要電力 | ★★★必ず1以上 |
| ★負荷率 | ★★平均需要電力 | ★★最大需要電力 | ★★通常1未満 |
不等率だけが1以上です——ここが最大の識別ポイント。
他の2つは「一部÷全体」なので1未満になります。
この表を書ければ、どの空欄も埋まります。
★需要率——設備をどれだけ使っているか
設備容量に対する実際の最大需要
設置した機器をすべて同時に全負荷で動かすことは普通ない——だから1未満です。
需要率が低ければ、変圧器を小さくできます——設備計画に使う値です。
分母は「設置した機器の容量の合計」——変圧器容量ではありません。
★★不等率——ピークがずれる効果
★分母のほうが小さいので1以上
計算問題ではこの形で使う
工場のピークが昼、事務所のピークが朝なら、合計したピークは各ピークの和より小さいのです。
時間がずれる分だけ、全体の最大は小さくて済む——それを表す指標です。
だから不等率は必ず1以上——1未満になったら計算ミスです。
★負荷率——需要の平坦さ
kWh÷h=kW
負荷率が高いほど、需要が平坦で設備を効率よく使えます。
低いとピークだけ尖っていて、設備が遊ぶ時間が長い——不経済です。
ピークシフトは負荷率を上げる取り組みです。
3つを組み合わせた計算
①需要率で個別のピークを出す
②不等率で合成する
③負荷率で電力量を出す
3つの率を順に使うのが、変電所容量を求める定番の流れです。
需要率→不等率→負荷率という順序——個別から全体へ。
B問題ではこの流れが計算問題として出ます。
★分母・分子を取り違えないコツ
| 率 | 覚え方 |
| ★需要率 | ★★「需要」が分子(最大需要電力) |
| ★負荷率 | ★★「平均」が分子——平坦なら高い |
| ★不等率 | ★★1以上になるほうが分子(総和) |
率の名前と分子を結びつけると覚えやすいのです。
不等率は「1以上」から逆算すれば分母・分子が決まります。
迷ったら値の範囲で確かめる——確実な検算法です。
実務での使いどころ
| 場面 | 使う率 |
| ★受電設備の容量決定 | ★★需要率・不等率 |
| ★契約電力の検討 | ★★最大需要電力(デマンド) |
| ★経済性の評価 | ★★負荷率 |
設備を過大にすれば無駄、過小にすれば停電——その判断に使う指標です。
電気管理者が日常的に扱う数値です。
負荷率と設備利用率
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 負荷率 | ★★負荷率 | ★設備利用率 | ★★平均需要÷最大需要/平均出力÷定格出力 |
| 需要側の指標 | ★★需要側の指標 | ★発電設備の指標 | ★★見る対象が違う |
設備利用率は発電所の稼働状況を表します——太陽光なら12〜15%程度。
似た名前ですが対象が違う——混同しないことです。
具体的な数値で確かめる
| 項目 | A工場 | B事務所 |
| ★設備容量 | ★★500kW | ★★300kW |
| ★需要率 | ★★60% | ★★50% |
| ★最大需要電力 | ★★300kW | ★★150kW |
★総和より小さくなる
ピークがずれるので、全体の最大は450kWではなく360kW——90kW分の設備が節約できます。
これが不等率を考える意味——過大な設備を避けられるのです。
負荷率から電力量を求める
負荷率を使って平均を出す
平均216kW×24時間
負荷率がわかれば、最大電力から電力量が出せます——平均=最大×負荷率。
B問題ではこの流れがそのまま計算問題になります——定義を押さえれば解けるのです。
⏱️ 本番での進め方
① 需要率=最大需要電力/総負荷設備容量。
② 不等率=各最大の総和/合成最大需要電力——必ず1以上。
③ 負荷率=平均需要電力/最大需要電力。
④ 迷ったら値の範囲(1以上か未満か)で検算する。
💡 覚え方
需要率=最大需要電力/総負荷設備容量×100〔%〕/不等率=各負荷の最大需要電力の総和/合成最大需要電力(必ず1以上)/負荷率=平均需要電力/最大需要電力×100〔%〕。計算の流れは需要率→不等率→負荷率の順(個別から全体へ)。
⚠️ よくある間違い
不等率は必ず1以上——1未満なら分母・分子が逆。需要率の分母は「変圧器容量」ではなく総負荷設備容量。負荷率の分子は平均需要電力。
まとめ
| 需要率 | 最大需要電力÷総負荷設備容量×100% |
| 不等率 | 各最大需要の総和÷合成最大需要電力(≧1) |
| 負荷率 | 平均需要電力÷最大需要電力×100% |
| (ア) | 総負荷設備容量 |
| (イ) | 合成最大需要電力 |
| (ウ)/答え | 平均需要電力/(1) |
▼あわせて解きたい関連問題
・工場等の運用管理(電気施設管理18):【法規】平成21年度 A問題9
・電力の需給(電気施設管理10):【法規】令和1年度 A問題10

コメント