電気施設管理21【電験3種 法規】需要率・不等率・負荷率の式を完全整理!=(1) 平成18年度 A問題10 完全解説

電験3種 法規科目 電気施設管理 平成18年度 A問題10 需要率・不等率・負荷率!3つの式を整理する

今回は平成18年度 法規科目 A問題10需要率・不等率・負荷率の定義式を問う空欄補充問題です。この3つの率は法規でも電力でも頻出——ここで完全に整理しておきましょう。

式を丸暗記するより分母・分子が何かを押さえるのが近道。需要率=最大需要/総負荷設備容量不等率=各最大需要の和/合成最大需要(≧1)負荷率=平均需要/最大需要です。

目次

答えは(1):総負荷設備容量・合成最大需要電力・平均需要電力

需要率・不等率・負荷率の定義(電気施設管理)

★需要率 = 最大需要電力 ÷ 総負荷設備容量 × 100〔%〕/★不等率 = 各負荷の最大需要電力の総和 ÷ 合成最大需要電力(★必ず1以上)/★負荷率 = 平均需要電力 ÷ 最大需要電力 × 100〔%〕

★式を丸暗記するより、分母・分子が何かを押さえるのが近道です。

この3つは法規でも電力でも頻出です——ここで完全に整理します

平成18年度 法規科目 A問題10:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成18年度 A問題10 問題文
平成18年度 法規科目 A問題10 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題10

電験3種 法規科目 【電気施設管理】 平成18年度 A問題10

 需要率、不等率及び負荷率の定義式に関する空欄補充問題です。上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(注)平成18年度は公式問題PDFが公表されていないため、電験王等の過去問データに基づいて問題文を再構成しています。

需要率、不等率及び負荷率は、それぞれ次の式で表される。

需要率=(最大需要電力)÷((ア))×100〔%〕

不等率=(各負荷の最大需要電力の総和)÷((イ))

負荷率=((ウ))÷(最大需要電力)×100〔%〕

(ア)(イ)(ウ)
(1)総負荷設備容量合成最大需要電力平均需要電力
(2)合成最大需要電力平均需要電力総負荷設備容量
(3)平均需要電力総負荷設備容量合成最大需要電力
(4)総負荷設備容量平均需要電力合成最大需要電力
(5)変圧器設備容量総負荷設備容量平均需要電力
答え(ア)総負荷設備容量・(イ)合成最大需要電力・(ウ)平均需要電力 = (1)

★★3つの率を1枚の表に

分子分母値の範囲
★需要率★★最大需要電力★★総負荷設備容量★★通常1未満
★不等率★★各負荷の最大需要電力の総和★★合成最大需要電力★★★必ず1以上
★負荷率★★平均需要電力★★最大需要電力★★通常1未満

不等率だけが1以上です——ここが最大の識別ポイント

他の2つは「一部÷全体」なので1未満になります。

この表を書ければ、どの空欄も埋まります

★需要率——設備をどれだけ使っているか

\text{需要率} = \dfrac{P_{max}}{\sum P_{設備}} \times 100\,[\%]
最大需要電力÷総負荷設備容量
設備容量に対する実際の最大需要

設置した機器をすべて同時に全負荷で動かすことは普通ない——だから1未満です。

需要率が低ければ、変圧器を小さくできます——設備計画に使う値です。

分母は「設置した機器の容量の合計」——変圧器容量ではありません

★★不等率——ピークがずれる効果

\text{不等率} = \dfrac{\sum P_{max,i}}{P_{max,合成}} \geq 1
各負荷の最大の和÷合成した最大
★分母のほうが小さいので1以上
P_{max,合成} = \dfrac{\sum P_{max,i}}{\text{不等率}}
合成最大需要電力を求める式
計算問題ではこの形で使う

工場のピークが昼、事務所のピークが朝なら、合計したピークは各ピークの和より小さいのです。

時間がずれる分だけ、全体の最大は小さくて済む——それを表す指標です。

だから不等率は必ず1以上——1未満になったら計算ミスです。

★負荷率——需要の平坦さ

\text{負荷率} = \dfrac{P_{平均}}{P_{max}} \times 100\,[\%]
平均需要電力÷最大需要電力
P_{平均} = \dfrac{W}{T}
平均需要電力=期間の電力量÷時間
kWh÷h=kW

負荷率が高いほど、需要が平坦で設備を効率よく使えます

低いとピークだけ尖っていて、設備が遊ぶ時間が長い——不経済です。

ピークシフトは負荷率を上げる取り組みです。

3つを組み合わせた計算

P_{max,i} = (\text{設備容量}_i) \times (\text{需要率}_i)
各需要家の最大需要電力
①需要率で個別のピークを出す
P_{max,合成} = \dfrac{\sum P_{max,i}}{\text{不等率}}
全体の最大需要電力
②不等率で合成する
W = P_{max,合成} \times \text{負荷率} \times T
期間の電力量
③負荷率で電力量を出す

3つの率を順に使うのが、変電所容量を求める定番の流れです。

需要率→不等率→負荷率という順序——個別から全体へ

B問題ではこの流れが計算問題として出ます

★分母・分子を取り違えないコツ

覚え方
★需要率★★「需要」が分子(最大需要電力)
★負荷率★★「平均」が分子——平坦なら高い
★不等率★★1以上になるほうが分子(総和)

率の名前と分子を結びつけると覚えやすいのです。

不等率は「1以上」から逆算すれば分母・分子が決まります

迷ったら値の範囲で確かめる——確実な検算法です。

実務での使いどころ

場面使う率
★受電設備の容量決定★★需要率・不等率
★契約電力の検討★★最大需要電力(デマンド)
★経済性の評価★★負荷率

設備を過大にすれば無駄、過小にすれば停電——その判断に使う指標です。

電気管理者が日常的に扱う数値です。

負荷率と設備利用率

条文の言葉ダミー語違い
負荷率★★負荷率★設備利用率★★平均需要÷最大需要/平均出力÷定格出力
需要側の指標★★需要側の指標★発電設備の指標★★見る対象が違う

設備利用率は発電所の稼働状況を表します——太陽光なら12〜15%程度

似た名前ですが対象が違う——混同しないことです。

具体的な数値で確かめる

項目A工場B事務所
★設備容量★★500kW★★300kW
★需要率★★60%★★50%
★最大需要電力★★300kW★★150kW
\sum P_{max,i} = 300 + 150 = 450\,\mathrm{[kW]}
各最大需要の総和
P_{max,合成} = \dfrac{450}{1.25} = 360\,\mathrm{[kW]}
不等率1.25の場合の合成最大需要電力
★総和より小さくなる

ピークがずれるので、全体の最大は450kWではなく360kW——90kW分の設備が節約できます

これが不等率を考える意味——過大な設備を避けられるのです。

負荷率から電力量を求める

W = P_{max} \times \text{負荷率} \times T
期間の電力量
負荷率を使って平均を出す
W = 360 \times 0.6 \times 24 = 5184\,\mathrm{[kWh]}
負荷率60%・1日の場合
平均216kW×24時間

負荷率がわかれば、最大電力から電力量が出せます——平均=最大×負荷率

B問題ではこの流れがそのまま計算問題になります——定義を押さえれば解けるのです。

⏱️ 本番での進め方
① 需要率=最大需要電力/総負荷設備容量
② 不等率=各最大の総和/合成最大需要電力——必ず1以上
③ 負荷率=平均需要電力/最大需要電力
④ 迷ったら値の範囲(1以上か未満か)で検算する。

💡 覚え方
需要率=最大需要電力/総負荷設備容量×100〔%〕/不等率=各負荷の最大需要電力の総和/合成最大需要電力(必ず1以上)/負荷率=平均需要電力/最大需要電力×100〔%〕。計算の流れは需要率→不等率→負荷率の順(個別から全体へ)。

⚠️ よくある間違い
不等率は必ず1以上——1未満なら分母・分子が逆。需要率の分母は「変圧器容量」ではなく総負荷設備容量負荷率の分子は平均需要電力

まとめ

需要率最大需要電力÷総負荷設備容量×100%
不等率各最大需要の総和÷合成最大需要電力(≧1)
負荷率平均需要電力÷最大需要電力×100%
(ア)総負荷設備容量
(イ)合成最大需要電力
(ウ)/答え平均需要電力/(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・工場等の運用管理(電気施設管理18):【法規】平成21年度 A問題9
・電力の需給(電気施設管理10):【法規】令和1年度 A問題10

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