今回は令和5年度上期 電力科目 A問題14、アモルファス鉄心材料を使用した柱上変圧器の誤り選択問題です。低鉄損で省エネな柱上変圧器に使われるアモルファス鉄心の特徴が問われます。
決め手はアモルファスの構造。アモルファス鉄心材料は原子配列に規則性がない非晶質(非結晶)構造です。「結晶構造である」は誤りです。
出題のポイント

令和5年度上期 電力科目 A問題14:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 【電気材料】 令和5年度上期 A問題14
アモルファス鉄心材料を使用した柱上変圧器の特徴に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(1) けい素鋼帯を使用した同容量の変圧器に比べて、鉄損が大幅に少ない。
(2) アモルファス鉄心材料は結晶構造である。
(3) アモルファス鉄心材料は高硬度で、加工性があまり良くない。
(4) アモルファス鉄心材料は比較的高価である。
(5) けい素鋼帯を使用した同容量の変圧器に比べて、磁束密度が高くできないので、大形になる。
ポイント解説:アモルファス鉄心は非晶質(非結晶)構造——「結晶構造」は誤り
(2)が誤り:アモルファス鉄心材料は、溶融した金属を急冷して製造され、原子配列に規則性がない非晶質(アモルファス=非結晶)構造をもつ。「結晶構造である」は誤り(けい素鋼板は結晶構造)。
鉄損と磁束密度((1)(5)は正しい):(1)非晶質構造によりヒステリシス損・渦電流損が小さく、けい素鋼帯より鉄損が大幅に少ない(省エネ変圧器)。(5)ただし飽和磁束密度が低いため、同容量なら磁束密度を高くできず変圧器が大形になる——正しい。
加工性と価格((3)(4)は正しい):(3)アモルファスは高硬度で加工性が良くない(薄いリボン状で巻鉄心に使う)。(4)製造コストが高く比較的高価——正しい。よって誤りは(2)。
問題の解説
STEP1 鉄損
非晶質で鉄損が大幅に少ない(1)は正しい。
STEP2 磁束密度・加工・価格
飽和磁束密度低く大形(5)・高硬度加工性悪い(3)・高価(4)は正しい。
STEP3 (2)を判定
アモルファスは非晶質構造→「結晶構造」は誤り。
答え:(2)
💡 覚え方
アモルファス鉄心=非晶質(非結晶)構造(結晶構造は誤り)。特徴:鉄損が大幅に少ない(省エネ)・飽和磁束密度が低く大形・高硬度で加工性悪い・高価。柱上変圧器の低損失化に使用。
⚠️ よくある間違い
アモルファスを「結晶構造」としない——非晶質(非結晶)。鉄損は少ないが飽和磁束密度が低く大形になる。高硬度で加工しにくく高価(省エネ効果とトレードオフ)。
まとめ
| 誤り | (2) アモルファスは非晶質構造 |
| 鉄損 | 大幅に少ない(1) |
| 磁束密度 | 飽和が低く大形(5) |
| 加工性 | 高硬度で悪い(3) |
| 価格 | 比較的高価(4) |
| 答え | (2) |
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