変電ユニットの締めくくりは令和3年度 電力科目 A問題8、断路器(ディスコン)について誤っているものを選ぶ問題です。「断路器と遮断器の役割の違い」——変電所機器の中でも特に狙われやすいテーマです。
大原則は「断路器は消弧装置を持たない=電流は切れない」。切り離しの手順は必ず遮断器で電流を切ってから断路器を開く。例外的に開閉できるのは変圧器の励磁電流や短い線路の充電電流といった僅少な電流だけで、地絡電流(故障電流)の遮断は不可能です。
出題のポイント

令和3年度 電力科目 A問題8:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 【変電】 令和3年度 A問題8
変電所の断路器に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
断路器は消弧装置をもたないため、負荷電流の遮断を行うことはできない。
断路器は機器の点検や修理の際、回路を切り離すのに使用する。断路器で回路を開く前に、まず遮断器で故障電流や負荷電流を切る必要がある。
断路器を誤って開くと、接触子間にアークが発生し、焼損や短絡事故を生じることがある。
断路器の種類によっては、短い線路や母線の地絡電流の遮断が可能な場合がある。
断路器の誤操作防止のため、一般にインタロック装置が設けられている。
ポイント解説:断路器が扱えるのは「無電流」+僅少な電流だけ
(4)が誤り:断路器は消弧装置を持たないため、遮断できるのは変圧器の励磁電流や短い線路・母線の充電電流といった僅少な電流までが限界。地絡電流(故障電流)は大電流であり、断路器では絶対に遮断できない——それは消弧能力を持つ遮断器の仕事である。「短い線路や母線の充電電流の開閉が可能」なら正しい記述になるところを、「地絡電流」にすり替えたひっかけ。
その他は正しい:(1)断路器は消弧装置をもたないので負荷電流の遮断は不可。(2)機器の点検・修理時の切り離しに使い、開く前にまず遮断器で電流を切るのが手順。(3)通電中に誤って開くと接触子間にアークが発生し、焼損・短絡事故のおそれ。(5)この誤操作を防ぐため、遮断器が開いていないと断路器を操作できないインタロック装置が設けられる。よって(4)。
問題の解説
STEP1 断路器の大原則を確認
消弧装置なし→負荷電流・故障電流の遮断は不可。(1)(2)は原則どおりで正しい。
STEP2 (4)を判定
断路器が開閉できるのは励磁電流・充電電流など僅少な電流のみ。「地絡電流の遮断」は不可能→(4)が誤り。
STEP3 残りを確認
(3)通電中の誤開放→アーク→焼損・短絡、(5)防止策=インタロック——いずれも正しい。よって答えは(4)。
答え:(4)
💡 覚え方
役割分担:「**切るのは遮断器・切り離すのは断路器**」。手順は「**開くとき:遮断器→断路器/入れるとき:断路器→遮断器**」(電流ゼロの状態でしか断路器を動かさない)。断路器が例外的に開閉できるのは**励磁電流・充電電流**などの僅少な電流だけ——「地絡電流」「負荷電流」と書いてあったら誤り。誤操作防止=**インタロック装置**。
⚠️ よくある間違い
「地絡電流の遮断が可能」を正しいと思わない——地絡電流は故障電流であり遮断器の領分。投入・開放の順序を逆にしない(入れるときは断路器が先)。断路器と負荷開閉器(LBS:負荷電流は開閉可能)との混同にも注意。
まとめ
| (1)正しい | 消弧装置なし→負荷電流の遮断不可 |
| (2)正しい | 切り離し用。開く前に遮断器で電流を切る |
| (3)正しい | 誤開放→アーク→焼損・短絡事故 |
| (4)誤り | 地絡電流の遮断は不可(可能なのは励磁・充電電流程度) |
| (5)正しい | 誤操作防止のインタロック→答えは(4) |
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