情報40【電験3種 機械】電気通信の概要(光ファイバ・電波特性・パリティチェック)の正誤判定!令和4年度上期 A問題13 完全解説

電験3種 機械科目 情報 令和4年度上期 A問題13 光ファイバとパリティチェック!記述の正誤は?

今回は令和4年度上期 機械科目 A問題13を解説します。有線通信・無線通信、アナログ・ディジタル方式、光ファイバケーブル電波の伝わり方パリティチェックという電気通信に関する5つの記述のうち、誤っているものを選ぶ問題です。情報39(令和4年度下期A問題13)と同一テーマの姉妹問題(上期・下期の対)にあたります。

電波の直進性は波長ではなく周波数で決まり、周波数の高い(波長の短い)電波ほど直進性が強く特定方向への発信に適する一方、周波数の低い(波長の長い)電波は、障害物の背後に回り込みやすい傾向がポイントです。選択肢(4)はこの関係が逆に書かれています。

目次

令和4年度上期 機械科目 A問題13:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 機械科目 情報 令和4年度上期 A問題13 問題文
令和4年度上期 機械科目 A問題13 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験」機械科目 A問題13

電験3種 機械科目 【情報】 令和4年度上期 A問題13

 文字や音声,画像などの情報を電気信号や光信号に変換してやりとりすることを電気通信といい,様々な用途や場所で利用されている。電気通信に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)通信には,通信ケーブルを伝送路として用いる有線通信と,空間を伝送路として用いる無線通信がある。通信の用途に応じて適切な方式が選択される。

(2)電気信号に変換した情報を扱う方式として,アナログ方式とディジタル方式がある。アナログ方式は古くから使用されてきたが,ディジタル方式は,雑音(ノイズ)の影響を受けにくいことや,小型化しやすいこと,コンピュータで処理しやすいことなどから,近年では採用されることが多くなっている。

(3)光通信の伝送路として主に用いられる光ファイバケーブルでは,入射した光信号は屈折率の異なるコアとクラッドの間で全反射しながら進んでいく。光ファイバケーブルは伝送損失が非常に少なく,無誘導のため漏話しにくいことから,長距離の伝送に適している。

(4)無線通信に用いられる電波の伝わり方は,周波数や波長によって異なるために,通信の用途にあったものが用いられる。周波数の低い,すなわち波長の長い電波は直進性が強いために,特定の方向に向けて発信するのに適している。

(5)データ通信における誤りの検出方法としてよく使用されるパリティチェック方式は,伝送データのビット列に対して,状態が”1″のビットの個数が奇数または偶数になるように,検査のためのビットを付け加えて送ることで,受信側で誤りを検出する方式である。

(1)通信には,通信ケーブルを伝送路として用いる有線通信と,空間を伝送路として用いる無線通信がある。通信の用途に応じて適切な方式が選択される。
(2)電気信号に変換した情報を扱う方式として,アナログ方式とディジタル方式がある。アナログ方式は古くから使用されてきたが,ディジタル方式は,雑音(ノイズ)の影響を受けにくいことや,小型化しやすいこと,コンピュータで処理しやすいことなどから,近年では採用されることが多くなっている。
(3)光通信の伝送路として主に用いられる光ファイバケーブルでは,入射した光信号は屈折率の異なるコアとクラッドの間で全反射しながら進んでいく。光ファイバケーブルは伝送損失が非常に少なく,無誘導のため漏話しにくいことから,長距離の伝送に適している。
(4)無線通信に用いられる電波の伝わり方は,周波数や波長によって異なるために,通信の用途にあったものが用いられる。周波数の低い,すなわち波長の長い電波は直進性が強いために,特定の方向に向けて発信するのに適している。
(5)データ通信における誤りの検出方法としてよく使用されるパリティチェック方式は,伝送データのビット列に対して,状態が”1″のビットの個数が奇数または偶数になるように,検査のためのビットを付け加えて送ることで,受信側で誤りを検出する方式である。

出題のポイント:電波の直進性は周波数が高いほど強い

誤りは(4)です。「周波数の低い、すなわち波長の長い電波は直進性が強い」——これが逆になっています。

周波数が低い(波長が長い)周波数が高い(波長が短い)
直進性弱い★強い
回り込み(回折)★大きい小さい
減衰小さい大きい
情報量少ない★多く運べる
用途船舶通信、AMラジオ(遠くまで届く)衛星通信、レーダ(方向を絞れる)

波長が長いほど障害物を回り込みやすい——回折という現象です。音でも同じで、低い音のほうが壁の向こうまで届く——直感的にも分かります

逆に波長が短ければ、光のようにまっすぐ進む——だからパラボラアンテナで細く絞れるのです。衛星通信やレーダで高い周波数を使う理由がここにあります。

高周波短波長の直進性と低周波長波長の回折を障害物で比較する出題ポイント図
高周波・短波長は直進性、低周波・長波長は回折の傾向が強まります。

(1)(2)(3)(5) が正しい理由

(1) 有線通信と無線通信

正しい記述です。ケーブルを使うのが有線、空間を使うのが無線——定義そのものになります。

(2) ディジタル方式の利点

正しい記述です。雑音に強い、小型化しやすい、コンピュータで処理しやすい——3つとも本当の利点です。

とくに「雑音に強い」のが決定的でした。0 か1 かさえ判別できれば完全に復元できる——中継のたびに信号を作り直せるので、距離による劣化がありません

(3) 光ファイバケーブル

正しい記述です。屈折率の高いコアを、屈折率の低いクラッドで包む——境界で全反射しながら光が進むという構造になっています。

部分屈折率役割
コア(中心)★高い光が通る道
クラッド(外側)低い光を閉じ込める

光は屈折率の高いほうから低いほうへ入るとき、角度によって全反射します。だからコアの屈折率が高くなければならない——逆だと光が外へ漏れてしまいます

電気を使わないので、電磁誘導による漏話や雑音がありません——問題文の「無誘導のため漏話しにくい」がそれです。落雷の影響も受けない——電力設備の通信線として重宝される理由になります。

(5) パリティチェック

正しい記述です。1 の個数が奇数または偶数になるよう検査ビットを付ける——受信側で数えれば誤りが分かります

ただし検出できるのは奇数個の誤りだけ——訂正はできません問題文も「誤りを検出する方式」と書いており、正確です。

低周波ほど直進性が強いという誤文を正し、高周波の直進性と低周波の回折から答え4を示す図
選択肢(4)は周波数と直進性の関係が逆なので、誤っているものは(4)です。
答え誤っているのは (4)です。直進性が強いのは周波数の高い(波長の短い)電波——記述は逆になっています

周波数帯と用途

電波は周波数帯によって性質が変わり、用途も分かれます代表的な帯域を押さえておきましょう。

名称周波数用途
MF(中波)300 kHz〜3 MHzAMラジオ、船舶
HF(短波)3〜30 MHz★電離層反射で遠距離
VHF(超短波)30〜300 MHzFMラジオ、業務無線
UHF(極超短波)300 MHz〜3 GHzテレビ、携帯電話
SHF(マイクロ波)3〜30 GHz★衛星通信、レーダ

短波が遠くまで届くのは、電離層で反射して地球の裏側まで回り込むから——直進性とは別の仕組みです。

マイクロ波は直進性が強く、周波数が高いので大容量——ただし雨で減衰するという弱点もあります。衛星放送が豪雨で乱れるのはこのためです。

⏱️ 本番での進め方
①★直進性が強いのは高周波(短波長)。(4)が誤り。
② 低周波(長波長)は回り込みやすく、遠くまで届く。
③ 光ファイバはコアの屈折率が高い。全反射で閉じ込める。
④ パリティは検出のみ。訂正はできない。

💡 覚え方
「波長が長いほど回り込む、短いほどまっすぐ」——音でも同じだと思えば直感的です。低い音は壁の向こうまで届く——それが回折になります。

同じテーマの姉妹問題が令和4年度下期 A問題13にあります(情報:電気通信の用語)。上期・下期の対です。

通信に関する5選択肢の正誤と光ファイバ全反射、偶数パリティの例を示す解説図
選択肢(1)(2)(3)(5)は正しく、周波数と直進性を逆にした(4)が誤りです。

光ファイバの構造をもう少し

(3)で出てきた光ファイバ——コアの太さによって2種類に分かれます。

種類コア径特徴用途
シングルモード約10 µm★光の通り道が1本。損失が小さい長距離・基幹回線
マルチモード50〜62.5 µm複数の経路。到達時間に差が出る構内配線

マルチモードでは、光がいろいろな角度で反射しながら進みます——経路の長さが違うので、到達時間にばらつきが出るのです。これがモード分散——長距離では信号がぼやけてしまいます

シングルモードはコアを細くして、まっすぐ進む光だけを通す——だから長距離でも波形が崩れません基幹通信網はすべてこちらです。

電力系統でも、送電線に光ファイバを内蔵した架空地線(OPGW)が使われます。雷から線路を守りながら、同時に通信路にもなる——電磁誘導を受けないという光の利点が活きる使い方です。

誤り検出から誤り訂正へ

(5)のパリティチェックは検出だけ——訂正までしたいなら、より多くの検査ビットが要ります。

方式できること付加するビット
パリティ1ビット誤りの検出1
ハミング符号★1ビット誤りの訂正数ビット
CRC連続した誤りの検出に強い16〜32ビット

ハミング符号は、複数のパリティを組み合わせる——どのパリティが合わないかで、誤ったビットの位置が特定できるのです。位置が分かれば反転させるだけで訂正できます。

CRC は、データを多項式と見て割り算した余りを付ける方式——連続した誤り(バースト誤り)に強いのが特徴です。通信やストレージで広く使われています

検出だけなら軽く、訂正までなら重い——再送できる通信なら検出で十分、再送できない記録媒体なら訂正が要る用途によって使い分けられているのです。

まとめ

(1)〜(3)(5)正しい記述
(4)誤り(電波の直進性の向きが逆)
正しい関係周波数が高いほど直進性が強い
答え(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・電気通信の概要(雑音・多重化・変調波・標本化定理・データ圧縮):【機械】令和4年度下期A問題13
・メカトロニクスの概要と構成要素:【機械】令和4年度下期A問題14

📚 次に解くべき関連問題
【機械】令和4年度下期A問題13(情報39)
【機械】令和4年度下期A問題14(情報41)
【機械】平成18年度B問題18(情報38)
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