今回は平成24年度 電力科目 A問題8、調相設備に関する空欄補充問題です。電圧を一定に保つために無効電力を調整する4つの設備——電力用コンデンサ・分路リアクトル・同期調相機・静止形無効電力補償装置(SVC)を整理します。
軸は進める/遅らせる/両方。電流の位相を進めるのが電力用コンデンサ(進相)、遅らせるのが分路リアクトル、両方調整できるのが同期調相機。近年はパワーエレクトロニクスで容量を制御する静止形無効電力補償装置も使われます。
出題のポイント

平成24年度 電力科目 A問題8:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 【変電】 平成24年度 A問題8
送電線路の送・受電端電圧の変動が少ないことは、需要家ばかりでなく、機器への影響や電線路にも好都合である。負荷変動に対応して力率を調整し、電圧値を一定に保つため、調相設備を負荷と(ア)に接続する。調相設備には、電流の位相を進めるために使われる(イ)、電流の位相を遅らせるために使われる(ウ)、また、両方の調整が可能な(エ)や近年ではリアクトルやコンデンサの容量をパワーエレクトロニクスを用いて制御する(オ)装置もある。上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
次の文章は、調相設備に関する記述である。空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) 並列 電力用コンデンサ 分路リアクトル 同期調相機 静止形無効電力補償 (2) 並列 直列リアクトル 電力用コンデンサ 界磁調整器 PWM制御 (3) 直列 電力用コンデンサ 直列リアクトル 同期調相機 静止形無効電力補償 (4) 直列 直列リアクトル 分路リアクトル 界磁調整器 PWM制御 (5) 直列 分路リアクトル 直列リアクトル 同期調相機 PWM制御
ポイント解説:並列接続・進相=コンデンサ・遅相=分路リアクトル
(ア)並列・(イ)電力用コンデンサ・(ウ)分路リアクトル:調相設備は電圧を保つために負荷と並列に接続する(直列ではない)。電流の位相を進める(進相=遅れ無効電力を供給)のが電力用コンデンサ(進相コンデンサ)で、重負荷時に電圧を上げる。電流の位相を遅らせる(進み無効電力を吸収)のが分路リアクトルで、軽負荷時の電圧上昇を抑える。
(エ)同期調相機・(オ)静止形無効電力補償:同期調相機は無負荷の同期電動機で、界磁電流を調整して進み・遅れ両方の無効電力を連続的に出せる。近年はサイリスタ等のパワーエレクトロニクスでリアクトルやコンデンサの容量を制御する静止形無効電力補償装置(SVC)が普及。応答が速く可動部がない。以上より(ア)並列・(イ)電力用コンデンサ・(ウ)分路リアクトル・(エ)同期調相機・(オ)静止形無効電力補償で答えは(1)。
問題の解説
STEP1 (ア)
調相設備は負荷と並列に接続(直列ではない)。
STEP2 (イ)(ウ)
進相=電力用コンデンサ、遅相=分路リアクトル。
STEP3 (エ)(オ)
両方可=同期調相機、パワエレ制御=静止形無効電力補償→(1)。
答え:(1)
💡 覚え方
調相設備(負荷と**並列**接続で無効電力を調整し電圧を保つ):**電力用コンデンサ**=進相(遅れ無効電力供給・重負荷で電圧↑)/**分路リアクトル**=遅相(進み無効電力吸収・軽負荷の電圧上昇抑制)/**同期調相機**=界磁調整で進み遅れ両方を連続調整/**静止形無効電力補償装置(SVC)**=パワエレで高速・無可動部。★進相コンデンサは段階的、SVC・同期調相機は連続的。
⚠️ よくある間違い
調相設備は「並列」接続(直列リアクトルは別物)。進める=電力用コンデンサ、遅らせる=分路リアクトル(逆にしない)。両方調整は同期調相機(界磁調整器ではない)。パワエレ制御は静止形無効電力補償装置(PWM制御という語ではない)。
まとめ
| (ア) | 調相設備は負荷と並列に接続 |
| (イ) | 進める=電力用コンデンサ(進相) |
| (ウ) | 遅らせる=分路リアクトル |
| (エ) | 両方可=同期調相機 |
| (オ) | パワエレ制御=静止形無効電力補償→(1) |
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