火力46【電験3種 電力】復水器の一般常識5連発!真空度を高くすると熱効率は向上する 平成23年度 A問題3 完全解説

電験3種 電力科目【火力】平成23年度 A問題3 誤りは(4)——復水器の真空度を高くすると熱効率は「向上」する(低下ではない)

今回は平成23年度 電力科目 A問題3を解説します。汽力発電所の復水器に関する一般的説明として誤っているものを選ぶ問題です。

火力10・火力22で固めた知識の総まとめ回。真空度が高い=背圧が低い=熱落差が大きい=効率が上がる——この因果を1本覚えていれば、(4)の「低下」が逆だと一目で分かります。

出題のポイント

目次

平成23年度 電力科目 A問題3:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 火力 平成23年度 A問題3 問題文
平成23年度 電力科目 A問題3 問題文

電験3種 電力科目 【火力】 平成23年度 A問題3

 汽力発電所の復水器に関する一般的説明として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

汽力発電所で最も大きな損失は、復水器の冷却水に持ち去られる熱量である。
復水器の冷却水の温度が低くなるほど、復水器の真空度は高くなる。
汽力発電所では一般的に表面復水器が多く用いられている。
復水器の真空度を高くすると、発電所の熱効率が低下する。
復水器の補機として、復水器内の空気を排出する装置がある。

ポイント解説:真空度↑=背圧↓=熱落差↑=熱効率は向上

(4)が誤り:復水器の真空度を高くするとタービンの背圧(出口圧力)が下がり、蒸気の入口と出口の圧力差(熱落差)が大きくなって取り出せる仕事が増えるので、発電所の熱効率は向上する。「低下する」は逆。そもそも復水器を高真空に保つこと自体が熱効率向上のための工夫なのだから、「真空度を高くすると効率が下がる」という文は復水器の存在意義と矛盾している。

その他は正しい:(1)汽力発電所で最も大きな損失は復水器の冷却水に持ち去られる熱量(入熱の約半分)。(2)冷却水の温度が低いほど蒸気がよく凝縮して復水器内の飽和蒸気圧が下がるので、真空度は高くなる(冬場のほうが効率がよい理由)。(3)冷却水と蒸気を管壁で隔てて熱交換する表面復水器が一般的(冷却水に海水を使っても復水が汚れない)。(5)復水器内に漏れ込む空気は真空度を下げるので、空気抽出器(エゼクタ・真空ポンプ)で排出する。よって答えは(4)。

問題の解説

STEP1 (4)を判定

真空度↑→背圧↓→熱落差↑→熱効率は向上。「低下」は逆→(4)が誤り。

STEP2 損失と温度の関係を確認

(1)最大損失は復水器(入熱の約半分)、(2)冷却水温が低いほど真空度は高い——正しい。

STEP3 構造と補機を確認

(3)表面復水器が主流、(5)空気抽出器で漏込み空気を排出——正しい。

答え:(4)

💡 覚え方
復水器の常識セット:①**最大の損失箇所**(入熱の約半分を海水へ)②**冷却水温が低いほど真空度が高い**(飽和蒸気圧が下がる→冬は効率がよい)③**表面復水器**が主流(管壁で隔てるので海水でも復水が汚れない)④**真空度↑=熱効率↑**(背圧↓で熱落差↑)⑤**空気抽出器**(エゼクタ)で漏込み空気を排出——空気が溜まると真空度が下がり効率低下。

⚠️ よくある間違い
「真空度を高くすると効率が低下」は逆——高真空こそ復水器の目的。冷却水温と真空度の関係も向きに注意(低いほど高真空)。真空度低下の原因(冷却水量不足・水温上昇・空気漏込み・管の汚れ)とセットで覚えると正誤問題に強い。

まとめ

(1)最大の損失復水器の冷却水に持ち去られる熱量→正しい
(2)冷却水温低いほど真空度は高くなる→正しい
(3)形式表面復水器が一般的→正しい
(4)真空度と効率真空度↑で熱効率は向上(低下ではない)→誤り
(5)補機空気抽出器で復水器内の空気を排出→正しい。答えは(4)

▼あわせて解きたい関連問題
・復水器の真空度と熱サイクル最大の損失(火力22):【電力】令和2年度 A問題2

・この年度の問題を通しで解く:電験3種 平成23年度 問題一覧(全4科目)

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