【電験3種 機械】同期発電機の横流|令和8年度上期 問6

横流は、2台の発電機の起電力の差によって流れる循環電流です。1相の等価回路で、2台分の同期リアクタンスを直列に足して求めます。

問題文と選択肢|【電験3種】令和8年度上期 機械 問6

令和8年度上期 機械 問6の公式問題
公式問題PDFから問題文・図・選択肢を切り抜きました。

問題文

問6 二つの同期発電機AとBを図に示すように平衡した三相交流の母線に接続し並行運転するとき,両発電機の起電力\(\dot E_1\)と\(\dot E_2\)が等しくなるように発電機の速度および界磁電流が調整される。起電力\(\dot E_1\)と\(\dot E_2\)に差がある場合,両発電機間には横流と呼ばれる循環電流が流れ,損失増加の一要因となる。発電機AとBは同一仕様で同一特性を持ち,同一速度で回転している。定格電圧Vnは6 000 V,定格容量Pは4 500 kV・A,短絡比Sは1.25である。\(\dot E_1\)と\(\dot E_2\)の差が\(\left|\dot E_1-\dot E_2\right|=400\ \mathrm V\)であるとき,横流の実効値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 18.0(2) 31.3(3) 54.1(4) 62.5(5) 108
同じ三相母線に接続された同期発電機A・Bの公式図

出典:電気技術者試験センター・公式問題PDF/公式解答PDF

解答・解説

解答

(2)31.3 A

  1. STEP1線間電圧と三相容量から基準インピーダンスを求めるZᵦ=Vₙ²/P=8 Ω
  2. STEP2短絡比から1台の同期リアクタンスを求めるXₛ=Zᵦ/S=6.4 Ω
  3. STEP32台分のリアクタンスを足して横流を求める400 V ÷ (6.4+6.4) Ω
機械問6:条件・図・考え方・式・解答をまとめた縦長解説
解答解説:画像内で解き方と答えを確認できます。
目次

STEP1|線間電圧と三相容量から基準インピーダンスを求める

問題の定格電圧6000 Vは線間電圧、容量4500 kV・Aは三相全体の容量です。相電圧Vph=Vn/√3、定格電流In=P/(√3Vn)から、1相の基準インピーダンスが求まります。

基準インピーダンス

\[Z_b=\frac{V_{\mathrm{ph}}}{I_n}=\frac{V_n^2}{P}\]\[=\frac{6000^2}{4.5\times10^6}=8\ \Omega\]

線間電圧と三相容量をそのまま使う式には、√3の換算がすでに含まれています。

STEP2|短絡比から1台の同期リアクタンスを求める

短絡比Sは、定格電圧を発生させる界磁電流と、定格短絡電流を流す界磁電流の比です。問題で用いる近似では、同期リアクタンスの基準値に対する割合は短絡比の逆数になります。

1台分の同期リアクタンス

\[\frac{X_s}{Z_b}=\frac1S\quad\Rightarrow\quad X_s=\frac{Z_b}{S}\]\[=\frac8{1.25}=6.4\ \Omega\]

短絡比で割ることがポイントです。短絡比が大きい機械ほど同期リアクタンスが小さくなります。

短絡比1.25と同期リアクタンス6.4Ωの関係
STEP2:基準インピーダンス8Ωを短絡比1.25で割ります。

STEP3|2台分のリアクタンスを足して横流を求める

循環電流は発電機Aから母線を通って発電機Bへ戻る閉じた経路に流れます。電流が両方の内部リアクタンスを通るので、2台分を直列に足す必要があります。

循環電流の大きさ

\[I=\frac{|\dot E_1-\dot E_2|}{X_s+X_s}\]\[=\frac{400}{6.4+6.4}=31.25\ \mathrm A\]

最も近い選択肢は(2)31.3 A。

400 Vは図の1相の起電力の差です。ここでさらに√3で割る必要はありません。1台分の6.4Ωだけで割ると、電流を2倍に見積もってしまいます。

2台の発電機の起電力と同期リアクタンスを含む閉ループ
STEP3:起電力の差が、直列の2つの同期リアクタンスに加わります。

最後に、3つだけ確認

線間電圧と三相容量ならZᵦ=Vₙ²/P。

1台の同期リアクタンスは8/1.25=6.4Ω。

横流は400/(6.4+6.4)=31.25A。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次