回転しているコイルに生じる起電力を求めます。周速度を求め、1本の導体の起電力を計算し、最後に2本分を足します。
問題文と選択肢|【電験3種】令和8年度上期 機械 問2

問題文
問2 図は,磁極数が2 の直流発電機を模式的に表したものである。電機子巻線については,1 巻き分のコイルを示している。電機子の直径D は0.5 m,電機子導体の有効長l は0.5m,ギャップの磁束密度B は,図の状態のように電機子導体が磁極の中心付近にあるとき一定で0.4 T,回転速度n は1 500 min−1 である。図の状態におけるこの1 巻きのコイルに誘導される起電力e の値[V]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

出典:電気技術者試験センター・公式問題PDF/公式解答PDF
解答・解説
解答
(4)15.7 V
- STEP1回転速度から周速度を求める1回転の距離 × 毎秒の回転数
- STEP21本の導体に生じる起電力を求める磁界を横切る導体:e₁=Blv
- STEP3コイルの2本分を加え、選択肢を選ぶ有効導体2本 → 15.7 V

STEP1|回転速度から周速度を求める
導体は電機子の外周にあるため、1回転で円周πDだけ移動します。1500 min−1は毎分1500回転なので、毎秒の回転数は1500÷60=25回転です。
周速度
\[v=\pi D\frac{n}{60}\]\[=\pi\times0.5\times\frac{1500}{60}=12.5\pi\ \mathrm{m/s}\]
Dは直径です。円周を2πDとしないこと、回転数を60で割って秒単位にすることがポイントです。

STEP2|1本の導体に生じる起電力を求める
長さlの導体が磁界を直角に横切ると、時間Δtの間に掃く面積はlvΔtです。この面積を通る磁束の変化はBlvΔtなので、磁束の変化を時間で割った起電力の大きさはBlvになります。
1本分の誘導起電力
\[e_1=Blv=0.4\times0.5\times12.5\pi\]\[=2.5\pi\simeq7.85\ \mathrm{V}\]
この値はコイル全体ではなく、片側の有効導体1本分です。問題は「1巻きのコイル」の起電力を聞いています。

STEP3|コイルの2本分を加え、選択肢を選ぶ
1巻きのコイルには、N極側とS極側に有効導体が1本ずつあります。コイルに沿って見ると両側の起電力は加算されるため、全体は1本分の2倍です。
1巻きのコイル全体
\[e=2e_1=2Blv=5\pi\simeq15.7\ \mathrm{V}\]
最も近い選択肢は(4)15.7。
(3)7.85 Vは1本分の値です。「1巻き」は有効導体が1本という意味ではありません。
最後に、3つだけ確認
円周には直径Dを使い、πDとする。
毎分の回転数nを60で割り、毎秒に換算する。
1巻きの起電力は有効導体2本分:e=2Blv。

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