【電験3種 機械】誘導電動機の二次入力|令和8年度上期 問4

二次入力は、回転子に渡る電力です。機械出力20 kWと区別し、同期速度に対応する角速度を使って求めます。

問題文と選択肢|【電験3種】令和8年度上期 機械 問4

令和8年度上期 機械 問4の公式問題
公式問題PDFから問題文・図・選択肢を切り抜きました。

問題文

問4 定格周波数50 Hz,6 極のかご形三相誘導電動機があり,トルク200 N・m,機械出力20 kW で定格運転している。このときの二次入力(同期ワット)の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械損は無視するものとする。

(1) 19(2) 20(3) 21(4) 25(5) 27

出典:電気技術者試験センター・公式問題PDF/公式解答PDF

解答・解説

解答

(3)21 kW

  1. STEP1周波数と極数から同期速度を求める50 Hz・6極 → 1000 min⁻¹
  2. STEP2同期速度を角速度に換算する1回転=2π rad、1分=60秒
  3. STEP3二次入力を計算し、機械出力との差を確認する二次入力=トルク × 同期角速度
機械問4:条件・図・考え方・式・解答をまとめた縦長解説
解答解説:画像内で解き方と答えを確認できます。
目次

STEP1|周波数と極数から同期速度を求める

同期速度は回転磁界の速度です。1回転に必要な電気的周期がP/2周期なので、毎分の回転数は120f/Pになります。

同期速度

\[n_s=\frac{120f}{P}=\frac{120\times50}{6}=1000\ \mathrm{min^{-1}}\]

この速度は回転子の実際の回転速度ではありません。誘導電動機の回転子は、すべりの分だけ遅く回っています。

STEP2|同期速度を角速度に換算する

電力とトルクの関係で使う角速度は、毎秒何rad進むかを表す量です。毎分の回転数に2πを掛け、60で割ります。

同期角速度

\[\omega_s=\frac{2\pi n_s}{60}\]\[=\frac{2\pi\times1000}{60}\simeq104.72\ \mathrm{rad/s}\]

STEP3|二次入力を計算し、機械出力との差を確認する

回転運動では電力=トルク×角速度です。機械損を無視すると、機械出力Pm=Tω。一方、二次入力P2のうちsP2が回転子の銅損となり、残り(1−s)P2が機械出力になります。

二次入力の公式を導く

\[P_m=T\omega=(1-s)P_2\]\[\omega=(1-s)\omega_s\quad\Rightarrow\quad P_2=T\omega_s\]

このため、二次入力には実際の角速度ではなく同期角速度を使います。

数値を代入

\[P_2=200\times104.72\simeq20944\ \mathrm{W}\]\[\simeq20.94\ \mathrm{kW}\]

最も近い選択肢は(3)21 kW。

機械出力20 kWとの差は約0.94 kWで、回転子の銅損です。機械損を無視しても、回転子銅損までゼロになるわけではありません。

二次入力が回転子銅損と機械出力に分かれる電力の流れ
STEP3:二次入力は回転子銅損を含むため、機械出力より大きくなります。

最後に、3つだけ確認

同期速度は1000 min⁻¹、同期角速度は約104.72 rad/s。

二次入力はTωₛ、機械出力はTω。

機械損を無視しても、回転子銅損は残る。

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