(a)は三相の有効電力を同期角速度で割り、(b)は出力一定の条件から電流を求めて1相の電圧式を使います。与えられている400/√3 Vは相電圧です。
問題文と選択肢|【電験3種】令和8年度上期 機械 問15


問題文
問15 周波数が60 Hzの電源で駆動されている4極の三相同期電動機(星形結線)があり,端子の相電圧Vは\(400/\sqrt3\ \mathrm V\),電機子電流\(I_M\)は200 A,力率1で運転している。1相の同期リアクタンス\(x_s\)[Ω]は1.00 Ωであり,電機子の巻線抵抗,及び機械損などの損失は無視できるものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 上記の同期電動機のトルクの値[N・m]として最も近いものを,次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(b) 上記の同期電動機の端子電圧及び出力を一定にしたまま界磁電流を増やしたところ,電機子電流が\(I_{M1}\)[A]に変化し,力率cosθが\(\sqrt3/2\)(θ=30°)の進みとなった。出力が一定なので入力電力は変わらない。図はこのときの状態を説明するための1相の概略のベクトル図である。このときの1相の誘導起電力Eの値[V]として最も近いものを,次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

出典:電気技術者試験センター・公式問題PDF/公式解答PDF
解答・解説
解答
(a)(3)735 N・m / (b)(3)400 V
- STEP1同期速度と三相出力からトルクを求める(a) P=3VI、T=P/ω
- STEP2出力一定の条件から進み電流を求める(b) I₍M1₎cos30°=200 A
- STEP3電動機の電圧式から誘導起電力を求めるE=V−jxₛI₍M1₎

STEP1|同期速度と三相出力からトルクを求める
同期電動機は同期速度で回るので、n=120f/P極数=1800 min−1です。1回転は2π radなので、角速度は2πn/60=60π rad/sになります。
三相の有効電力とトルク
\[P=3VI_M\cos\theta\]\[=3\times\frac{400}{\sqrt3}\times200\simeq138564\ \mathrm W\]\[T=\frac P\omega=\frac{138564}{60\pi}\simeq735.1\ \mathrm{N\cdot m}\]
(a)は(3)735 N・m。
損失を無視するため入力電力=機械出力です。相電圧を使う三相電力の式は3VIcosθであり、√3VIcosθではありません。

STEP2|出力一定の条件から進み電流を求める
端子電圧と入力電力が変わらないので、電流の有効成分Icosθも一定です。初めは力率1で200 Aだったため、変化後も有効成分は200 Aになります。
進み力率での電流
\[I_{M1}\cos30^\circ=200\]\[I_{M1}=\frac{200}{\sqrt3/2}=\frac{400}{\sqrt3}\simeq230.94\ \mathrm A\]\[\dot I_{M1}=230.94\angle30^\circ=200+j115.47\ \mathrm A\]
進み力率なので、電流の角度は電圧を基準に+30°です。電流の大きさが200 Aのままだと考えないようにします。
STEP3|電動機の電圧式から誘導起電力を求める
電動機では、端子電圧が内部誘導起電力と同期リアクタンスの電圧降下の和になるので、V=E+jxsIです。よってEを求めるには電圧降下を引きます。
リアクタンスの電圧と誘導起電力
\[jx_s\dot I_{M1}=j\times1\times(200+j115.47)\]\[=-115.47+j200\ \mathrm V\]\[\dot E=230.94-(-115.47+j200)\]\[=346.41-j200\ \mathrm V\]\[E=\sqrt{346.41^2+200^2}=400\ \mathrm V\]
(b)は(3)400 V。
jを掛けるとベクトルは90°回転します。実数部と虚数部を分けて引き算すれば、進み電流でも符号を取り違えずに計算できます。

最後に、3つだけ確認
相電圧400/√3Vを使い、三相電力は3VIcosθ。
出力一定ではIcosθが一定で、電流の大きさは変わる。
電動機の誘導起電力はE=V−jxₛI。

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