電気設備技術基準の解釈27【電験3種 法規】金属ダクトは電線20%・制御50%・電気的接続・接地は使用電圧300V境界=(1) 令和4年度下期 A問題7 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 令和4年度下期 A問題7 ダクトの占積率が再出題!20%と50%を固める

今回は令和4年度下期 法規科目 A問題7低圧屋内配線の金属ダクト工事(電気設備技術基準の解釈第162条)に関する空欄補充問題です。電線の占積率・ダクトの接続・接地工事の条件を条文どおり押さえます。

これは令和7年度上期 問9と同一の問題です。覚える数字は「電線20%・制御50%」、接地は使用電圧300Vを境にD種/C種。ダクト相互は電気的に完全接続します。

目次

令和4年度下期 法規科目 A問題7:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和4年度下期 A問題7 問題文
令和4年度下期 法規科目 A問題7 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題7

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 令和4年度下期 A問題7

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の金属ダクト工事に関する記述である。上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

a)ダクトに収める絶縁電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む。)の総和は、ダクトの内部断面積の(ア)%以下であること。ただし、電光サイン装置、出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路、遠方操作回路、遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路をいう。)の配線のみを収める場合は、(イ)%以下とすることができる。

b)ダクト相互は、堅ろうに、かつ、(ウ)に完全に接続すること。

c)ダクトを造営材に取り付ける場合は、ダクトの支持点間の距離を3m(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所において、垂直に取り付ける場合は6m)以下とし、堅ろうに取り付けること。

d)低圧屋内配線の(エ)電圧が300V以下の場合は、ダクトには、D種接地工事を施すこと。

e)低圧屋内配線の(エ)電圧が300Vを超える場合は、ダクトには、C種接地工事を施すこと。ただし、(オ)防護措置を施す場合は、D種接地工事によることができる。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)2050電気的使用接触
(2)3248電気的対地簡易接触
(3)3248機械的使用接触
(4)3248機械的使用簡易接触
(5)2050電気的対地簡易接触
答え(ア)20・(イ)50・(ウ)電気的・(エ)使用・(オ)接触 = (1)

答えは(1):20%・50%・電気的・使用・接触

電気設備技術基準の解釈 第162条(金属ダクト工事)

a ダクトに収める絶縁電線の断面積の総和は、ダクトの内部断面積の20%以下であること。ただし、電光サイン装置、出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路、遠方操作回路、遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路)の配線のみを収める場合は、50%以下とすることができる。/b ダクト相互は、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続すること。/c 支持点間の距離は3m(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所において垂直に取り付ける場合は6m)以下とすること。/d 使用電圧300V以下はD種接地工事、300V超はC種接地工事(接触防護措置を施す場合はD種でも可)。

★「制御回路等」の中身が条文に列挙されています。

令和7年度上期 A問題9は同一問題で、占積率20%の理由を主軸にしています。

この記事は、制御回路等の定義と接地の区分を掘り下げます

★「制御回路等」に何が含まれるか

回路内容
★自動制御回路★★シーケンス制御の信号線
★遠方操作回路★★離れた場所から機器を操作する回路
★遠方監視装置の信号回路★★状態を伝送する回路
★電光サイン装置・出退表示灯★★表示用の小電力回路

共通するのは「流れる電流が小さい」ことです——発熱がほとんどありません

だから詰めても熱の問題が起きない——50%まで認められます

動力回路や電灯回路が混じれば20%——条文は「〜のみを収める場合」と限定しています。

★C種接地とD種接地の分かれ目

使用電圧接地工事接地抵抗値
★300V以下★★D種★★100Ω以下
★300V超★★C種★★10Ω以下
★300V超+接触防護措置★★D種でよい★★100Ω以下

電圧が高いほど接地抵抗を低くする——漏電時の電位上昇を抑えるためです。

ただし人が触れないなら緩和できる——接地は触れた人を守るためだからです。

「簡易接触防護措置」ではなく「接触防護措置」——厳しいほうが要求されます

★「電気的に完全に接続」が要る理由

ダクトは接地され、地絡電流の帰路になります——途中で電気的に切れていては役に立ちません

ボルトで機械的につないでも、塗装が挟まれば導通しません——だから「電気的に」と明記されています。

「堅ろうに」が機械的な要求を担っています——2つで1組です。

★金属ダクト工事が使われる場面

場面内容
★配電盤・分電盤の周囲★★多数の回路が集まる
★工場の幹線ルート★★将来の増設に備えて余裕を残す
★制御盤間の配線★★制御回路のみなら50%まで収められる

電線を1本ずつ管に通すより、まとめて収めるほうが効率的です——増設もしやすい

そのかわり、放熱と点検のために余裕が要る——20%という数字の意味です。

金属ダクト工事の他の要件

項目基準
★ダクトの板厚★★1.2mm以上の鉄板等
★終端部★★閉そくすること
★内部★★じんあいが侵入し難いようにする
★施設場所★★乾燥した展開した場所・点検できる隠蔽場所

板厚1.2mm以上は、機械的強度を確保するためです。

乾燥した場所に限られる——ライティングダクトと同じ制限です。

支持点間3mと6m

条文の言葉ダミー語違い
一般=3m以下★★一般=3m以下★垂直かつ立入不可=6m以下★★垂直なら自重が長手方向にかかりたわまない
金属ダクト・バスダクト=3m★★金属ダクト・バスダクト=3m★ライティングダクト=2m★★ダクトの種類で違う

6mになるには2つの条件が要ります——「取扱者以外が出入りできない場所」かつ「垂直」

片方だけでは3mのまま——「かつ」で結ばれているのです。

電線の許容電流と電流減少係数

同一ダクト内の電線数電流減少係数
★3本以下★★0.70
★4本★★0.63
★5〜6本★★0.56
★7〜15本★★0.49

電線を束ねると放熱が悪くなり、流せる電流が減ります——これが電流減少係数です。

占積率20%の規定は、この放熱の問題への備え——B問題の計算ともつながります

同じ問題が繰り返し出ている

年度問われ方正解番号
★令和4年度下期 問7★★5空欄(本問)★★(1)
★令和7年度上期 問9★★同一の5空欄★★(1)

3年で再出題、選択肢も正解番号も同じ——162条は確実に得点したい条文です。

20・50・電気的・使用・接触——5つを唱えれば解けます

ダクト工事の4種類を並べる

工事用途支持点間
★金属ダクト★★多数の電線をまとめて収める★★3m以下(垂直・立入不可で6m以下)
★バスダクト★★大電流を導体板で送る★★3m以下(同上6m以下)
★ライティングダクト★★照明器具を任意の位置に接続★★2m以下
★フロアダクト★★床下から電源を取り出す★★—

「ダクト」と名の付く工事は4種類——用途も数値も違います

占積率20%の規定があるのは金属ダクトだけ——バスダクトは導体そのものを収めた製品だからです。

金属管工事との比較

金属ダクト工事金属管工事
★収めるもの★★多数の絶縁電線★★少数の絶縁電線
★占積率★★20%以下★★管の太さで電線本数を決める
★管内・ダクト内の接続★★可(点検できるので)★★禁止
★接地★★300V以下D種・超C種★★同じ

金属ダクトはふたを開けて点検できます——だから内部での分岐が認められます

金属管は中が見えないので、管内接続は禁止——構造の違いが規定の違いになるのです。

施設できる場所

場所金属ダクト工事
★乾燥した展開した場所★★可
★乾燥した点検できる隠蔽場所★★可
★湿気の多い場所・水気のある場所★★不可
★点検できない隠蔽場所★★不可

点検できることが前提の工事です——だから隠蔽場所は「点検できる」場合に限られます

乾燥した場所に限る点は、ライティングダクトと同じです。

⏱️ 本番での進め方
① 占積率は20%(制御回路等のみなら50%)。
② ダクト相互は電気的に完全に接続。
③ 接地の判定は使用電圧——300V以下D種・超C種。
④ 緩和は接触防護措置——「簡易接触防護措置」ではない。

💡 覚え方
解釈162条 金属ダクト工事=①電線の断面積の総和はダクト内部断面積の20%以下(電光サイン・出退表示灯・制御回路等のみなら50%以下)②ダクト相互は堅ろうかつ電気的に完全に接続 ③支持点間3m以下(取扱者以外が出入りできない場所で垂直なら6m以下)④使用電圧300V以下はD種、300V超はC種(接触防護措置を施せばD種でも可)。

⚠️ よくある間違い
(ア)(イ)は「32%」「48%」ではなく20%・50%(ウ)は「機械的」ではなく電気的(エ)は「対地」ではなく使用電圧。(オ)は「簡易接触」ではなく接触防護措置。

まとめ

(ア)電線占積率20%以下
(イ)制御回路等のみ50%以下
(ウ)ダクト相互電気的に完全接続
(エ)接地判定使用電圧(300V境界)
接地300V以下D種・超C種
(オ)緩和/答え接触防護措置でD種/(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・低圧屋内配線 金属ダクト工事・同一問題(電気設備技術基準の解釈9):【法規】令和7年度上期 A問題9
・高圧屋内配線(電気設備技術基準の解釈26):【法規】令和4年度下期 A問題6

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