技術基準の計算12【電験3種 法規】7000V以下は1.5倍・超えたら1.25倍!22000Vの試験電圧は28750V 令和2年度 B問題12 完全解説

電験3種 法規科目 技術基準の計算 令和2年度 B問題12 7000Vが境目!22000Vの試験電圧は28750V

今回は令和2年度 法規科目 B問題12変圧器の電路の絶縁耐力試験の問題です。解釈第16条の試験電圧の表そのものが出題されており、覚えていれば即答できます。

表の骨格は3行。①最大使用電圧7 000V以下=1.5倍(500V未満なら500V)②7 000V超60 000V以下で中性点多重接地=0.92倍 ③それ以外=1.25倍(10 500V未満なら10 500V)。試験方法はいずれも連続10分間です。

目次

令和2年度 法規科目 B問題12:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 令和2年度 B問題12 問題文
令和2年度 法規科目 B問題12 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和2年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 B問題12

電験3種 法規科目 【技術基準の計算】 令和2年度 B問題12

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく変圧器の電路の絶縁耐力試験に関する記述である。

 変圧器(放電灯用変圧器、エックス線管用変圧器等の変圧器、及び特殊用途のものを除く。)の電路は、次のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。

 ① 表の中欄に規定する試験電圧を、同表の右欄で規定する試験方法で加えたとき、これに耐える性能を有すること。

 ② 日本電気技術規格委員会規格 JESC E7001(2018)「電路の絶縁耐力の確認方法」の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」により絶縁耐力を確認したものであること。

「電気設備技術基準の解釈」に基づく変圧器の電路の絶縁耐力試験に関して、図の表中の空白箇所(ア)〜(エ)及び次の(a)(b)に答えよ。

(a) 表中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)6 9001.15001.25
(2)6 9501.256001.5
(3)7 0001.56001.25
(4)7 0001.55001.25
(5)7 2001.755001.75

(b) 公称電圧22 000Vの電線路に接続して使用される受電用変圧器の絶縁耐力試験を、表の記載に基づき実施する場合の試験電圧の値[V]として、最も近いものを次の(1)〜(5)から一つ選べ。

(1)28 750 (2)30 250 (3)34 500 (4)36 300 (5)38 500 V

令和2年度 B問題12 変圧器の電路の絶縁耐力試験(試験電圧の表)
令和2年度 B問題12 変圧器の電路の絶縁耐力試験(試験電圧の表)
令和2年度 B問題12 変圧器の電路の絶縁耐力試験(試験電圧の表)
令和2年度 B問題12 変圧器の電路の絶縁耐力試験(試験電圧の表)
答え(a)7 000・1.5・500・1.25 = (4)/(b)23 000×1.25=28 750V = (1)

答えは(a)(4)・(b)28 750V

電気設備技術基準の解釈 第16条(機械器具等の電路の絶縁性能)

★変圧器の電路の試験電圧(最大使用電圧による区分)/①7 000V以下 …… 最大使用電圧の1.5倍(500V未満となる場合は500V)/②7 000V超60 000V以下で、最大使用電圧が15 000V以下かつ中性点多重接地式に接続 …… 最大使用電圧の0.92倍/③上記以外で7 000V超60 000V以下 …… 最大使用電圧の1.25倍(10 500V未満となる場合は10 500V)/★試験方法はいずれも試験電圧を連続10分間加える

★7 000Vを境に1.5倍と1.25倍——この表がそのまま出題されます。

解釈16条の表を覚えていれば即答できる問題です——取りこぼせません

★表の3行を埋める

最大使用電圧の区分試験電圧最低値
★7 000V以下★★最大使用電圧×1.5★★500V
★7 000V超60 000V以下(15 000V以下+中性点多重接地)★★最大使用電圧×0.92★★—
★7 000V超60 000V以下(上記以外)★★最大使用電圧×1.25★★10 500V

(ア)7 000・(イ)1.5・(ウ)500・(エ)1.25——4つの空欄がこの表に対応します。

「6 900」「6 950」「7 200」はダミー——区分の境目は7 000Vです。

★★0.92倍という特例

条件内容
★最大使用電圧★★7 000V超15 000V以下
★系統★★中性点多重接地式に接続されるもの
★倍率★★0.92倍

1倍より小さい倍率です——最大使用電圧より低い電圧で試験するのです。

中性点多重接地式では、地絡時の電位上昇が小さい——だから絶縁の要求も低くてよいのです。

本問の22 000Vは15 000Vを超えるので該当しません——条件を確かめてから倍率を選びます

★(b)公称電圧22 000Vの試験電圧

$$V_m = 22000 \times \dfrac{1.15}{1.1} = 23000\,\mathrm{[V]}$$
公称電圧→最大使用電圧
1 000Vを超える電路は1.15/1.1
$$23000 > 15000 \Rightarrow 0.92\text{倍は適用外}$$
0.92倍の条件を確認
15 000V以下ではない
$$V_t = 23000 \times 1.25 = 28750\,\mathrm{[V]}$$
試験電圧
(b)の答え

まず最大使用電圧に直してから倍率を掛けます——手順は変わりません

22 000×1.25=27 500Vとしないこと——公称電圧のまま掛けた誤りです。

10 500Vという最低値は、この場合は効きません——28 750Vのほうが大きいからです。

最低値が効く場面

$$V_m = 8000 \Rightarrow V_t = 8000 \times 1.25 = 10000\,\mathrm{[V]}$$
最大使用電圧8 000Vの場合
計算値は10 000V
$$10000 < 10500 \Rightarrow V_t = 10500\,\mathrm{[V]}$$
最低値10 500Vが適用される
計算値より最低値のほうが大きい

7 000Vをわずかに超える場合、最低値が効いてきます——10 500Vという下限

低圧側では500Vという下限もあります——倍率だけでは試験にならないほど電圧が小さい場合です。

倍率と最低値の両方を確認する——計算問題の落とし穴です。

解釈15条と16条の違い

条文の言葉ダミー語違い
解釈15条★★解釈15条★解釈16条★★電路の絶縁性能/機械器具等の電路の絶縁性能
電線路・母線等★★電線路・母線等★変圧器・回転機・整流器等★★対象が違う

15条は電路そのもの、16条は機械器具の電路です——試験電圧の表は似ていますが別の条文

変圧器の絶縁耐力試験は16条——本問はこちらです。

太陽電池モジュールの絶縁性能も16条(第5項)——1つの条文にまとめられています

JESC規格による代替

条文には「JESC E7001により絶縁耐力を確認したものであること」という選択肢もあります。

民間規格による確認方法を認めるもの——性能規定化の流れです。

試験の方法を1つに限定しない——技術基準の考え方です。

試験方法は連続10分間

試験電圧を連続して10分間加えます——電圧階級を問わず共通です。

変圧器の場合は、試験する巻線と他の巻線・鉄心・外箱との間——接地して試験します

「1分間」というダミーが定番です。

よく出る電圧の換算

公称電圧最大使用電圧試験電圧
★6 600V★★6 900V★★10 350V(×1.5)
★11 000V★★11 500V★★10 580V(×0.92・多重接地の場合)
★22 000V★★23 000V★★28 750V(×1.25)
★33 000V★★34 500V★★43 125V(×1.25)

11 000Vは15 000V以下なので、多重接地なら0.92倍——条件を満たすかどうかで変わります

この表を頭に入れておくと、検算に使えます

回転機・整流器の試験電圧

機器試験電圧
★回転機(7 000V以下)★★最大使用電圧の1.5倍(500V未満は500V)
★回転機(7 000V超)★★最大使用電圧の1.25倍(10 500V未満は10 500V)
★整流器(60 000V以下)★★直流側の最大使用電圧の1倍の交流(500V未満は500V)
★太陽電池モジュール・燃料電池★★直流1.5倍又は交流1倍(500V未満は500V)

16条は機器ごとに項が分かれています——変圧器・回転機・整流器・太陽電池

倍率が似ているので、どの機器の話かを確認します。

⏱️ 本番での進め方
① 区分の境目は7 000V——1.5倍と1.25倍。
② 最低値は500V(7 000V以下)/10 500V(7 000V超)
0.92倍は15 000V以下かつ中性点多重接地の場合のみ。
④ まず最大使用電圧に直してから倍率を掛ける。

💡 覚え方
解釈16条 変圧器の電路の試験電圧=①最大使用電圧7 000V以下は1.5倍(500V未満は500V)②7 000V超60 000V以下で15 000V以下かつ中性点多重接地式なら0.92倍 ③それ以外の7 000V超60 000V以下は1.25倍(10 500V未満は10 500V)。試験方法は連続10分間。

⚠️ よくある間違い
区分の境目は「6 900V」「7 200V」ではなく7 000V公称電圧のまま倍率を掛けない——先に最大使用電圧(×1.15/1.1)に直す。

まとめ

(ア)7 000(V以下)
(イ)1.5(倍)
(ウ)500(V未満は500V)
(エ)1.25(倍)
(b)最大使用電圧22 000×1.15/1.1=23 000 V
(b)試験電圧23 000×1.25=28 750 V →(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・6600V電路の絶縁性能(電技省令23):【法規】令和2年度 A問題3
・高圧ケーブルの絶縁耐力試験(技術基準の計算11):【法規】令和3年度 B問題12

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