電気設備技術基準の解釈67【電験3種 法規】爆発危険場所で不適切はキャブタイヤケーブル=(3) 平成27年度 A問題8 完全解説

電験3種 法規科目 電気設備技術基準の解釈 平成27年度 A問題8 爆発の危険がある場所!使えるケーブルはどれ?

今回は平成27年度 法規科目 A問題8可燃性ガスが漏れ又は滞留し爆発するおそれがある場所の屋内配線(電気設備技術基準の解釈第176条)に関する問題です。金属管工事・ケーブル工事の工事例から、不適切なものを選びます。

ポイントは「爆発危険場所では金属管工事又はケーブル工事」「ケーブルはキャブタイヤケーブル以外」「金属管は薄鋼電線管以上・5山以上ねじ込み」。キャブタイヤケーブルが使えない点が最大の引っかけです。

目次

平成27年度 法規科目 A問題8:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成27年度 A問題8 問題文
平成27年度 法規科目 A問題8 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成27年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題8

電験3種 法規科目 【電気設備技術基準の解釈】 平成27年度 A問題8

 次の文章は、可燃性のガスが漏れ又は滞留し、電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所の屋内配線に関する工事例である。「電気設備技術基準の解釈」に基づき、不適切なものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)金属管工事により施設し、薄鋼電線管を使用した。
(2)金属管工事により施設し、管相互及び管とボックスその他の附属品とを5山以上ねじ合わせて接続する方法により、堅ろうに接続した。
(3)ケーブル工事により施設し、キャブタイヤケーブルを使用した。
(4)ケーブル工事により施設し、MIケーブルを使用した。
(5)電線を電気機械器具に引き込むときは、引込口で電線が損傷するおそれがないようにした。

答え不適切なのは(3)——キャブタイヤケーブルは使用できない = (3)

答えは(3):キャブタイヤケーブルは使えない

電気設備技術基準の解釈 第176条(可燃性ガス等の存在する場所の施設)

可燃性のガス又は引火性物質の蒸気が漏れ又は滞留し、電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所における屋内配線等は、次のいずれかにより施設すること。/一 金属管工事により、薄鋼電線管又はこれと同等以上の強度を有するものを使用し、管相互及び管とボックスその他の附属品とを5山以上ねじ合わせて接続する方法により堅ろうに接続する/二 ケーブル工事により、キャブタイヤケーブル以外のケーブルを使用する/三 電線を電気機械器具に引き込むときは、引込口で電線が損傷するおそれがないようにすること

★工事は2つだけ、しかもキャブタイヤケーブルは除かれます。

爆発危険場所では、電気設備が「点火源」になってはいけません——火花も高温も許されないのです。

★なぜキャブタイヤケーブルが除かれるのか

条文の言葉ダミー語違い
キャブタイヤケーブル★★キャブタイヤケーブル★その他のケーブル★★移動用で外傷を受けやすい/固定配線用で堅ろう
可とう性を優先★★可とう性を優先★機械的保護を優先★★設計思想が違う

キャブタイヤケーブルは動かして使うことを前提にした電線です——柔らかいぶん、傷つきやすい

被覆が破れて短絡すれば、火花が出ます——爆発危険場所では致命的です。

だから「キャブタイヤケーブル以外」と明示されています

★「5山以上ねじ合わせて」の意味

金属管の接続部にねじ山が5山以上かみ合っていることを求めます——ねじ込み長さの規定です。

浅くねじ込むと、隙間からガスが管内に入ります——管内で火花が出れば、そこから爆発が伝播します。

5山以上あれば、ねじの隙間がガスの通り道を絶ちます——これが耐圧防爆の考え方です。

★爆発を防ぐ3つの発想

方式考え方
★耐圧防爆★★容器内で爆発しても外に伝えない(5山ねじ込みはこれ)
★内圧防爆★★容器内に清浄空気を送り、ガスの侵入を防ぐ
★本質安全防爆★★そもそも点火エネルギーを持たせない

爆発の3要素は「可燃物・酸素・点火源」です——電気設備が担うのは点火源をなくすこと

ガスと酸素は現場の性質上なくせません——だから点火源を徹底的に断つのです。

★MIケーブルとは

Mineral Insulated——無機物(酸化マグネシウム)で絶縁し、銅管で覆ったケーブルです。

絶縁物が燃えないので、耐熱性・耐火性が極めて高い——800℃以上でも機能を保ちます

だから爆発危険場所や消防設備の配線に使われます——設問(4)が適切とされる根拠です。

危険場所の区分

区分内容
★0種場所★★爆発性雰囲気が連続して存在する
★1種場所★★通常の状態で爆発性雰囲気を生じるおそれがある
★2種場所★★異常時にのみ爆発性雰囲気を生じるおそれがある

危険度に応じて、使える機器の防爆構造が変わります——0種場所には本質安全防爆のみ

解釈176条は場所を細分せず、共通の最低要件を定めています

解釈175条〜178条の並び

対象
★第175条★★粉じんの多い場所
★第176条★★可燃性ガス等の存在する場所
★第177条★★危険物等の存在する場所
★第178条★★火薬庫の電気設備

危険な場所の条文がまとまって並びます——いずれも「点火源にしない」が共通の趣旨です。

火薬庫は最も厳しく、電気設備そのものを原則置きません

粉じんの多い場所(175条)との違い

爆燃性粉じん可燃性ガス等
★工事★★金属管工事・ケーブル工事★★金属管工事・ケーブル工事
★キャブタイヤ★★不可★★不可
★ねじ込み★★5山以上★★5山以上

爆燃性粉じん(マグネシウム粉等)は、ガスと同等の扱いです——要件もほぼ同じ

可燃性粉じん(小麦粉等)はやや緩く、合成樹脂管工事も認められます

引込口で電線を損傷させない

電線が機器に入る場所は、被覆が擦れやすい箇所です——金属の縁が当たります

そこで被覆が破れれば、機器の内部で地絡・短絡します——火花の発生源になります。

だからブッシングを入れる等の措置をとります——設問(5)が適切とされる根拠です。

実際にどんな場所が該当するか

場所可燃性ガス等
★塗装ブース★★シンナーの蒸気
★給油所★★ガソリンの蒸気
★化学プラント★★各種の可燃性ガス
★下水処理場★★メタン・硫化水素

身近な給油所も、爆発危険場所として設計されています——照明も配線もすべて防爆仕様です。

条文が守っているのは、こうした現場の安全です。

粉じんの多い場所の施設(解釈175条)

粉じんの種類使える工事
★爆燃性粉じん(マグネシウム・アルミニウム等)★★金属管工事又はケーブル工事(キャブタイヤ以外)
★可燃性粉じん(小麦粉・でん粉等)★★金属管・ケーブル・合成樹脂管工事
★その他の粉じん★★粉じんが侵入し難いように施設する

爆燃性粉じんは可燃性ガスと同じ扱い——金属の粉は着火すると激しく燃えるからです。

可燃性粉じんはやや緩く、合成樹脂管も認められます——危険度に応じた段階です。

危険物等の存在する場所(解釈177条)

項目内容
★対象★★セルロイド・マッチ・石油類その他の燃えやすい危険物
★工事★★金属管・ケーブル・合成樹脂管工事
★移動電線★★1種キャブタイヤケーブル以外のキャブタイヤケーブル

危険物の場所では合成樹脂管工事も認められます——爆発性の雰囲気ではないからです。

移動電線にキャブタイヤが使える点も、爆発危険場所との違いです。

火薬庫の電気設備(解釈178条)

火薬庫内には、原則として電気設備を施設できません——照明設備等の必要最小限に限られます

対地電圧は150V以下、電線は金属管工事又はケーブル工事——引込口には開閉器を設け、火薬庫外に施設します

最も厳しい規定——危険度に応じて条文が並んでいることがわかります

⏱️ 本番での進め方
① 工事は金属管工事又はケーブル工事の2択。
② ケーブルはキャブタイヤケーブル以外——移動用は不可。
③ 金属管は薄鋼電線管以上・5山以上ねじ込み
引込口で電線を損傷させない

💡 覚え方
解釈176条=可燃性ガス等の存在する場所の屋内配線は①金属管工事(薄鋼電線管以上、管相互・管とボックス等は5山以上ねじ合わせて堅ろうに接続)②ケーブル工事(キャブタイヤケーブル以外)のいずれか。電線を電気機械器具に引き込むときは、引込口で電線が損傷するおそれがないようにする。

⚠️ よくある間違い
キャブタイヤケーブルは使えない——移動用で外傷を受けやすいため。ねじ込みは「3山」ではなく5山以上。MIケーブルは無機絶縁で耐火性が高く、適切。

まとめ

(1)金属管薄鋼電線管以上→適切
(2)接続5山以上ねじ込み→適切
(3)ケーブルキャブタイヤは不可→不適切
(4)MIケーブル使用可→適切
(5)引込口電線を損傷させない→適切/答え(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・低高圧架空電線の高さ及び離隔距離(電気設備技術基準の解釈66):【法規】平成27年度 A問題7
・分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義(電気設備技術基準の解釈68):【法規】平成27年度 A問題9

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