今回は平成19年度 法規科目 A問題5、発電所等への立入の防止の空欄補充問題です。柵・塀・表示という基本的な安全対策の根拠条文です。
覚えるのは4語。対象は高圧又は特別高圧の機器・母線、表示は危険である旨、立ち入らせないのは構内、そして地中電線路の地中箱(マンホール)にも立入防止が必要です。
平成19年度 法規科目 A問題5:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成19年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題5
電験3種 法規科目 【電技省令】 平成19年度 A問題5
次の文章は、「電気設備技術基準」における発電所等への取扱者以外の者の立入の防止に関する記述である。
(ア)の電気機械器具、母線等を施設する発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所には、取扱者以外の者に電気機械器具、母線等が(イ)である旨を表示するとともに、当該者が容易に(ウ)に立ち入るおそれがないように適切な措置を講じなければならない。
地中電線路に施設する(エ)は、取扱者以外の者が容易に立ち入るおそれがないように施設しなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(注)平成19年度は公式問題PDFが公表されていないため、条文と過去問データに基づいて問題文を再構成しています。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (1) 特別高圧 高電圧 構内 換気口 (2) 高圧 危険 区域内 地中箱 (3) 高圧又は特別高圧 高電圧 施設内 地中箱 (4) 特別高圧 充電中 区域内 換気口 (5) 高圧又は特別高圧 危険 構内 地中箱

答えは(5):高圧又は特別高圧・危険・構内・地中箱
(ア)は「高圧又は特別高圧」——特別高圧だけに限りません。
(イ)は「危険」・(ウ)は「構内」——専門知識のない人に伝わるのは「危険」の一語です。
(エ)は「地中箱」——マンホール・ハンドホールのことです。
★なぜ高圧から対象になるのか
| 電圧区分 | 立入防止 | 理由 |
| ★低圧 | ★対象外 | ★★充電部の防護など別の規定で守る |
| ★高圧 | ★★対象 | ★★触れれば致命的 |
| ★特別高圧 | ★★対象 | ★★近づくだけでも危険 |
6.6kVでも、触れれば命に関わります——だから高圧から対象になっています。
低圧が対象外なのは、別の規定で守られているからです——規制がないわけではありません。
★「危険である旨」という表示
表示するのは「危険である旨」です——「高電圧である旨」でも「充電中である旨」でもありません。
専門知識のない人に伝わるのは「危険」という一語だからです——「6600V」と書いても、意味が分からない人には響きません。
電気さくの表示も同じく「危険である旨」です——電技の一貫した考え方です。
誰に何を伝えるかを考えた条文だと理解しましょう。
★地中箱も立入防止の対象
| 内容 | |
| ★地中箱とは | ★★マンホール・ハンドホール |
| ★中にあるもの | ★★ケーブルの接続部・分岐部 |
| ★対策 | ★★施錠・重量ふた |
ふたが簡単に開いては危険です——子どもが落ちる事故も想定されます。
「換気口」は地中箱の付属設備で、立入の対象にはなりません——人が入れる大きさではないからです。
「構内」という語
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 高圧又は特別高圧 | ★★高圧又は特別高圧 | ★特別高圧のみ | ★★高圧から対象になる |
| 危険である旨 | ★★危険である旨 | ★高電圧である旨 | ★★誰にでも伝わる語を使う |
| 構内 | ★★構内 | ★区域内・施設内 | ★★電気事業法・電技で使われる語 |
「構内」は電気事業法でも電技でも一貫して使われる語です——一般用電気工作物の定義にも出てきます。
「区域内」「施設内」という語は使いません——法令用語は揃えられているのです。
具体的にどんな措置をするのか
| 措置 | 内容 |
| ★さく・へい | ★★物理的に入れなくする |
| ★施錠 | ★★出入口に鍵をかける |
| ★表示 | ★★危険である旨を掲げる |
物理的な障壁と、注意を促す表示の両方が求められます——どちらか一方では足りないのです。
解釈第38条には、さくの高さと充電部までの距離の和が具体的に定められています——35kVで5m、160kVで6mなどです。
「取扱者以外の者」とは
電気の取扱いに慣れていない人を指します——一般の人や、他業種の作業員です。
取扱者は、危険を知ったうえで必要な手順を踏んで入ります——だから立入を制限する必要がありません。
知識のある人とない人で扱いを分ける——法規のあちこちに出てくる考え方です。
充電部の防護との違い
| 規定 | 守り方 | 対象 |
| ★立入の防止(23条) | ★★場所に入れなくする | ★★高圧・特別高圧の設備 |
| ★充電部の防護(第9条ほか) | ★★充電部を覆う・囲う | ★★電気機械器具 |
場所ごと囲うか、機器ごと覆うか——アプローチが違います。
低圧では機器単位の防護、高圧以上では場所単位の防護——危険の大きさに応じた使い分けです。
さくの高さと距離の和
| 使用電圧 | さくの高さと充電部までの距離の和 |
| ★35kV以下 | ★★5m以上 |
| ★35kV超160kV以下 | ★★6m以上 |
| ★160kV超 | ★★6m+10kVごとに0.12mを加える |
解釈第38条が、省令の「適切な措置」を具体化しています——高さと距離の「和」で決めるのが特徴です。
さくを高くすれば、充電部を近づけられます——設計の自由度を残した決め方です。
表示の実物
変電所の柵には「危険 立入禁止」という札が掛かっています——あれがこの条文にもとづく表示です。
電圧の値ではなく「危険」と書かれているのは、誰にでも伝わるようにするためです。
髑髏マークや稲妻マークが添えられることもあります——文字が読めない人にも伝える工夫です。
地中箱に潜む危険
| 危険 | 内容 |
| ★感電 | ★★ケーブルの接続部に触れる |
| ★酸欠 | ★★換気が悪く酸素が薄い |
| ★可燃性ガス | ★★滞留して爆発する |
地中箱は、電気以外の危険もある閉鎖空間です——だから立入を厳しく制限します。
取扱者が入るときも、換気とガス検知を行います——解釈第120条にも爆発防止の規定があります。
この条文は、電気設備がある場所への「入口」を守っています——中の設備をいくら安全にしても、入られては意味がないのです。
だから物理的な障壁と表示の両方が求められます。
取扱者が守るべきこと
取扱者であっても、無条件に近づけるわけではありません——停電確認・検電・接地が基本の手順です。
立入を制限するのは、知識のない人を守るため——取扱者は手順で自分を守ります。
⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「高圧又は特別高圧」——特別高圧だけに絞らない。
② (イ)は「危険」である旨。高電圧・充電中はダミー。
③ (ウ)は「構内」。区域内・施設内という語は使わない。
④ (エ)は「地中箱」——換気口は立入の対象ではない。
出題履歴——基本的な安全対策の条文
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成19年度 問5 | ★★立入の防止(本問) |
| ★平成23年度 問5 | ★★常時監視をしない発電所等 |
| ★令和4年度下期 問3 | ★★高圧機器の危険の防止 |
変電所の周りに柵があり、危険の表示がある——その根拠がこの条文です。
身近な光景と条文が結びつくと、忘れにくくなります——次に変電所を見たら、思い出してみてください。
💡 覚え方
電技23条=高圧又は特別高圧の電気機械器具・母線等を施設する発電所・変電所・開閉所等には危険である旨を表示し、取扱者以外の者が容易に構内に立ち入らないよう措置。地中電線路の地中箱も立入防止。
⚠️ よくある間違い
対象を「特別高圧」だけに絞らない——高圧又は特別高圧。表示は「高電圧」「充電中」ではなく危険である旨。「区域内」「施設内」ではなく構内。
まとめ
| (ア) | 高圧又は特別高圧 |
| (イ) | 危険(である旨の表示) |
| (ウ) | 構内 |
| (エ) | 地中箱 |
| 根拠 | 電技 第23条 |
| 答え | (5) |
▼あわせて解きたい関連問題
・高圧機器の危険の防止(電技省令17):【法規】令和4年度下期 A問題3
・常時監視をしない発電所等(電技省令41):【法規】平成23年度 A問題5

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