電技省令49【電験3種 法規】故障時のアーク放電で他の電線を損傷させない・洞道には防火措置 平成18年度 A問題3 完全解説

電験3種 法規科目 電技省令 平成18年度 A問題3 地中電線の事故が広がらない!洞道には防火措置

今回は平成18年度 法規科目 A問題3地中電線等の施設の空欄補充問題です。この条文は平成30年度 A問題3・令和5年度下期 A問題5でも繰り返し出題されている超頻出テーマです。

核は2つ。他の設備を損傷させる原因は故障時のアーク放電(短絡電流ではない)。そして内部で作業が可能な地中電線路(洞道)には防火措置(防水措置ではない)。

目次

答えは(5):他の電線・アーク放電・防火措置

電気設備に関する技術基準を定める省令 第30条・第47条

a 地中電線、屋側電線及びトンネル内電線その他の工作物に固定して施設する電線は、他の電線、弱電流電線等又は管と接近し、又は交さする場合には、故障時のアーク放電により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。/b 地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには、防火措置を講じなければならない。

★地中でも守るのは「火」——防水措置ではありません。

(ア)は「他の電線」——「他の絶縁電線」に限定しません

(イ)は「アーク放電」——数千℃のアークが隣のケーブルを焼き切ります

(ウ)は「防火措置」——地中だから水を連想しがちですが、条文が求めるのは火への備えです。

平成18年度 法規科目 A問題3:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 法規科目 配電 平成18年度 A問題3 問題文
平成18年度 法規科目 A問題3 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成18年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題3

電験3種 法規科目 【電技省令】 平成18年度 A問題3

 次の文章は、「電気設備技術基準」における地中電線等の施設に関する記述である。

 a. 地中電線、屋側電線及びトンネル内電線その他の工作物に固定して施設する電線は、(ア)、弱電流電線等又は管と接近し、又は交さする場合には、故障時の(イ)により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。

 b. 地中電線路のうちその内部で作業が可能なものには、(ウ)を講じなければならない。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(注)平成18年度は公式問題PDFが公表されていないため、条文と過去問データに基づいて問題文を再構成しています。

(ア)(イ)(ウ)
(1)他の電線アーク放電防水措置
(2)他の電線短絡電流防火措置
(3)他の絶縁電線短絡電流防水措置
(4)他の絶縁電線アーク放電防水措置
(5)他の電線アーク放電防火措置
答え(ア)他の電線・(イ)アーク放電・(ウ)防火措置 = (5)

★アーク放電がなぜ危険なのか

内容
★温度★★数千℃に達する
★発生する場面★★短絡・地絡の瞬間、遮断器が電流を切る瞬間
★被害★★隣接するケーブルの被覆を焼き切る

短絡電流そのものは、電線の中を流れるだけです——隣の設備を直接焼くのはアークです。

電流が流れる→アークが飛ぶ→隣を焼く——この因果を押さえれば、(イ)は迷いません

★洞道の火災はなぜ怖いのか

条件結果
★密閉空間★★煙と熱が逃げない
★可燃物が多い★★ケーブルの被覆が延焼を助ける
★退避が困難★★出入口が限られ、逃げ場がない

内部で作業が可能な地中電線路=洞道(とうどう)です——人が入れるトンネル状の設備を指します。

そこで火災が起これば、中の作業者の生命に関わります——だから防火措置が義務づけられているのです。

1984年の世田谷ケーブル火災は、洞道火災の代表例です——大規模な通信障害を引き起こしました

防火措置の具体例

措置内容
★難燃性ケーブル★★燃え広がりにくい被覆を使う
★延焼防止塗料★★ケーブルの表面に塗る
★防火壁・防火区画★★区間を区切って延焼を止める
★自動消火設備★★早期に消火する

省令は「防火措置」としか書いていません——方法は問わない性能規定です。

具体的な内容は解釈第120条などに示されています

「他の電線等」という定義

条文の言葉ダミー語違い
他の電線★★他の電線★他の絶縁電線★★裸電線でもケーブルでも守る対象
アーク放電★★アーク放電★短絡電流★★隣を焼くのはアーク
防火措置★★防火措置★防水措置★★地中でも守るのは火

条文は「他の電線、弱電流電線等又は管(以下「他の電線等」という。)」とその場で定義しています

条文が用語をその場で定義するときは、広い言葉が選ばれます——限定する語(絶縁電線)はダミーだと考えてよいでしょう。

弱電流電線等も守る対象

弱電流電線とは、通信線や制御線のことです——電力を送るのではなく信号を送る線です。

アークで焼かれれば、通信が途絶えます——電力線の事故が通信障害を起こすのです。

「管」はガス管や水道管を指します——ガス管を焼けば爆発の危険もあるのです。

地中電線路のその他の規定

規定内容
★重量物の圧力に耐える★★車両などの荷重に耐える構造
★埋設表示★★物件の名称・管理者名・電圧を約2m間隔で表示
★土冠★★直接埋設式は車両圧力を受ける場所で1.2m以上

掘削工事でケーブルを傷つける事故を防ぐための規定です——埋設表示は約2m間隔という数字が問われます。

解釈第120条にまとまっています——省令47条の具体化です。

接近・交さとは

意味
★接近★★近くに並んで施設されること
★交さ★★立体的に交わること
★離隔距離★★アークが届かないよう確保すべき間隔

どちらも、事故が隣に波及しうる位置関係です——だから条文が並べて挙げています

解釈第125条には、地中電線相互の離隔距離が定められています——低圧と高圧で0.15m、高圧と特別高圧で0.3mなどです。

離隔できないときの代替措置

方法条件
★堅ろうな耐火性の隔壁を設ける★★離隔距離を確保しなくてよい
★いずれかを不燃性の管に収める★★同上
★それぞれを自消性のある難燃性の管に収める★★同上

「いずれか」は不燃性、「それぞれ」は自消性のある難燃性——片方だけなら強い材料、両方なら少し緩い材料です。

解釈第125条の頻出ポイントです——「いずれか/それぞれ」の対比で覚えましょう

屋側電線・トンネル内電線も対象

条文は地中電線だけでなく、屋側電線・トンネル内電線も挙げています——工作物に固定して施設する電線が広く対象です。

いずれも、電線が密集して施設される場所です——アークが隣に届きやすいのです。

架空電線が対象でないのは、空間が十分にあるから——条文が場所を限定している理由です。

管路式・暗きょ式・直接埋設式

方式特徴
★管路式★★管を埋設し、後からケーブルを通す
★暗きょ式★★洞道など人が入れる構造
★直接埋設式★★ケーブルを直接土中に埋める

防火措置が要るのは、暗きょ式のうち内部で作業が可能なものです——人が入れるかどうかが分かれ目です。

直接埋設式には土冠1.2m(車両圧力を受ける場所)の規定があります

なぜ地中に電線を通すのか

景観がよくなり、台風や雪による断線もなくなります——災害に強いのが最大の利点です。

いっぽうで、建設費が高く、故障箇所を見つけにくい——掘り返さないと直せません

だから都市部を中心に、少しずつ進められています

アーク放電と防火措置——この2語が本問の核心です——地中でも守るのは火だと押さえましょう。

⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「他の電線」——絶縁電線に限定しない。
② (イ)は「アーク放電」。短絡電流は電流そのものの名前。
③ (ウ)は「防火措置」——地中でも守るのは火。
④ 洞道=内部で作業が可能な地中電線路

出題履歴——3回出ている超頻出条文

年度問われ方
★平成18年度 問3★★本問
★平成30年度 問3★★同条文
★令和5年度下期 問5★★同条文

18年間に3回出題されています——電技のなかでも出題頻度の高い条文です。

アーク放電と防火措置——この2語だけで正解にたどり着けます——覚える量に対して得点効率が高いのです。

💡 覚え方
電技30条=地中電線等が他の電線等と接近・交さする場合、故障時のアーク放電で損傷させない。電技47条=地中電線路は重量物の圧力に耐え・埋設表示、内部で作業が可能なものは防火措置。

⚠️ よくある間違い
「他の絶縁電線」に限定しない「短絡電流」ではなくアーク放電「防水措置」ではなく防火措置——地中でも守るのは火。

まとめ

(ア)他の電線
(イ)アーク放電
(ウ)防火措置
関連出題H30問3・R05下問5
答え(5)

▼あわせて解きたい関連問題
・同条文の問題(電技省令28):【法規】平成30年度 A問題3
・同条文の問題(電技省令11):【法規】令和5年度下期 A問題5

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