水力14【電験3種 電力】吸出し管は反動水車用(ペルトンには使わない)!水力発電の誤りを判定する 令和4年度上期 A問題1 完全解説

電験3種 電力科目【水力】令和4年度上期 A問題1 誤りは(3):吸出し管は反動水車(フランシス・カプラン)用。衝動水車のペルトンには用いない

今回は令和4年度上期 電力科目 A問題1を解説します。水力発電に関する5つの記述(磁極数、AVRと調速機、吸出し管、遠隔監視制御、カプラン水車)のうち、誤っているものを選ぶ問題です。

吸出し管(ドラフトチューブ)は反動水車(フランシス・カプラン)専用です。ペルトン水車は衝動水車でランナが大気中にあるため吸出し管は使いません——この区別が最大のポイントです。

出題のポイント

目次

令和4年度上期 電力科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 水力 令和4年度上期 A問題1 問題文
令和4年度上期 電力科目 A問題1 問題文

電験3種 電力科目 【水力】 令和4年度上期 A問題1

 水力発電に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)水車発電機の回転速度は、汽力発電と比べて小さいため、発電機の磁極数は多くなる。
(2)水車発電機の電圧の大きさや周波数は、自動電圧調整器や調速機を用いて制御される。
(3)フランシス水車やペルトン水車などで用いられる吸出し管は、水車ランナと放水面までの落差を有効に利用し、水車の出力を増加する効果がある。
(4)我が国の大部分の水力発電所において、水車や発電機の始動・運転・停止などの操作は遠隔監視制御方式で行われ、発電所は無人化されている。
(5)カプラン水車は、プロペラ水車の一種で、流量に応じて羽根の角度を調整することができるため部分負荷での効率の低下が少ない。

ポイント解説:誤りは(3)—吸出し管は反動水車専用、ペルトンには用いない

吸出し管(ドラフトチューブ)は、ランナ出口から放水面までの落差を有効に利用して水車出力を増加させる装置で、反動水車(フランシス水車・カプラン水車・プロペラ水車)に用いられる。一方ペルトン水車は衝動水車で、ランナは大気中に置かれ噴流の衝撃力だけで回転するため、吸出し管は用いない。(3)は「フランシス水車やペルトン水車などで用いられる吸出し管」としており誤り。よって答えは(3)。

他は正しい:(1)水車発電機は汽力(タービン)発電機より回転速度が小さいので、N=120f/pより磁極数が多くなる。(2)電圧の大きさは自動電圧調整器(AVR)、周波数(回転速度)は調速機(ガバナ)で制御する。(4)我が国の大部分の水力発電所は遠隔監視制御方式で運用され無人化されている。(5)カプラン水車はプロペラ水車の一種で、可動羽根により流量に応じて羽根の角度を調整でき部分負荷での効率低下が少ない。

問題の解説

STEP1 (3)が誤りの理由

吸出し管は反動水車(フランシス・カプラン)に用いる。ペルトン(衝動水車)はランナが大気中なので用いない。

STEP2 他の選択肢の確認

(1)低速→磁極数が多い、(2)AVRと調速機、(4)遠隔監視制御で無人化、(5)カプランは可動羽根。いずれも正しい。

STEP3 結論

誤っているのは(3)

答え:(3)

💡 覚え方
吸出し管=反動水車(フランシス・カプラン・プロペラ)専用。ランナ出口〜放水面の落差を回収して出力を増やす。ペルトン(衝動水車)はランナが大気中なので吸出し管なし。水車発電機は低速→磁極数が多い。電圧はAVR、周波数は調速機。

⚠️ よくある間違い
吸出し管をペルトンに使うとするのは誤り(反動水車のみ)。衝動水車=ペルトン、反動水車=フランシス・カプラン・プロペラ。この対応を必ず押さえる。

まとめ

(3)誤り吸出し管は反動水車用。ペルトン(衝動)には使わない
(1)低速→N=120f/pで磁極数多い(正)
(2)AVRで電圧・調速機で周波数(正)
(4)遠隔監視制御方式で無人化(正)
(5)カプランは可動羽根で部分負荷に強い(正)

▼あわせて解きたい関連問題
・衝動水車ペルトンの原理と特徴(水力13):【電力】令和4年度下期 A問題2

・この年度の問題を通しで解く:電験3種 令和4年度上期 問題一覧(全4科目)

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