水力24【電験3種 電力】ダムの種類(重力・アーチ・ロックフィル・アース・取水)の誤りを判定する!平成29年度 A問題1 完全解説

電験3種 電力科目【水力】平成29年度 A問題1 誤りは(4):アースダムは基礎地盤が強固な岩でなくても築造できる(「岩などで強固な場合にのみ」ではない)

今回は平成29年度 電力科目 A問題1を解説します。水力発電所に用いられるダム(重力ダム・アーチダム・ロックフィルダム・アースダム・取水ダム)の種別と特徴に関する5つの記述のうち、誤っているものを選ぶ問題です。

強固な岩盤が必須なのはアーチダム(外力を両岸の岩盤で支えるため)。逆にフィルダム(ロックフィル・アース)は地盤条件が緩く、軟弱な基礎でも築造できる——この対比が引っかけどころです。

出題のポイント

目次

平成29年度 電力科目 A問題1:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 水力 平成29年度 A問題1 問題文
平成29年度 電力科目 A問題1 問題文

電験3種 電力科目 【水力】 平成29年度 A問題1

 水力発電所に用いられるダムの種別と特徴に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(1)重力ダムとは、コンクリートの重力によって水圧などの外力に耐えられるようにしたダムであって、体積が大きくなるが構造が簡単で安定性が良い。我が国では、最も多く用いられている。
(2)アーチダムとは、水圧などの外力を両岸の岩盤で支えるようにアーチ型にしたダムであって、両岸の幅が狭く、岩盤が丈夫なところに作られ、コンクリートの量を節減できる。
(3)ロックフィルダムとは、岩石を積み上げて作るダムであって、内側には、砂利、アスファルト、粘土などが用いられている。ダムは大きくなるが、資材の運搬が困難で建設地付近に岩石や砂利が多い場所に適している。
(4)アースダムとは、土壌を主材料としたダムであって、灌漑用の池などを作るのに適している。基礎の地質が、岩などで強固な場合にのみ採用される。
(5)取水ダムとは、水路式発電所の水路に水を導入するため河川に設けられるダムであって、ダムの高さは低く、越流形コンクリートダムなどが用いられている。

ポイント解説:誤りは(4)—アースダムは軟弱な基礎地盤でも築造できる

アースダムは土壌(土質材料)を主材料とするフィルダムで、灌漑用の池などを作るのに適している。フィルダムは自重を底面に広く分散させられるため、基礎地盤が強固な岩でなくても(比較的軟弱な地盤でも)築造できるのが大きな特徴である。(4)は「基礎の地質が、岩などで強固な場合にのみ採用される」としており誤り。強固な岩盤が必須なのはむしろアーチダムである。よって答えは(4)。

他は正しい:(1)重力ダムはコンクリートの重力で外力に耐え、体積は大きくなるが構造が簡単で安定性がよく、我が国で最も多く用いられている。(2)アーチダムは外力を両岸の岩盤で支えるアーチ型で、両岸の幅が狭く岩盤が丈夫な場所に作られ、コンクリート量を節減できる。(3)ロックフィルダムは岩石を積み上げ、内側に砂利・アスファルト・粘土などを用いる。ダムは大きくなるが、資材運搬が困難で建設地付近に岩石や砂利が多い場所に適する。(5)取水ダムは水路式発電所の水路へ導水するため河川に設ける高さの低いダムで、越流形コンクリートダムなどが用いられる。

問題の解説

STEP1 (4)が誤りの理由

アースダム(フィルダム)は軟弱な基礎地盤でも築造できるのが利点。強固な岩盤が必須なのはアーチダム。

STEP2 他の選択肢の確認

(1)重力ダム=我が国最多・構造簡単、(2)アーチダム=両岸岩盤・コンクリート節減、(3)ロックフィルダム=現地の岩石利用、(5)取水ダム=低い越流形。いずれも正しい。

STEP3 結論

誤っているのは(4)

答え:(4)

💡 覚え方
ダムの種類:重力ダム(コンクリートの重力・我が国最多・構造簡単で安定)/アーチダム(両岸の岩盤で支える・幅が狭く岩盤が丈夫な所・コンクリート節減)/ロックフィルダム(岩石積み・現地材料利用)/アースダム(土質材料・灌漑池・軟弱地盤でも可)/取水ダム(水路式への導水・高さが低い越流形)。

⚠️ よくある間違い
アースダムは「強固な岩盤が必須」ではない(軟弱地盤でも築造できるのが利点)。強固な岩盤が必要なのはアーチダム。フィルダム(ロックフィル・アース)は現地材料を使え地盤条件も緩い。

まとめ

(4)誤りアースダムは軟弱地盤でも築造可(岩盤必須ではない)
(1)重力ダム=我が国最多・構造簡単(正)
(2)アーチダム=両岸岩盤・コンクリート節減(正)
(3)ロックフィルダム=現地の岩石・砂利を利用(正)
(5)取水ダム=高さが低い越流形(正)

▼あわせて解きたい関連問題
・調整池式発電所の日調整運用(水力23):【電力】平成30年度 B問題15

・この年度の問題を通しで解く:電験3種 平成29年度 問題一覧(全4科目)

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