水力27【電験3種 電力】水車発電機(突極機)とタービン発電機(円筒機)・鉄機械の利点を攻略!平成28年度 A問題2 完全解説

電験3種 電力科目【水力】平成28年度 A問題2 (ア)突極機・(イ)円筒機・(ウ)大きく・(エ)小さく・(オ)線路充電容量→(1)

今回は平成28年度 電力科目 A問題2を解説します。発電所に用いられる同期発電機である水車発電機タービン発電機の特徴(回転子の形式、鉄機械・銅機械、短絡比と同期インピーダンス)の空欄を補充する問題です。

水車発電機は低速で磁極を多くとる突極機、タービン発電機は高速で遠心力に耐える円筒機。そして鉄機械(水車発電機)は短絡比が大きく同期インピーダンスが小さい——この2軸で整理すると解けます。

出題のポイント

目次

平成28年度 電力科目 A問題2:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 水力 平成28年度 A問題2 問題文
平成28年度 電力科目 A問題2 問題文

電験3種 電力科目 【水力】 平成28年度 A問題2

 次の文章は、発電所に用いられる同期発電機である水車発電機とタービン発電機の特徴に関する記述である。水力発電所に用いられる水車発電機は直結する水車の特性からその回転速度はおおむね100min⁻¹〜1200min⁻¹とタービン発電機に比べ低速である。したがって、商用周波数50/60Hzを発生させるために磁極を多くとれる(ア)を用い、大形機では据付面積が小さく落差を有効に使用できる立軸形が用いられることが多い。タービン発電機に比べ、直径が大きく軸方向の長さが短い。

 一方、火力発電所に用いられるタービン発電機は原動機である蒸気タービンと直結し、回転速度が水車に比べ非常に高速なため2極機又は4極機が用いられ、大きな遠心力に耐えるように、直径が小さく軸方向に長い横軸形の(イ)を採用し、その回転子の軸及び鉄心は一体の鍛造軸材で作られる。

 水車発電機は、電力系統の安定度の面及び負荷遮断時の速度変動を抑える点から発電機の経済設計以上のはずみ車効果を要求される場合が多く、回転子直径がより大きくなり、鉄心の鉄量が多い、いわゆる鉄機械となる。一方、タービン発電機は、上述の構造のため界磁巻線を施す場所が制約され、大きな出力を得るためには電機子巻線の導体数が多い、すなわち銅量が多い、いわゆる銅機械となる。鉄機械は、体格が大きく重量が重く高価になるが、短絡比が(ウ)、同期インピーダンスが(エ)なり、電圧変動率が小さく、安定度が高く、(オ)が大きくなるといった利点をもつ。上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)突極機円筒機大きく小さく線路充電容量
(2)円筒機突極機大きく小さく線路充電容量
(3)突極機円筒機大きく小さく部分負荷効率
(4)円筒機突極機小さく大きく部分負荷効率
(5)突極機円筒機小さく大きく部分負荷効率

ポイント解説:水車発電機=突極機・鉄機械(短絡比大/同期インピーダンス小)

(ア)(イ):水車発電機は回転速度が100〜1200min⁻¹と低速なので、商用周波数を得るには磁極を多く必要とする(N=120f/p)。多極にできるのは突極機で、大形機では立軸形が多く、直径が大きく軸方向の長さが短い。一方タービン発電機は蒸気タービン直結で非常に高速(2極・4極)なので、大きな遠心力に耐えるよう直径が小さく軸方向に長い横軸形の円筒機を採用する。

(ウ)(エ)(オ):水車発電機ははずみ車効果を求められ回転子直径が大きく鉄量が多い鉄機械。鉄機械は体格が大きく重く高価だが、短絡比が大きく、(短絡比とほぼ逆数の関係にある)同期インピーダンスが小さくなり、電圧変動率が小さく、安定度が高く、線路充電容量が大きいという利点をもつ。よって答えは(1)。

問題の解説

STEP1 (ア)(イ)

低速で磁極を多くとる=突極機(水車発電機)。高速で2〜4極・遠心力対策の横軸=円筒機(タービン発電機)。

STEP2 (ウ)(エ)

鉄機械は短絡比が大きく、同期インピーダンスが小さい(Ks≒1/Zs[p.u.])。

STEP3 (オ)

鉄機械の利点は電圧変動率が小さい・安定度が高い・線路充電容量が大きい→(1)。

答え:(1)

💡 覚え方
水車発電機=低速・多極・突極機・立軸形・直径大/タービン発電機=高速(2〜4極)・円筒機・横軸形・直径小で軸方向に長い。鉄機械(水車発電機)=短絡比大・同期インピーダンス小・電圧変動率小・安定度高・線路充電容量大(ただし大形で高価)。銅機械(タービン発電機)=銅量が多い。

⚠️ よくある間違い
突極機=水車発電機(低速多極)、円筒機=タービン発電機(高速)を逆にしない。短絡比と同期インピーダンスはほぼ逆数(短絡比大⇔同期インピーダンス小)。鉄機械の利点は「線路充電容量が大きい」(部分負荷効率ではない)。

まとめ

(ア)水車発電機=低速多極→突極機
(イ)タービン発電機=高速→円筒機(横軸)
(ウ)鉄機械は短絡比が大きく
(エ)同期インピーダンスが小さい
(オ)線路充電容量が大きい→(1)

▼あわせて解きたい関連問題
・揚水発電所の出力・入力・総合効率(水力26):【電力】平成28年度 A問題1

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