今回は平成27年度 法規科目 A問題4、避雷器等の施設の空欄補充問題です。どこに避雷器を付けるのか——3つの箇所を暗記すれば確実に取れます。
避雷器を施設する3箇所は①発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線引込口及び引出口 ②架空電線路に接続する配電用変圧器(過電流遮断器の設置等の保安上の保護対策が施されているもの)の高圧側及び特別高圧側 ③高圧又は特別高圧の架空電線路から供給を受ける需要場所の引込口。
平成27年度 法規科目 A問題4:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「平成27年度 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題4
電験3種 法規科目 【電技省令】 平成27年度 A問題4
次の文章は、「電気設備技術基準」における高圧及び特別高圧の電路の避雷器等の施設についての記述である。
雷電圧による電路に施設する電気設備の損壊を防止できるよう、当該電路中次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、雷電圧による当該電気設備の損壊のおそれがない場合は、この限りでない。
a. 発電所又は(ア)若しくはこれに準ずる場所の架空電線引込口及び引出口
b. 架空電線路に接続する(イ)であって、(ウ)の設置等の保安上の保護対策が施されているものの高圧側及び特別高圧側
c. 高圧又は特別高圧の架空電線路から(エ)を受ける(オ)の引込口
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ) (オ) (1) 開閉所 配電用変圧器 開閉器 引込み 需要設備 (2) 変電所 配電用変圧器 過電流遮断器 供給 需要場所 (3) 変電所 配電用変圧器 開閉器 供給 需要設備 (4) 受電所 受電用設備 過電流遮断器 引込み 使用場所 (5) 開閉所 受電用設備 過電圧継電器 供給 需要場所

答えは(2):変電所・配電用変圧器・過電流遮断器・供給・需要場所
(ア)は「変電所」——「受電所」という用語は電技にありません。
(イ)(ウ)は「配電用変圧器」「過電流遮断器」——柱上変圧器がこれに当たります。
(エ)(オ)は「供給」「需要場所」——「需要設備」ではありません。
★避雷器を置く3箇所
| 箇所 | どこか | 守るもの |
| ★① | ★★発電所・変電所の架空電線引込口及び引出口 | ★★構内の設備 |
| ★② | ★★配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側 | ★★柱上変圧器 |
| ★③ | ★★高圧・特別高圧の架空電線路から供給を受ける需要場所の引込口 | ★★需要家の受電設備 |
3箇所とも「架空電線と設備の境目」です——雷サージは架空電線を伝わってくるからです。
入口で受け止めて大地へ逃がす——これが避雷器の役割です。
地中電線路からの受電では、避雷器は不要になります——雷サージが入ってこないからです。
★避雷器の働き
| 状態 | 避雷器の動き |
| ★平常時 | ★★絶縁状態を保つ |
| ★雷サージ到来時 | ★★導通して大地へ逃がす |
| ★サージ通過後 | ★★続流を遮断して元の絶縁状態に戻る |
ふだんは絶縁、異常時だけ導通する——この切り替わりが避雷器の要です。
続流(商用周波数の電流)を切れないと、地絡状態が続きます——だから続流遮断能力が重要なのです。
動作時にアークを生ずる器具として、電技9条にも挙げられています。
★高圧需要場所は500kW以上
| 受電電圧 | 避雷器の施設 |
| ★特別高圧 | ★★必要 |
| ★高圧(500kW以上) | ★★必要 |
| ★高圧(500kW未満) | ★★省略できる |
解釈第37条で、高圧需要場所は500kW以上が対象と定められています——省令が箇所を、解釈が規模を示す形です。
小規模な高圧受電では、避雷器がないこともあります——ただし実務では設置が推奨されます。
避雷器の接地
避雷器にはA種接地工事(10Ω以下)が必要です——雷サージを確実に大地へ逃がすためです。
接地抵抗が大きいと、避雷器の端子電圧が上がってしまいます——保護効果が下がるのです。
令和4年度上期A問題3では、内蔵避雷器をD種70Ωとしたのが誤りとされました——A種10Ω以下が必須です。
「これに準ずる場所」
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 変電所 | ★★変電所 | ★受電所 | ★★電技に「受電所」という用語はない |
| 過電流遮断器 | ★★過電流遮断器 | ★開閉器 | ★★保護対策が施されている証 |
| 需要場所 | ★★需要場所 | ★需要設備 | ★★条文の語は需要場所 |
開閉所も「これに準ずる場所」に含まれます——ただし条文が明記しているのは発電所・変電所のペアです。
条文が挙げていない語を選ばない——空欄補充の鉄則です。
なぜ「過電流遮断器の設置等」が条件なのか
遮断器があるということは、きちんと保護された設備だという意味です。
逆に保護対策のない小さな変圧器まで避雷器を求めるのは過剰です——費用と効果のつり合いを取っています。
「開閉器」ではなく「過電流遮断器」——保護のレベルが違います。
雷害対策の全体像
| 対策 | 役割 |
| ★架空地線 | ★★雷を直接受けて大地へ逃がす |
| ★避雷器 | ★★侵入したサージを制限する |
| ★接地 | ★★サージを大地へ流す |
| ★絶縁協調 | ★★機器の絶縁レベルを避雷器の制限電圧より高くする |
避雷器だけでは雷害は防げません——複数の対策を組み合わせます。
絶縁協調という考え方は、電力科目でも出てきます——科目をまたいでつながる知識です。
雷サージはどこから入るか
| 経路 | 内容 |
| ★直撃雷 | ★★電線に直接落ちる |
| ★誘導雷 | ★★近くに落ちた雷が電線に電圧を誘起する |
| ★逆流雷 | ★★鉄塔に落ちた雷が電線側へ逆流する |
配電線路で多いのは誘導雷です——直撃でなくても大きなサージが生じるのです。
だから架空電線路のある設備には、避雷器が要ります——3箇所の共通点は「架空」です。
絶縁協調という考え方
避雷器の制限電圧<機器の絶縁強度
★サージを抑え込む電圧
★これを超えると絶縁破壊
避雷器が抑える電圧より、機器の絶縁が強ければ守れます——これが絶縁協調です。
避雷器を置くだけでなく、機器の絶縁レベルとの関係が大切——電力科目でも出てくる考え方です。
避雷器の種類
| 種類 | 特徴 |
| ★酸化亜鉛形(ZnO) | ★★現在の主流。直列ギャップ不要 |
| ★炭化けい素形(SiC) | ★★旧型。直列ギャップが必要 |
酸化亜鉛形は、電圧が低いときはほとんど電流を流しません——だからギャップなしで使えるのです。
非直線抵抗特性という性質が、避雷器の働きを支えています。
3箇所を唱えられるようにしておけば、この条文は完璧です——引込口・引出口/配電用変圧器/需要場所の引込口。
⏱️ 本番での進め方
① (ア)は「変電所」——受電所という用語はない。
② (ウ)は「過電流遮断器」。開閉器では保護レベルが違う。
③ (オ)は「需要場所」——需要設備ではない。
④ 3箇所とも架空電線と設備の境目にある。
出題履歴——避雷器は繰り返し出る
| 年度 | 問われ方 |
| ★平成22年度 問5 | ★★避雷器の施設箇所 |
| ★平成27年度 問4 | ★★避雷器等の施設(本問) |
| ★令和3年度 問4 | ★★避雷器の施設の誤り選択 |
解釈第37条とセットで問われることが多い条文です——省令が箇所、解釈が規模と接地を定めます。
令和4年度下期 A問題3では、避雷器が「動作時にアークを生ずる器具」として登場しました。
💡 覚え方
避雷器を施設する3箇所=①発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線引込口及び引出口 ②架空電線路に接続する配電用変圧器(過電流遮断器の設置等の保安上の保護対策が施されているもの)の高圧側及び特別高圧側 ③高圧又は特別高圧の架空電線路から供給を受ける需要場所の引込口。接地はA種10Ω以下。
⚠️ よくある間違い
「受電所」という用語は電技にない——変電所。「開閉器」ではなく過電流遮断器。「需要設備」ではなく需要場所。
まとめ
| (ア) | 変電所 |
| (イ) | 配電用変圧器 |
| (ウ) | 過電流遮断器 |
| (エ) | 供給 |
| (オ) | 需要場所 |
| 答え | (2) |
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