今回は令和7年度上期 法規科目 A問題5、発電用風力設備に関する技術基準から、風車を支持する工作物の空欄補充問題です。風力の技術基準は条文数が少ないので、丸暗記が最も効率的です。
荷重の並びは自重・積載荷重・積雪及び風圧、並びに地震その他の振動及び衝撃。そして小規模発電設備なら取扱者以外の者が容易に「登る」ことができないように措置します——タワーによじ登られる事故を防ぐ規定です。
令和7年度上期 法規科目 A問題5:問題文と選択肢
まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験」法規科目 A問題5
電験3種 法規科目 【風力設備技術基準】 令和7年度上期 A問題5
次の文章は、「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」における、風車を支持する工作物に関する記述である。
a) 風車を支持する工作物は、自重、積載荷重、(ア)及び風圧並びに地震その他の振動及び(イ)に対して構造上安全でなければならない。
b) 発電用風力設備が小規模発電設備である場合には、風車を支持する工作物に取扱者以外の者が容易に(ウ)ことができないように適切な措置を講じること。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (1) 飛来物 衝撃 登る (2) 積雪 腐食 接近する (3) 飛来物 衝撃 接近する (4) 積雪 衝撃 登る (5) 飛来物 腐食 接近する

答えは(4):積雪・衝撃・登る
条文数が少ないので、丸暗記が最も効率的です——語の並びごと覚えます。
★荷重と外力を2グループで覚える
| グループ | 内容 |
| ★荷重 | ★★自重・積載荷重・積雪・風圧 |
| ★外力 | ★★地震その他の振動・衝撃 |
「並びに」の前が荷重、後が外力です——条文の構造がそうなっています。
2グループに分けると、語の抜けに気づきやすい——4+2の6項目です。
「飛来物」は条文にありません——常時考慮する荷重ではないからです。
★なぜ「積雪」なのか
| 立地 | 積雪の影響 |
| ★北海道・東北・北陸 | ★★風力発電の主要立地であり積雪が多い |
| ★ナセル・ブレード | ★★着雪により重量が増す |
| ★基礎・タワー | ★★上部の荷重増が伝わる |
風力発電は風の強い地域に建てられます——日本では日本海側が多いのです。
そこは同時に積雪の多い地域——だから積雪を荷重に含めるのです。
立地の実態を反映した条文です。
★「衝撃」と「腐食」の違い
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 衝撃 | ★★衝撃 | ★腐食 | ★★瞬間的な外力/時間をかけた劣化 |
| 構造上の安全(荷重) | ★★構造上の安全(荷重) | ★材料の劣化 | ★★この条が問うカテゴリが違う |
7条は「構造上安全」を求める条文です——荷重と外力の話。
腐食は劣化現象であって、荷重ではありません——別のカテゴリです。
「振動及び衝撃」はセットで登場する定型句——電技でも同じです。
★★なぜ「登る」なのか
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 容易に登ることができないように | ★★容易に登ることができないように | ★容易に接近できないように | ★★昇塔防止/立入防止 |
| タワーによじ登る事故を防ぐ | ★★タワーによじ登る事故を防ぐ | ★柵で囲う | ★★求めている措置が違う |
風車のタワーには、はしご状の構造を持つものがあります——保守用の昇降設備です。
そこを第三者がよじ登れば、墜落・感電の危険——だから昇塔防止を求めるのです。
「接近する」ではなく「登る」と限定されている——柵で囲うことまでは求めていないのです。
★解釈53条(昇塔防止)との共通性
| 条文 | 対象 | 求めること |
| ★解釈53条 | ★★架空電線路の支持物 | ★★足場金具は地表上1.8m以上・4つの例外 |
| ★風力省令7条 | ★★風車を支持する工作物(小規模発電設備) | ★★容易に登ることができないように措置 |
どちらも「第三者がよじ登るのを物理的に防ぐ」規定です——発想が共通しています。
監視や表示では代替できない——これも共通です。
条文をまたいで同じ思想が流れていることがわかります。
小規模発電設備とは
| 設備 | 出力 | 区分 |
| ★風力発電設備 | ★★20kW未満 | ★★小規模発電設備 |
| ★太陽電池発電設備 | ★★50kW未満 | ★★小規模発電設備 |
小規模なら管理者が常駐しないことが多いです——だから第三者対策が必要になります。
大規模な風力発電所は柵で囲われています——そちらは別の措置です。
規模で求められる措置が変わる——合理的な規定です。
風車を支持する工作物の構造
| 部位 | 内容 |
| ★タワー | ★★鋼製の筒身が主流。高さ60〜100m以上 |
| ★基礎 | ★★鉄筋コンクリート製の大型基礎 |
| ★ナセル | ★★発電機・増速機を収める(数十トン) |
細長いタワーの上に重量物を載せた構造です——転倒モーメントが大きいのです。
だから自重・積雪・風圧・地震のすべてに耐える必要がある——7条が列挙する理由です。
洋上風力の広がり
近年、着床式・浮体式の洋上風力が進んでいます——陸上より風が安定しているからです。
波力や潮流という新たな荷重が加わります——技術基準も対応が進んでいます。
制度が技術を追いかける分野——今後の改正にも注意です。
風力設備の技術基準の全体
| 条 | 内容 |
| ★第4条 | ★★風車(構造上安全・振動・接触等) |
| ★第5条 | ★★風車の安全な状態の確保 |
| ★第6条 | ★★圧油装置等の施設 |
| ★第7条 | ★★風車を支持する工作物(本問) |
10条程度の短い省令です——すべて読んでも数分。
毎年1問程度出題されるので、費用対効果が高い——確実に得点したい分野です。
「自重」と「積載荷重」の違い
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 自重 | ★★自重 | ★積載荷重 | ★★構造物そのものの重さ/その上に載る物の重さ |
| タワーの鋼材 | ★★タワーの鋼材 | ★ナセル・ロータ・保守員 | ★★何の重さか |
自重は工作物そのものの重量です——タワーの鋼材の重さ。
積載荷重はその上に載るものの重量——ナセルやロータ、保守作業員です。
建築基準法でも同じ区別が使われています——構造設計の共通概念です。
風圧が支持工作物に与える力
★風速の2乗に比例
高さが効く
風圧力は風速の2乗に比例します——台風時は平常時の数十倍。
タワーが高いほど、転倒モーメントは大きくなります——力×高さ。
だから基礎が非常に大きくなる——数百m³のコンクリートです。
地震に対する検討
| 観点 | 内容 |
| ★水平力 | ★★ナセルの質量×水平震度 |
| ★高い位置の質量 | ★★慣性力が大きくなる |
| ★風との組合せ | ★★通常は同時には考えない |
日本は地震国なので、地震荷重の検討が欠かせません——条文にも明記されています。
重いナセルが高所にあるため、慣性力が大きい——倒立振子のような構造です。
第2条(危険防止措置)との関係
| 条文の言葉 | ダミー語 | 違い | |
| 第2条 | ★★第2条 | ★第7条b号 | ★★発電用風力設備全般/風車を支持する工作物 |
| 取扱者以外の者に対する危険防止 | ★★取扱者以外の者に対する危険防止 | ★容易に登れないように | ★★一般規定/具体的な措置 |
第2条が一般的な危険防止を定め、7条b号が具体化しています。
小規模発電設備は無人であることが多い——だから物理的な措置が求められるのです。
条文の階層構造を意識すると理解しやすいのです。
風力発電設備の設置形態
| 形態 | 特徴 |
| ★陸上(大規模) | ★★ウィンドファームとして複数基を並べる |
| ★陸上(小規模) | ★★20kW未満。7条b号の対象 |
| ★洋上(着床式) | ★★浅海域に基礎を打ち込む |
| ★洋上(浮体式) | ★★深海域に浮かべて係留する |
小規模発電設備は、事業所や学校などに単独で設置されます——人が近づきやすい環境です。
だから昇塔防止が明記されている——大規模なら敷地全体を柵で囲えます。
⏱️ 本番での進め方
① 荷重は自重・積載荷重・積雪及び風圧——「飛来物」はない。
② 外力は地震その他の振動及び衝撃——「腐食」ではない。
③ 小規模発電設備は容易に「登る」ことができないように措置。
④ 「並びに」の前が荷重、後が外力——2グループで覚える。
💡 覚え方
発電用風力設備省令7条=風車を支持する工作物は、自重・積載荷重・積雪及び風圧並びに地震その他の振動及び衝撃に対して構造上安全でなければならない。小規模発電設備の場合は、取扱者以外の者が容易に登ることができないように適切な措置を講じる。
⚠️ よくある間違い
「飛来物」は条文にない——積雪。「腐食」ではなく衝撃。「接近する」ではなく登る——昇塔防止を求めている。
まとめ
| (ア) | 積雪 |
| (イ) | 衝撃 |
| (ウ) | 登る |
| 荷重 | 自重・積載荷重・積雪・風圧 |
| 外力 | 地震その他の振動・衝撃 |
| 答え | (4) |
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