変電24【電験3種 電力】V結線の出力はΔの√3/3倍!√3/2は利用率 平成30年度 A問題12 完全解説

電験3種 電力科目【変電】平成30年度 A問題12 誤りは(2)——V結線の出力は同一変圧器3台のΔ結線に対して√3/3(≒0.577)倍。√3/2(≒0.866)は「利用率」であって出力比ではない

今回は平成30年度 電力科目 A問題12、変圧器のV結線方式について誤っているものを選ぶ問題です。V結線は単相変圧器2台で三相を得る方式で、「出力」と「利用率」の2つの√3系の数値を混同させるのが定番の罠です。

ここを押さえれば一発。V結線の出力=√3×(変圧器1台の容量)、同じ変圧器3台のΔ結線の出力=3×(1台の容量)。だから出力比は√3/3≒0.577。一方利用率=出力/(2台の合計容量)=√3/2≒0.866。この2つの数字を取り違えた記述が答えです。

出題のポイント

目次

平成30年度 電力科目 A問題12:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 変電 平成30年度 A問題12 問題文
平成30年度 電力科目 A問題12 問題文

電験3種 電力科目 【変電】 平成30年度 A問題12

 変圧器のV結線方式に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

単相変圧器2台で三相が得られる。
同一の変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合、Δ結線変圧器と比較して、出力は√3⁄2倍となる。
同一の変圧器2台を使用して三相平衡負荷に供給している場合、変圧器の利用率は√3⁄2となる。
電灯動力共用方式の場合、共用変圧器には電灯と動力の電流が加わって流れるため、一般に動力専用変圧器の容量と比較して共用変圧器の容量の方が大きい。
単相変圧器を用いたΔ結線方式と比較して、変圧器の電柱への設置が簡素化できる。

ポイント解説:V結線の出力比は√3/3、利用率は√3/2(混同が罠)

(2)が誤り:単相変圧器1台の容量をPとすると、V結線(2台使用)の出力は√3P、同じ変圧器3台で組むΔ結線の出力は3P。したがってΔ結線に対するV結線の出力比は √3P/3P=√3/3=1/√3≒0.577倍。(2)は「√3/2(≒0.866)倍」としているが、これは出力比ではなく利用率の値——数字を取り違えていて誤り。

その他は正しい:(1)V結線は単相変圧器2台で三相を得られる。(3)V結線の利用率は 出力√3P÷(2台の合計容量2P)=√3/2≒0.866で正しい(設備容量の約86.6%しか使えない)。(4)電灯動力共用方式(異容量V結線)では、共用変圧器に電灯電流と動力電流が重畳して流れるため、動力専用変圧器より共用変圧器の容量を大きくする。(5)V結線は変圧器が2台で済むので、Δ結線(3台)に比べ電柱への設置が簡素化できる。よって答えは(2)。

問題の解説

STEP1 出力を式で

V結線出力=√3P、Δ結線出力=3P。比=√3/3≒0.577。

STEP2 (2)を判定

(2)は√3/2(≒0.866)倍としている→これは利用率の値で誤り→(2)。

STEP3 他を確認

(3)利用率√3/2、(4)共用変圧器は大容量、(5)2台で設置簡素——正しい。

答え:(2)

💡 覚え方
V結線の2大数値を区別:**出力=√3×(1台容量)**、同一変圧器3台の**Δ結線出力=3×(1台容量)**→**出力比=√3/3=1/√3≒0.577**。**利用率=出力/(2台合計容量)=√3/2≒0.866**(約86.6%)。V結線は①単相2台で三相、②1台故障時の応急送電、③設置が簡素(2台)。**異容量V結線(電灯動力共用)**は共用変圧器を大容量にする。√3/2は利用率、√3/3は対Δ出力比——混同しない。

⚠️ よくある間違い
√3/2(0.866)=利用率、√3/3=1/√3(0.577)=対Δ結線の出力比。(2)はこの2つを取り違えた誤り。利用率√3/2の(3)は正しいので、両方を「√3/2」と早合点しない——問われているのが出力比か利用率かを読む。

まとめ

(1)三相化単相2台で三相を得る→正しい
(2)出力比対Δは√3/3(0.577)倍。√3/2は誤り→答え
(3)利用率出力/(2台容量)=√3/2(0.866)→正しい
(4)電灯動力共用共用変圧器の容量を大きくする→正しい
(5)設置2台でΔより簡素→正しい

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