変電21【電験3種 電力】変電所の役割と分類!周波数変換所と交直変換所を見分ける 令和1年度 A問題7 完全解説

電験3種 電力科目 変電 令和1年度 A問題7 周波数変換所と交直変換所!変電所を分類する

今回は令和1年度 電力科目 A問題7、変電所の主な役割と用途上の分類に関する空欄補充問題です。調相設備・電圧調整・潮流調整という3つの役割と、周波数変換所・交直変換所という特殊変電所を整理します。

決め手は(エ)(オ)の連系。東日本(50Hz)と西日本(60Hz)を結ぶのは周波数変換所、北海道と本州を結ぶのは直流連系なので交直変換所。地理と周波数の境界をイメージすれば即決できます。

目次

令和1年度 電力科目 A問題7:問題文と選択肢

まずは、実際の試験問題を確認してみましょう。

電験3種 電力科目 変電 令和1年度 A問題7 問題文
令和1年度 電力科目 A問題7 問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「令和1年度 第三種電気主任技術者試験」電力科目 A問題7

電験3種 電力科目 【変電】 令和1年度 A問題7

 変電所は、主に送電効率向上のための昇圧や需要家が必要とする電圧への降圧を行うが、進相コンデンサや(ア)などの調相設備や、変圧器のタップ切り換えなどを用い、需要地における負荷の変化に対応するための(イ)調整の役割も担っている。また、送変電設備の局所的な過負荷運転を避けるためなどの目的で、開閉装置により系統切り換えを行って(ウ)を調整する。さらに、送電線において、短絡又は地絡事故が生じた場合、事故回線を切り離すことで事故の波及を防ぐ系統保護の役割も担っている。変電所は、用途の面から、送電用変電所、配電用変電所などに分類されるが、東日本と西日本の間の連系に用いられる(エ)や北海道と本州の間の連系に用いられる(オ)も変電所の一種として分類されることがある。上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

次の文章は、変電所の主な役割と用途上の分類に関する記述である。空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)分路リアクトル電圧電力潮流周波数変換所電気鉄道用変電所
(2)負荷開閉器周波数無効電力自家用変電所中間開閉所
(3)分路リアクトル電圧電力潮流周波数変換所交直変換所
(4)負荷時電圧調整器周波数無効電力自家用変電所電気鉄道用変電所
(5)負荷時電圧調整器周波数有効電力中間開閉所交直変換所
答え正解は (3)——(ア)分路リアクトル (イ)電圧 (ウ)電力潮流 (エ)周波数変換所 (オ)交直変換所 です。

(ア)(イ) 調相設備と電圧調整

進相コンデンサと対になるのは分路リアクトルです。

設備働き使う場面
★進相コンデンサ★進み無効電力を供給し電圧を上げる★重負荷時
★分路リアクトル★遅れ無効電力を吸収し電圧を下げる★軽負荷時

調相設備が担うのは電圧の調整——だから(イ)は電圧です。

「周波数」は発電機の出力で調整するもの——変電所の役割ではありません

「負荷時電圧調整器」は変圧器のタップを切り換える装置——問題文がすでに「変圧器のタップ切り換え」と別に書いています

だから(ア)は調相設備の仲間である分路リアクトル——並記されている語から判断できます

(ウ) 電力潮流という言葉

系統を流れる電力の向きと大きさ——それを潮流と呼びます

川の流れになぞらえた言い方——電力がどこからどこへ流れるかを表します

開閉装置で系統を切り換えれば、流れる経路が変わります——混んでいる線路の負担を減らせるのです。

「無効電力」だけでは狭すぎます——局所的な過負荷を避けるのは有効電力も含めた話

「有効電力」でも足りない——潮流は両方を含む概念だからです。

(エ)(オ) 2種類の変換所

★周波数変換所(FC)★交直変換所(BTB・直流送電端)
★目的★50 Hz と60 Hz をつなぐ★交流と直流を変換する
★場所★東日本と西日本の境界★北海道〜本州、紀伊水道など
★代表例★佐久間・新信濃・東清水★北海道〜本州直流連系

東日本は50 Hz、西日本は60 Hz——そのままではつなげません

いったん直流にしてから、相手の周波数で作り直す——それが周波数変換所です。

北海道と本州はなぜ直流なのか

津軽海峡を海底ケーブルで渡します

理由内容
★充電電流★交流では長い海底ケーブルに大電流が流れる
★安定度★直流なら同期をとる必要がない
★潮流制御★送る量を自由に決められる

どちらも60 Hz でも50 Hz でもない理由ではありません——北海道も本州東部も50 Hzです。

周波数は同じでも、海底送電のために直流にする——だから交直変換所になります。

周波数変換所も内部では交直変換をしています——目的が違うので呼び分けます

⚠️ よくある間違い
(ア)を「負荷開閉器」としてしまう——選択肢(2)(4)がそれです。調相設備の仲間ではありません
(イ)を「周波数」としてしまう——選択肢(2)(4)(5)周波数の調整は発電機の役割です。
(ウ)を「無効電力」「有効電力」としてしまう——選択肢(2)(4)(5)潮流は両方を含む概念
(エ)を「自家用変電所」としてしまう——選択肢(2)(4)東西の連系に使うのは周波数変換所です。
(オ)を「電気鉄道用変電所」としてしまう——選択肢(1)(4)北海道と本州は交直変換所
(イ)だけで(1)(3)に絞れます——あとは(オ)で確定するでしょう。

⏱️ 本番での進め方
①★調相設備が調整するのは電圧。周波数ではない。
②★潮流は有効・無効の両方を含む。
③★東西の連系は周波数変換所(50/60 Hz)。
④★北海道と本州は交直変換所(海底ケーブル)。

💡 覚え方
「東西は周波数、海峡は交直」——境目の性質が違います周波数が違うから周波数変換所、海を渡るから交直変換所です。

調相設備の詳細は平成24年度 A問題8変電:調相設備)にあります。

変電所の5つの役割

問題文が挙げているものを整理しましょう

役割手段
★電圧の変換★変圧器による昇圧・降圧
★電圧の調整★調相設備・タップ切り換え
★潮流の制御★開閉装置による系統切り換え
★系統の保護★保護継電器と遮断器による事故回線の切り離し
★周波数・交直の変換★周波数変換所・交直変換所

「電圧を変えるところ」というだけではありません——系統を運用する拠点です。

事故が起きたとき、どこを切り離すかを決めるのも変電所——被害を最小限に抑えます

周波数変換所の容量

変換所容量運転開始
★佐久間★30万 kW★1965年
★新信濃★60万 kW★1977年
★東清水★30万 kW★2006年

合計で120万 kW 前後——日本全体の需要から見ればごくわずかです。

だから東西で電力を融通できる量に限りがある——2011年の震災で問題になりました

その後、増強が進められています——210万 kW を目標とする計画です。

要点をもう一度

変電所の役割と分類を、5つの空欄で問う形です。

空欄答え紛らわしい選択肢
(ア)★分路リアクトル★負荷開閉器・負荷時電圧調整器
(イ)★電圧★周波数
(ウ)★電力潮流★無効電力・有効電力
(エ)★周波数変換所★自家用変電所・中間開閉所
(オ)★交直変換所★電気鉄道用変電所

(イ)だけで(1)(3)に絞れます——あとは(オ)で確定です。

調相設備が調整するのは電圧——周波数は発電機の出力で調整します

周波数と電圧の役割分担

調整するもの手段担い手
★周波数★発電機の出力(有効電力)★発電所・中央給電指令所
★電圧★調相設備・タップ(無効電力)★変電所

有効電力が周波数、無効電力が電圧を決めます——P-f と Q-V の関係と呼ばれます。

だから変電所は電圧を、発電所は周波数を担当する——役割が分かれています

送電用と配電用の変電所

問題文が挙げる用途上の分類を見ましょう

種類受電電圧送出電圧役割
★超高圧変電所★500 kV★275 kV★基幹系統の中継
★一次変電所★275 kV★154 kV★大口需要家への供給も
★中間変電所★154 kV★66 kV★地域への配分
★配電用変電所★66 kV★6.6 kV★配電線へ送り出す

発電所から需要家まで、段階的に電圧を下げていきます——各段に変電所があるのです。

電圧を下げるほど、変電所の数は増えます——配電用変電所は全国に6,000か所以上

本問の「送電用」「配電用」という分け方は、その大分類——需要家に近いかどうかで分かれます。

なぜ段階的に下げるのか

いきなり500 kV から6.6 kV には下げません

変圧比が大きすぎると、変圧器が大きく高価になります——絶縁の設計も難しくなるのです。

途中の電圧でも需要家がいる——工場は66 kV や22 kV で受電します

だから段階を踏むほうが合理的——系統全体の設計思想になります。

まとめ

(ア)進相コンデンサと並ぶ調相設備=分路リアクトル
(イ)変圧器タップ切換による電圧調整
(ウ)開閉装置による電力潮流の調整
(エ)東西(50/60Hz)連系=周波数変換所
(オ)北海道-本州の直流連系=交直変換所→(3)

▼あわせて解きたい関連問題
・調相設備(変電3・進相コンデンサと分路リアクトル):【電力】令和6年度下期 A問題6
・この年度の問題を通しで解く:電験3種 令和1年度 問題一覧(全4科目)

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